コミュニティ・スクールに伴走支援が必要な理由
コミュニティ・スクール伴奏支援に私たちが取り組むのには、大きく分けて2つの側面があります。
1つ目は、コミュニティ・スクールの現場に入り込んで活動すること自体が「研究の一環」であるという点です。現場の内側に入らなければ見えてこない課題や真実があるため、この活動は非常に重要な意味を持っています。
2つ目は、より実践的な側面です。コミュニティ・スクールは、単に研修を受けて知識を得たからといって、すぐに運用できるものではありません。実際に始めてみると、
- 「誰がどのように苦悩しているのか」
- 「何が機能していないから上手くいかないのか」
といった現場特有の壁にぶつかります。そこに私たちが伴走し、「ここが足りていませんよ」と客観的に指摘したりアドバイスしたりしなければ、物事はなかなか前進しません。
学校内や地域の中に、それほどまでの熱量を持ってコミュニティ・スクールを動かそうとする人がいない場合、活動は停滞してしまいます。このプロジェクトは、コミュニティ・スクールが「形骸化」に陥るのを防ぎ、現場を分析して活性化させるための取り組みです。
困難な状況からのスタートと組織づくり
現在関わっている学校では、当初「学校運営協議会」すら設置されていない状態から伴走が始まりました。
当時の状況は非常に厳しいものでした。先生方は「コミュニティ・スクールは嫌いです」というスタンスであり、地域も子供たちに対して特別手厚いわけではありませんでした。さらに、外部の人間(よそ者)をあまり受け入れないという風土もありました。
しかし、「このままではこの地域がなくなってしまうのではないか」という危機感に対し、外部の立場から何ができるかを考えるには最適な場所でもありました。そこでまず、学校運営協議会の設置を促すことから始め、紆余曲折を経て「地域学校協働本部」の設立にいたりました。
地域と学校の「困りごと」や「やりたいこと」を相互に交換するためには、「地域学校協働活動推進員」の存在が不可欠ですが、当初は配置されていませんでした。どうすれば予算を確保して配置できるかといった実務的な調整も、粘り強く続けてきました。
元々は縁もゆかりもない土地でしたが、今ではどの先生よりも長くその学校に関わっており、非常に深い愛着を感じています。
継続的な関わりがもたらす「安心感」と「具体策」
長期間現場に居続けることのメリットは、研修などでも生かされます。現場のさまざまなストーリーを熟知しているからこそ、説得力のある研修が可能になります。また、常に「そこにいてくれる人がいる」という事実は、学校にとっても大きな安心感に繋がっています。
現在、具体的には以下のような活動が行われています:
- 校内コミュニティルームの活用:地域の人が自由に入って活動できる居場所づくり。
- 定期的な雑談会:1〜2ヶ月に一度、地域の人が集まって交流する場。
- 資源回収活動:地域でゴミ拾い等を行い、集まった資源を売却して、その収益を子供たちの活動資金に還元する取り組み。
- 挨拶運動の検討:子供たちが地域の方と一緒に、挨拶について主体的に考える機会。
- 学校宿泊企画:地域住民が主体となって企画・運営し、学校側の負担を最小限に抑えながら実施する交流イベント。
地域の人たちが主体的に動き、学校の負担にならないような仕組みが少しずつ出来上がってきています。
「拡大学校運営協議会」による本音の対話
特徴的な取り組みとして年1回の「拡大学校運営協議会」があります。 これは、通常の協議会委員だけでなく、一般の教職員、地域住民、保護者、そして「子供たち」も参加する大規模な会議です。昨年は45名が集まり、非常に盛り上がりました。

参加者の内訳は、先生方が20名ちょっと、残りの約20名が子供や地域の方々という理想的なバランスで、学校の課題に向き合っています。学校がどのような方向を目指しているのかを全員で共有し、どうすれば実現できるかを本音で話し合います。
ここに至るまでには、地域と学校の温度差を埋めるための調整や、合意形成のための対話など、多くの苦労がありました。先生方の異動による引き継ぎがうまくいかず、停滞しそうになったこともあります。それでも私たちは、先生方が「そこまでやらなくていい」と思うことでも、「それ以上にやりましょう」と信じて関わってきました。
その結果、先生方から「まさかここまでやってもらえるとは思わなかった」「こんなに関わってくれる人は今までいなかった」と言っていただけるまでになりました。これは単なる支援ではなく、相手の心にまで踏み込む「心までついてくる伴走支援」だと自負しています。
各地域へのメッセージ
この伴走支援プロジェクトを、今後はさらに多くの地域へ広げていきたいと考えています。
地域ごとの特色や課題、人的ネットワークなど、条件によっては難しい場合もありますが、お申し込みがあれば積極的に各地域へ飛び出していきたいと思っています。異なる地域で起きた課題を共有し、解決策を共に考えていければ幸いです。
もし「自分たちの地域でも何かできるのではないか」「今の状況を変えたい」と思われたなら、まずは気軽にお問い合わせください。分からないことや聞いてみたいことがあれば、メールでのご相談をお待ちしております。
