今回は質問がなかったので、話題となっている話から僕の個人的な見解を述べていきます。

「学校運営協議会はなぜ密室で開かれるの?

コミュニティ・スクール、関わっている人たちからすれば『良い仕組みだ』と感じることはありますが、関われない人にとっては謎の多い制度です。

そもそも、なぜコミュニティ・スクールは特定の人が密室に集まって決めていくのか?公開されている情報はないのか?と気になる部分は多いでしょう。

ここでは多様な価値観が混ざるので、今までいろんな学校運営協議会を見てきた個人的な見解を述べさせていただきます。

今回は協議会はなぜ密室で開かれるのか?その対処法とは?についてお話します。

⭐ 本当に学校運営『協議会』になっているか

学校運営協議会は大体、校長室で行われています。

学校が以前まで浸透していた学校評議員の頃の形態と同じことをしており、委員に選ばれた人を一室に集め、評価をいただいて、改善点をもらう…

ということをもし、やっているのであれば、これは学校運営協議会としては良くない方向性です。

評議員の場合、ほぼ一方通行であり、一緒に学校運営について考え、子供たちの未来を支えていく…という形になりません。

学校や、地域の課題に対して、みんなで対等に意見を出し合って、解決を図っていく…ということが理想の状態であるのですが、ほとんどの学校はできていないという声が届いています。

また、学校に勤める教職員であっても、会議の情報は見ることはできません。何が話し合われたのかを知る由もない…というのが一般的です。

これは学校運営協議会の機密性の高さに起因しています。

⭐ 学校運営協議会はなぜ機密性が高いのか

では、逆に学校運営協議会はなぜこれほどまでに機密性が高いのか?について考えていきます。

これは学校運営協議会の内容が学校の大きな課題や、児童・生徒の個人情報に触れる機会があるからです。

また、当事者を呼ぶこともあり得るので、デリケートな内容なため、表に出しづらい情報であるとも言えるでしょう。

自分であっても、家庭のプライベートな事情をベラベラと外部に話さないのと一緒で、学校が学校内の事情を話してくれるようになるまでには、相当な信頼関係の構築が必要になります。

もう一つあるとすれば、社会側による学校批判も原因として挙げられます。

このせいで、せっかく今までの概念を新しく問い直すために、学校運営協議会のような話し合いの場が設けられたのにも関わらず、地域に開かれない場になっているとも感じます。

「私たちが感じるのは、ブラック校則だといって、社会が学校を批判することが正しいことかどうかということなのです。時代にピントが合っていない校則がそのままになっているということは、たしかに学校内の課題ですが、一方で、これまで学校側にさまざまな要請やクレームをしてきたのは、社会の側であるという点も見逃せないと考えています。学校側は社会の批判を避けるために、どうしても厳しいルールを作らざるをえなくなってしまった。そうした背景も考えれば、問題は学校だけでなく、社会の側にもあるのではないか。そのような広い視点で考えなければ問題は解決しないと考えています」

学校批判は的外れ「ブラック校則」なくならない訳 ルールメイカー育成プロジェクトの可能性

論文ではないですが、現場を体験してきたからこその的を得ている俯瞰的な回答だと感じます。

私たち、地域が学校の先生を萎縮させ、中に入ってほしくないという空気を作り出してしまっている。批判すればするほど中に入れないまま、根本的な解決ができない状態を作り出してしまいます。

機密性の高さは学校や、先生のせいだけではないと感じるのです。

⭐ 地域とともに歩める学校運営協議会にするために

地域とともにある学校運営協議会にするために何かできることはないのか?

そう思った時、学校運営協議会に関わっている人は

  • 学校運営協議会のページを学校のホームページに増設する
  • 学校運営協議会のページに議事録を掲載する
  • お便りを配信する
  • 一緒に協議する場を作る
  • 協議する場を作るために校長室ではなく、公民館や、市民センターなど開かれた場で開催してみる

こんなことがまずはできるんじゃないかと思います。

大変な作業となるのは間違いないのですが、『地域とともに』の前に『開く』ができていない学校運営協議会が多いと感じています。

まずはできるところから一歩ずつ変えていきましょう。

そして、学校運営協議会に関われていない人は

  • 提出物をなるべく遅れないようにする
  • 清掃活動があったら積極的に参加してみる
  • PTA委員の活動にもできることがあれば頑張ってみる

ということをしてみましょう。

最近は学校運営協議会では、PTA委員からの参画も多くなりました。

もし、関わる気があるのであれば積極的にアピールをしたり、学校のことを考えた行動をしてみると良いのではないでしょうか?