GEGYokosukaリーダーのいがぐりです。
全国のほとんどの学校にGoogleWorkspaceが整備され始めましたが、その使い方を熟知している教員が現場に少ないことも問題となっています。
本来は業務削減や、これまでできなかった授業の補完にあてられるはずのICT教育がお荷物に感じてしまうようです。
本末転倒ですが、現場の多くの学校の大きな課題になっています。
授業はICTで作り出すものではなく、ICTと共に創り出すものです。
今日は、授業の中でGoogleWorkspaceを使い倒している、私とICTの関係を書いていきます。
ICTに使われるのではなく、使いたおせ
ICT端末が導入されると、私の学校現場では”とにかく使い倒そうとする先生”と”まったくもって触れようともしない先生”と大きく2つにわかれました。
私は、”とにかく使い倒そうとする先生”ではあったのですが、今思うとその使い方もお粗末なものばかり。
授業の内容よりも、とにかくスライドを作ることに注力していました。
まさにDeath by PowerPointと呼ばれる日本人のプレゼンテーションそのものでした。
Death by PowerPoint
日本ではプレゼン資料を作り込み、スライドを読むことこそがプレゼンだと思われるが、それは退屈なプレゼンしか生まず、PowerPointによって聴衆をDeath(睡眠)にいたらしめていることを揶揄した表現。
生徒に端末が配布されれば、今度は問題を起こさないように起こさないようにと、制限をかけまくりました。
そういう過去があったから、今の自分があるのですが、今振り返ってみてみると、ICTを使わせたいのか、使わせたくないのかはっきりとしない、「結局何がしたいの?」の授業スタイルでした。
完全にICTに振り回されていました。
何ができるかではなくて、何をしたいか
なぜ、そうなってしまったのかは、単純明快です。
自分の授業の目的を達成するための手段を間違えていました。
1,2年目の私は、生徒に少しでも理科や物理の楽しさを伝えたいという思いばかりが先行して、その目的を達成するための方法を考えずに、ただただ、面白い情報を集め、それを教えていくそんな授業でした。
確かにそれだけでも十分面白い授業はできました。
でも、自分も生徒も頭でっかちになっていくばかりで、理科が楽しいというよりかは、授業やいがぐり先生が楽しい!で止まってしまっていたのです。
本来の理科の面白さを自分自身が感じるまでにとどまってしまい、生徒を置き去りにしていました。
確かに、デジタル教材を利用しての授業を含めた教育は、最初は何ができるのかが分からず、ついつい”できること”のみを追いかけてしまい、ICTでできることをただ実現しようと奔走してしまいます。
そういったとき、多くの場合、何をしたいのかが欠落してしまうのです。
だからこそ、ICT教育は今何ができたら嬉しいのか、何をしたいのかを念頭に置き、実践していく必要があります。
使わせるのではなく共創を目指して
GoogleWorkspaceには実に、多くの機能が備わっています。日頃から利用している私ですらも、いまだに新しい機能の発見があるほどです。
これらを使うとき、最近では新しい想いが自分の中にあります。
それは、
自分がその機能のすべてを使いこなせなくていい。
生徒と共にできることを模索し、一緒に創り上げていく。
です。
この記事でもご紹介しました通り、これからはそれぞれの知識や知恵を出し合い、新しいものを創出していく、創出していく時代です。
そんな時に自分だけが、これらの機能を知っていて有効に使えるのはもったいないです。他の先生たちはもちろんのこと。生徒にも伝えていけばより良い循環が生まれるはずです。
これまでの授業では、私自身の授業を進みやすく、そして、分かりやすくするツールとして利用していたものが、最近では生徒と一緒に創り上げていく一つの土壌になりつつあります。
教室での事例
例えば、クラスの席替えを例にとります。
これまでは、席替えツールを利用して瞬時に席をランダム配置し、時短を徹底的にしたうえで席替えを行っていました。当然それも大切な時短テクニックです。
でも、席替えも一つのレクとして生徒に任せることで、ICTを活用した様々な方法を子供たちが出してくるようになり、GoogleJamboardを利用してそれぞれが自分の席に自分の名前をうつすなど、教員の目線ではなかなか気づけないような新しい方法を生み出してくれています。
皆さんはどちらの方法を選択しますか?
後者を選ぶようになったことで、クラスの様子も生徒との関わりも大きく変化しました。
ICTを恐れずに、一歩ずつ歩み寄ってみるのもこれからの教育に必要な手段になるのではないでしょうか?
ICTは敵ではありません。むしろ私たちの生活を豊かに、そして発展をさせてくれた最高の人類のパートナーです。そんなパートナーは教育界においても、今後も切っても切れない関係で人間生活に深く関わっていくことでしょう。
私たちはまだこのICTとの関わりは不完全ですが、言うなればそれは成長過程であるとも言えます。そこに大人も子供もありません。むしろ子供の方が柔軟とも言えます。
「今日の失敗より、明日訪れる成功」を見据えて、皆で幸せになる未来をICTと共に教育の世界でチャレンジしていきましょう。