コミュニティ・スクールを調べていると、似たような言葉で『スクール・コミュニティ』というものがあります。

ただ、単語を反転させただけのもので同じものとして混同されますが、全く意味合いが違うものになるので注意が必要です。

今回はそんな分かりにくいコミュニティ・スクールとスクール・コミュニティの違いを比較し、分かりやすく解説していきます!

スクール・コミュニティって何?って思っている方はぜひご覧ください!

コミュニティ・スクールって何?って方へ
こちらに詳しくまとめてあるので、分からなければ読んでおきましょう。

スクール・コミュニティとは?

そもそもスクール・コミュニティとは何か?というと、学校を核とした地域の居場所のことです。

コミュニティ・スクールは学校の直近の課題などを直視し、共に解決する姿勢を見せるミクロな視点であるのに対して、スクール・コミュニティは学校と地域を取り巻く繋がりそのものであるというマクロな視点と言えるでしょう。

スクールコミュニティの図式

コミュニティ・スクールとスクールコミュニティはどう違うのか?

では、具体的にコミュニティ・スクールとスクール・コミュニティがどのように違うのか?を見ていきましょう。大きく分けて4つの項目が違っています。

どこが定義づけしたか?

同じ文部科学省でもどの課が定義を作ったか?がちょっと違ったりしています。

コミュニティ・スクール
スクール・コミュニティ
  • 文部科学省 初等中等教育局
    (幼・小・中・高を取りまとめる事務局)
  • 文部科学省 社会教育課
    (社会教育の企画・公民館、図書館に関する事務局)
ソルティー
ソルティー

コミュニティ・スクールは子どもの育成が狙いに対し、スクール・コミュニティは社会全体の育成や、生涯学習が狙いなんですね。

目的

似たような目的ですが、作ったところも違うので少し目的も違っています。

コミュニティ・スクール
スクール・コミュニティ
  • 「開かれた学校」から更に一歩踏み込んだ「地域とともにある学校」への転換
  • 学校を核とした、あるいは学校という場や関係を介在させた人々の結びつきを作る
ソルティー
ソルティー

コミュニティ・スクールは学校を良くすることが目的の取り組みなのに対し、スクール・コミュニティはあくまでも教職員との繋がりや、家庭・地域住民との関係性向上の推進が目的なんですね。

作られた背景

どうしてこのような目的になったのか?というと、解決したい社会背景が違うからです。

コミュニティ・スクール
スクール・コミュニティ
  • 子どもたちを取り巻く環境や学校が抱える課題が複雑化・困難化
  • 学校の人材不足
  • 学校の先生たちや、学校に通っている子どもたちと、周りの地域に住まう人々との縁が希薄化
  • 学校という存在の希薄化
ソルティー
ソルティー

コミュニティ・スクールは学校目線であるのに対して、スクール・コミュニティは地域目線であることが読み取れますね。

内容

目的や、背景が違えば実施する内容ももちろん違います。

コミュニティ・スクール
スクール・コミュニティ
  • 学校運営協議会の設置
  • 地域の学校運営への参画
  • 地域の当事者意識の向上
  • 地域ボランティアの居場所、体験活動の促進
    (放課後子ども教室、地域学校協働本部など)
  • 学校と地域の交流機会の増加
ソルティー
ソルティー

コミュニティ・スクールは具体的にやることとメリットが明確であることに対して、スクールコミュニティは抽象的でやることが任されていて、メリットは「なんか縁が深くなって、豊かになりそう」って違いがありますね。

スクール・コミュニティは必要か?

スクール・コミュニティはいるのか?というと、いると個人的には思っています。

ただし、スクール・コミュニティは制度ではなく、あくまでもビジョンとしてみんなの中に存在するものです。

コミュニティ・スクールや、地域学校協働本部、PTA、地域交流のイベント…さまざまなものを実践する取り組みの先にスクール・コミュニティが実現していく…というあくまでもまちづくり的な最終目標であることを理解しておきましょう。