こんにちは。NPO法人教員支援ネットワークT-KNITの菊地です。
春から夏休み期間をのぞいて毎月開催してきた笠間公民館講座「サタデーまなbe」を終えたので、ご報告させていただきます。
サタデーまなbeとは
小学校が完全週休2日制になり保護者などから週末の学びの場を求める声が多くありました。
その時間を体験による学びの場にすることを目的として、笠間市内の三公民館はそれぞれ年6回の講座を開講しています。
わたしたちはその中で、笠間公民館の2018年度講座全6回のプログラム設計から講師までを担当させていただきました。小学1年生から6年生30名が対象となっています。
講座のプログラム
この講座は、パソコンを使わずに、6回の講座を通してプログラミング思考が見につくような設計をしました。
小学校では2020年度よりプログラミング教育が義務化されます。
一方で、デジタル教材の普及率は伸びず、学校にあるパソコン台数は不足しているのが現状です。
その中で注目されているのはアンプラグドのプログラミング教育です。アンプラグドとは、プラグに繋がないという意味で、すなわちパソコンを使わないプログラミング教育のことです。
私たちはアンプラグドのプログラミング教育として、今回の講座を設計しました。
全6回の講座内容
講座は以下のテーマで実施しました。
第1回:マジックの裏側~ドッキリ!マジックを覚えよう~
第2回:チームビルディング~協力して困難を乗り越えよう~
第3回:暑さに負けない!アイスを作ってみよう
第4回:公園で秋の色を集めよう
第5回:わたしたちのまちの歴史
第6回:君は声優~アニメの吹き替えに挑戦~
各回の講師は、わたしたちティニットのメンバーおよびその友人たちで務めました。
暑さに負けない!アイスを作ってみよう(9月8日)
全6回の講座の中から、2講座について簡単に紹介します。
9月の講座では、まだ残暑で暑いことが想定されたので、アイスをつくるという内容にしました。
この回は、科学・数学領域の参加体験型プログラムであるGEMSに紹介されているものを実践しました。講師は小勝さやか先生です。
受講生はそれぞれ牛乳に、砂糖・バニラ・みかん・着色料を選んで、好きな量ジップロックに入れます。
そのジップロックを振り回しながら氷で冷やし、固めます。
自分の作ったアイスの味を確認し、2回目に砂糖・バニラ・みかん・着色料の量を工夫してもう一度作ってみました。
公園で秋の色を集めよう(10月13日)
10月は佐白山周辺で、落ち葉やドングリなどを集め、その素材を利用して画用紙に「丸」を描くというワークショップを行いました。
講師は私、菊地章雄が担当しました。
今回の講座は、ピーター・レイノズ作、谷川俊太郎訳の絵本「てん」(英語名:the dot)をベースに構成しています。絵本「てん」の中で、絵が苦手な主人公ワシテは、絵がかけずキャンパスに「てん」だけを書きました。それを芸術であると先生が認め、ワシテは「もっと上手なてんを書ける」と制作活動に励んでいくというストーリーです。
「てん」のイラストだけをとっても、突き詰めればアーティストになれる、のびのびと個性を大切にした教育をしなさいという教訓を含んだ私たち大人に必読の絵本だと思っています。いくつか作品を紹介します。
イチョウを並べて○をつくったり、ハサミで切ったり、大きな○もあり、小さな○もある、顔になっていたり、車のかたちもありました。
さいごに
勉強することの本質は「なぜ」「どうして」を積み重ねていくことです。
今回参加した小学生は、「どうやったら美味しいアイスが出来るだろう?」とか「どうしたらすごい丸が描けるだろう」とか全6回の講座を通して「なぜ」を深めたと思います。
行うべき処理を順序立てて考え、記述したり、説明したり、表現したりする力を身につけられたと考えています。何より、ほかの小学校のお友達と仲良く学べる姿が見られたこと、本当にうれしく思っています。