さて、今回お答えする質問です。

「一校に一つのコミュニティスクールを作るためにはなく、市に一つのものをみんなで作って共通した方向性を目指すという考えもありそうなのでしょうか?」

コミュニティ・スクールはスクールと名がつくとおり、一校ずつ設置…という形になっています。

では、そのように市で一致団結して一つのコミュニティ・スクールをしよう!とするのは可能なのか?

僕個人的な意見ではオススメしません

理想的だし、良いだろう!って思うかもしれません。でも、よく考えたらそこに行き着くのではないかなと感じます。

みんなで足並みを揃えて、みんなで同じことをするのは良いことか?

ちょっと角度を変えて質問してみます。

「みんなで足並みを揃えて、みんなで同じことをする。これは良いことでしょうか?」

はい。

これは実はどちらでもありません。

みんな同じにすることが良いとか、悪いとかではなく、今、地域社会が求めている人材が育ち、学校に集まっている子供たちが満足すれば、手法はどちらでも良いと思います。

では、さきほどのコミュニティ・スクールが市全体で一つで…というのも、どちらでも良いということになりそうなものですが、僕はオススメしないとハッキリ伝えました。

ここで質問に立ち戻ると、みんなの意思共有を確認する学校運営協議会が市一つになるかもしれないということです。

私が関わっている笠間市というところでは17の小・中学校があります。

そして、同じ市内でも笠間、友部、岩間という3つのエリアで分かれていて、エリアだけでも地域の特色が違うのです。

そして、エリア内でも最低3つくらいの小学校があるのですが、その小学校でも、地域の人たちの雰囲気、今まで積み重ねてきた学校の雰囲気などがあり、何もかもが違いすぎます。

もし、そんな人達を一同に介するような学校運営協議会が行われたとしたら…

各学校の課題も違うため、かなりのカオスを産み、意見の対立だけが起こるような協議が行われるのではないかなと…。

だからこそ、自分たちの課題は自分たちで考えるために各学校に設置され、学校を中心にいろんな人同士の顔が見えるようになれば、自然と明るいまちづくりに繋がるように設計されているのかなと思います。

方向性を合わせるためには市の将来ビジョンを見よ

しかし、質問者さんの質問がすべて悪いというわけではありません。

「方向性を決めたほうが…」というあくまで方向性を決める、確認するということが書いてあり、具体的な施策を決めるとまでは書いてないんですね。

そのためにも連絡協議会を作り、「こんな方向で行こうと思ってるよ!」と市や、管轄の教育委員会から方向性を打ち出すのは、とても大切なことだと思います。

みんなで話し合っているので、さすがに大幅に教育の道から外れるということはあり得ないと思いますが、「あっちはそう考えているんだね」「こんなことも参考になるね」とお互いの情報交換の場として活用されます。

また、方向性というものだけ言えば、市の総合計画の将来ビジョンに実は書いてあります。

笠間市ではこんな風にかかれていますね。

※大体PDFなどで市のホームページに掲載されているので見ると良いですよ!

これは市全体の計画なので、福祉や、産業、農業なども入っていますが、もちろん教育も含まれています。

総合計画には市の課題や、どうやってその課題を克服し、この市は将来こんな町にしていきたい!と計画が書かれているはずです。

つまり、その方向性に少しでも合致するように動いていくことが方向性を合わせるという点では大事。

何も必ず会議に参加し、納得しなければ動き出せない…ということはないはずです。

すでに将来のビジョンを出していることがほとんどなので、まずは読む!理解する!やってみる!

これが市としての方向性を統一するということに繋がるのではないかなと思います。

ご参考になれば幸いです。