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教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

普段は私立の中高教員をしており、毎日ブログを書いております。

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みなさんはSTEAM教育をご存じでしょうか?STEAM Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を取ったものになっています。

それぞれの要素を取り入れたもの教育です。

数年前から着目されていますが、最近では茨城県のつくば市でその授業実践が行われています。

「STEAM教育」本格化へ 茨城・つくば 研究者と教室つなぐ

今日はこういった教育実践について考えていきます。

📖先人たちの知恵と経験の集結

こう言った教育実践を見ていていると、やはり教育の進歩を直に感じます。

私が学生の頃(そうは言っても10年ほど前ですが)は、それこそスクリーンにプロジェクターなんて皆無。

ある教室はどちらかと言うと特別教室扱いといったような感じでした。

それが今や全教室にあるのが当たり前、環境としてもそうですが教育論としても非常に発展してきたなと感じます。

数年前までは、授業を受ける際にも教室で机をきれいに並べ全員が同じ方向を向いて、発言の際には手を上げなければならないと言うのが当たり前でしたが、今ではその文化も徐々になくなり、子どもたちの意欲関心を引き出しストレスフリーで学ぶと言うのが重視されてきているようにも感じます。

教育は100年近く姿形を変えずにここまできてしまったと悲観的になる教育評論家もいますが、その一方で実は進歩してきているさまざまな面もあると言うのは事実でしょう。

これこそまさに先人たちの知恵と経験の集約した形です。

👦👧誰のための教育か

しかし、こう言った最新の実践を取り入れていく際には、やはり気にかけなければいけないのは子どもたち、そしてその目的だと感じています。

どうしても新しいものや、子どもたちにとっても教育的効果がありそうと感じた瞬間に飛びつきたくなる気持ちもありますが、一度立ち止まって児童生徒目線になるのも大事です。

例えば今回の実践、大人目線からすれば早いうちから研究機関に触れる機会があり、子どもたちの視野の拡充や興味関心を引き出せそうと感じるかもしれません。

しかし、本当にそうでしょうか。

では、例えば今職場の研修か何かで自分が全く興味ない分野の勉強会などが開かれたワクワクとその学びに向かって前面的に迎え入れられますでしょうか。

おそらく広く深い思考の持ち主であれば、どんな学びであっても自らの力に変えようと吸収していくのかもしれませんが、大人であってもそれは非常に難しいものです。

ましてや子どもにとってはなお難しいのではないでしょうか。

なので、なんでも経験させてあげればいいと言うわけでも、いいものにどんどんと触れさせようとういうわけでもなく、まずはそれを受け入れる土壌作りに時間をかけることこそが、教育にとって子供にとって重要な点でしょう。

🎁誰が教えるか

そして誰が教えているのかも、子どもたちにとっては大事な要素になるでしょう。

見ず知らずのおじさんがさもこちら側を知ったように人生の話をされたとしても、誰一人として興味は示さないでしょう。

しかし、一緒にクラスを作ってきた、信頼のおける担任教諭が人生を諭せばそれはいつまでも子どもたちの心に残り続けるということもあります。

つまりこういった実践、特に外部から誰かを呼ぶといったときには、その人がすごいというのは教員は分かっているかもしれませんが、子どもにとっては誰でもないのです。

だからこそ、まず、子どもたち自身にその人の話を聞いてみたい、話してみたい、関わってみたいという知的好奇心を呼び起こさなければなりません。

そういった意味ではこういう連携事業は教員も連携先も、子どもたちも大変なイベントになるのかもしれません。

目的を失わず、誰のためかを考え続け、そして子どもたち自身が自分のために、また「やりたい」という好奇心を持って関われるかこれこそが重要な点になるのでしょう。