地域学校連携をしたい!

そう思っている方が気になっているのがコミュニティ・スクールでしょう。

 

コミュニティ・スクールは地域ぐるみで学校運営するという非常に大掛かりな地域学校連携の仕組みです。

しかし、コミュニティ・スクールの目的や、狙いを理解している方はあまりいません。

 

今回はコミュニティ・スクールの目的や、狙いについて詳しく話していこうと思います。

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コミュニティ・スクールの目的は町自体をキャンパスにすること

地域全体が学校になる

コミュニティ・スクールは学校の運営に地域が関わっていく仕組みのこと…。

地域と学校って分かれているのを共通の教育目的、教育目標を作って、地域ぐるみで子供たちを育てていこうじゃないか!って取り組みなのです。

学校はコミュニティ。地域全体が学校っていう、よく聞く町はキャンパスだってやつですね。

こうすることで、新しい知識や、経験は学校でしか得られないと思っている枠を取っ払うことができます。

最終目標は地域全体で行う生涯学習の実現

この考え方は中央教育審議会という会の新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進対策についてというページがあります。

そこで平成27年12月21日に答申が公表されていて、そこで「コミュニティ・スクールをもっと力入れていくべきじゃないか」っていう話合いがなされています。

載ってる文をそのまま引用しますと…

全体を流れている理念は未来を作り出す子供たちの成長のために学校のみならず地域住民や、保護者等も含め、国民一人一人が 教育の当事者となり、社会総がかりでの教育の実現を図るということであり、そのことを通じ、新たな地域社会を作り出し、生涯学習社会の実現を果たしていくということである。

出典:新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申) 4ページ目

引用文はとても難しく書かれているんですが、優しい言葉にすると「学校だけが学ぶ場じゃないですよね。地域社会で学ぶ場を作り出して、学校だけで学ぶというよりも、一生涯学べる社会の実現を目指して行こうね」っていうのがコミュニティ・スクールの目的となります。

そのためには学校だけが頑張るんじゃなくて、地域も頑張りましょう。しかも、繋がり合うどころか一緒になって頑張りましょうっていうことになります。

どうしてコミュニティ・スクールが今、注目され始めたのか?

どうしてコミュニティ・スクールが10年以上前から「これって必要だよね」って作られていて、今まさにこれが必要だっていう風に言われてきたのか?

これは社会の大きな変化と子供たちの教育環境が大きく変わったっていうことがあります。

高齢化とグローバル化から小さな社会を構築する

一つは社会の高齢化とグローバル化の進行です。

少子高齢化になって、人口減少が顕著に出てきています。でも、どうあっても今までの地域って捨てるわけにはいかないって思ってる人が多いのです。

そのためにはみんなが一丸となって頑張っていくしかない。少ないなら少ないなりに連携し合うことによって生き残っていくしかない。

昔は小さな集落で固まっていて、人が増えてきたのでまた分散して、村ができて、街ができて、国ができて…みたいなことをやっていました。

コミュニティ・スクールがだんだん大きくなる

今度はその逆で、段々人が少なくなって、また村っていう所に戻っていくのかなと思います。

大事なことは「じゃあ自分たちはどう生きていく?」「集まったなら集まったなりに今後ここはどうする?」ってこと。それは小さな社会を再構築することなのです。

小さな社会で人の質が低くなると未来が暗くなる

小さな社会での教育力の低下は自分たちの未来を絶望に変えてしまう可能性があります。

小さな社会の中で人の質が低いと「そもそも自分たちの未来がない?」ってことになりかねません。

自分たちの未来は今の子供たちに託されるのです。

 

だから、「教育をみんなでやっていこう!地域も地域で育てる子どもっていうのをもう一度やってみよう」っていうことにも繋がっていきます。

そうした中で、小さな社会が生まれるってことは、その小さな社会の中でさらに小さな地域コミュニティがどんどん作られていく。

コミュニティの中にさらに小さなコミュニティができる
コミュニティの中にさらに小さなコミュニティができる

そして学校を軸とした地域の学びの場として捉えて、全体に元気を取り戻していこうじゃないかって志が地域コミュニティを生む力になるだろうって思惑があるのです。

家庭教育が教育の原点

なぜ地域が巻き込まれなくちゃいけないのか?っていうと、「家庭教育っていうのは教育の原点だよ」って言われているからです。

家庭では子どもたちが生きていく中で必要な生活習慣、生活能力、人に対する信頼、思いやり、判断力、基本的な倫理観、自立心、コミュニケーション、社会的マナーを身に着ける場でもあります。

それらは本来、家庭教育が担っている。

 

学校に行かせることが義務教育だと思われがちですが、義務教育は教育の機会を提供すること。つまり、教育の機会があれば学校に行かせなくても良いとも解釈できるのです。

ただ、家庭では今、共働きも増え、親が子どもと対話する時間はなかなか取れません。

だから、その部分で「ちょっと忙しくて子どもに教育はできません」っていう所を学校がサポートさせてもらっている…という関係性が正しいのです。

そうした時に地域と家庭を学校と切り離していくのは無理なんです。

家庭が家庭教育を放置し、学校に丸投げしてしまう

教育は学校と協力して、保護者も率先して関わっていくところだなって思います。

生活能力、思いやり、社会的マナーに至るまで「学校で育ててください。私たちはやりません!」って宣言するように、学校に対してクレームを言う家庭が非常に増えています。

学校では、必要な知識を得て、自ら学び、目的達成のためにコミュケーションを取る。

社会力とも呼べる、社会で求められる人材の育成。これが学校のやることです。

ただ、学校でも時間は最大6時間授業という枠があります。そうした上で学校でできることにも限界がある。

なので、「やってもらう」ではなく「一緒に育ててくれてありがとう」という保護者に対しても意識改革しなきゃいけないと必要性をヒシヒシと感じています。

みんなで育てると安心・安全の目が増える

みんなで育てるという意識が高まると安心・安全の目が増え、防犯にもつながってきます。

協力して子どもを育てるという意識が低下すると、見守りの目がなくなり、子どもたち自身が被害者だったり、加害者になるって事件が増えたりします。

変な人がいても、変な子がいてもどうしたの?って声かけることもなく、「まぁ、いいか自分には関係ない」みたいに見て見ぬふりをしてしまう。

 

それは子供たち自身の気付きの機会が減るということです。世の中は多様な価値観や、生き方で溢れている。

だからこそ、たくさんの大人と会い、家族だからできること、第三者だからできることを通じて多様性に富んだ人を育成する必要があります。

後々、30年とか経った後に自分の身に降り掛かって来ることでもあるので、みんなで見守る目を持つってのが大事だよになるのです。

未来が複雑化して、困難化を極めた

もう一つ、学校が抱える課題として子供達の未来が複雑化して困難化を極めたっていうのが結構重要です。

今はいろんな考え子がいたり、いろんな特性や、障害を持った子とかいうのがハッキリしてきました。

いや、今までもいたけど、目に見えない、わからないって状態で、くさいものに蓋するようにしてきたんですね。

ただ、それでは生きにくいし、未来はどうなるかって答えがない。

 

これはいけるよね?これは難しいよね?この特性を活かして、こういう仕事はすごく得意だよね?こういう仕事は苦手だよね?

そういう複雑化して答えが分からないよって言うものに対しては考えるしかないのです。

だからこそ対話が必要で、新しい答えや、考え方、自分の軸を見つけていく必要があります。

ただ、それを一人の先生が30〜40人同時に…というのは難しい。

学校だけがやりなさいっていうのは結構無茶な話なのです。

コミュニティ・スクールの目的と相乗効果があるもの

コミュニティ・スクールを設置してうまく運営できると、関連して効果が期待できるものがあります。

コミュニティ・スクール自体のメリットについてはコミュニティ・スクールのメリットをお読みください。

GIGAスクールによる個別最適化

コミュニティ・スクールはGIGAスクールで叫ばれている個別最適化を促進する狙いも含まれています。

GIGAスクール構想という一人ひとりに情報端末が配られる制度があります。これは個別最適化という一人一人をしっかり見て、その子に合った学習をさせるのが良い!という目的を持っています。

 

でも、学校だけでは全部を教え込もうとすると無理なのです。

どこか切り捨てるか、一生懸命やって自分が疲弊するかしかない。

そのため、これからは家庭学習が増え、自宅でオンラインで勉強をして、学校では対話がメインという反転学習スタイルになっていくでしょう。

 

その時になかなか子どもが勉強しないってケースもきっと出てきます。

じゃあ、それって学校の先生が悪いからなのか?って言うと、一人の問題でも問題じゃないし、学校自体の問題と決めつけることはできないなとも思います。

実際には親が見ていない、家庭環境が起因して勉強をやりたくないという問題が多数あり、学校だけでは対処できないケースも多いです。

そのためには各専門の機関と連携したり、お隣さん同士でみんなで見守るって意識を持って連携したり、協働しないとこれからの子どもたちは育っていかないのかなと思います。

教える以外の選択肢

教える以外の選択肢が増えるのも大きなメリットです。

2020年の学習指導要領では、一人ひとり個別最適化しようって形になり、かなり自由なスタイルになっています。でも、やっぱり一番大事なのはマンパワー。

やはり、一人ひとりの人を人が見れば勝手に育ちます。なので、見守りの目や、その子自身にどうしたの?って話を聞くだけでも未来が変わる可能性があるわけです。

何か教えるっていうよりは信じて側にいて、必要な時に勇気を与える。

しかし、学校だけでは見る人が足りません。担任の先生では一斉に教えていることをやめていても、身体は一つ。同時に複数の質問に応えたり、さまざまな生き方を見せたりということはできません。

だからこそ、みんなで子どもたちを見守る、多様な生き方を見せるという点がコミュニティ・スクールの期待されている部分なのです。

地域の強みを活かした授業と地域の活性化

いろんなこれからの未来を期待されている時に、オンラインで多様な人と触れ合えるようになったのは大きいでしょう。

今は地域が繋がり合うっていうのは枠組みすらもそろそろ壊れ始めてたのに、オンライン化が進み、いつでもどこでも世界中が繋がれるようになりました。

そうすると、枠組みというのはあってないようなものだなと思います。

 

では、その先どうしていくほうが良いのか?というと、自分たちが持っている地域の良さ、地域の価値というのを再度見直さなきゃいけない

自分たちが当たり前に触れているものの良さを知っている人は非常に少ないです。何が強くて他と何が違うのか?求められていることなんなんだろう?ってなると地域の良さが際立ち、その地域じゃないと受けられない授業が出てきます

さらにオンラインが当たり前になればいろんな地域の人がブワッって混ざり合ってくるんですね。もしかしたら海外の人も混ざってくるかもしれないです。

再定義したものを、子どもたちにどう自分たちの地域の良さを伝えていくか?そしていろんな人たちがここに興味を持ってもらえるかどうか?っていうところがとても大切なところです。

そういう点でもコミュニティ・スクールっていうのは改めて思うと、地域の活性化も担えると思います。

コミュニティ・スクールの目的は一気に成果が出るわけではないと理解する

コミュニティ・スクールは設置してすぐ成果が出るような目的ではありません。これはコミュニティ・スクールのデメリットでも詳しく書かせてもらっています。

授業というのは今、教えている子どもたちが20歳になってからやっと芽が出る、いや、もっと長くなるかもしれないもの。子どもが一気に20歳になりなさいっていうのは無理なことだからです。

そのくらいとてつもなく長い投資なので、あまり効果は感じられないかもしれないし、答えが見えなくて暗中模索みたいなものの状態のまま突っ走るしかないって状態が多くなると思います。

でも、必ず連携・協働という、この2つのキーワードはこれから絶対に必要になってくると思います。

コミュニティ・スクール、まだやってない。地域学校連携やってない。自分たちの地域の魅力なんて考えたこともない、なんていうのがないようにしていきたい。

今こそ立ち上がるべき時だと思うので、まだやってないよって方はぜひ考えてみてくださいね。

学校運営協議会の設置や、その後、地域が一丸となるにはコミュニティ・スクールとコミュニティについて深く理解する必要があります。気になったらコミュニティ・スクールのカテゴリーをご覧くださいね!