いつもはコミュニティ・スクールに関する質問を受け付けていますが、今回は相談がなかったため、よく聞かれる質問に答えていきます。

「コミュニティ・スクールってお金はどうやって捻出するの?

何かをするにはお金が必要です。むしろ、お金が循環する仕組みになっていることが望ましいと思います。
※ただし、あくまでもお金は本来の目的ではないので、その視点だけにならないように注意は必要です。

コミュニティ・スクールをやる際、学校運営協議会委員にも報酬はほとんどありません。また、地域学校協働活動のお金も出ることはほぼありません。

今回はこの話を少しお話できたらと思います。

⭐ そもそもコミュニティ・スクールの予算はなぜ少ないのか?

コミュニティ・スクールの予算は実は地方交付税から作られます。

しかし、地方交付税とは行政に対して「よく考えて使ってね」というお金になるので、市町村ごとで使い道はさまざまです。

「教育の予算が少なすぎる!!」という方は多いと思いますが、教育というのは効果や、成果がハッキリ分からない『投資』に近いものです。

逆にもっと困っているジャンルがあり、福祉の業界はそれにあたります。

福祉は高齢化、そして障害を持つ方たちの支えにする内容ですが、今、それが急速にニーズが高まっていて、今すぐやらないと!という形でお金を注ぎ込まれています

今困っている人たちに対するお金か、今直接困ってはいないけど未来に役立つお金か…で問われたら、どちらかというと前者にお金をかけてしまうのは、人間の本能として仕方がないことなのでしょう。

そうなると、コミュニティ・スクールに関する予算はどんどん削られ…、学校運営協議会委員になったとしても「年間1万円で…」というのはどこの市町村でも起こっている状態なのです。

⭐ 予算を増やすためには『活動実績』

しかし、ここで諦めては何も変わりません。

予算というのは『必要だからお金が増える』という仕組みです。

つまり、行政にとっては必要ではないと思われてしまっている内容だということです。

逆に考えれば『必要だ』と思わせれば良いのです。

そこに必要なのが『活動』と『実績』です。

地域学校協働活動などで、地域と一緒に授業を行ったり、地域の活性化に繋がったり、学校の働き方改革が進んだり…

そういった目に見える効果が出てくるかもしれません。

それを活動しっぱなしにするのではなく、しっかり『報告』して『実績を積み上げる』ということが大事なのです。

実際にそのやり方をやって報告をしたところ、他の市町村よりも高い報酬を得られたりもしました。

やっぱり予算を付けるところであっても、決めるのは人。

そこに「これは意味があるなー」って思ってもらえる材料を用意する。そうすると予算は増えていくようになるのです。

⭐ 起業家のように活動費は自分たちで捻出する

じゃあ、その活動にかかるお金はどうするんだ!という声も聞こえてくるかもしません…。

そうした時に地域のニーズを拾い、そして解消することでお金を得るというのも悪くありません。

例えば、今、子供会がなくなったりしていることでなくなってしまったのが廃品回収です。

この廃品回収というイベントは意外と馬鹿にできない金額が手に入ります。

そして、事前に告知をしてやりたい人を集め、地域の人たちにゴミをリサイクルする大切さを伝えれば立派なSDGsを狙った教育もできてしまいます。

さらに、集まったみんなで最後は交流会をすれば地域活性化、コミュニティの醸成にも繋がる。一石何鳥になるか分からないほど大きなメリットを得ることができます。

今まで辛かった『強制的にやらせる』という部分を排除し、やりたい人がやれることをやるだけでもしかしたら活動費は工夫次第で捻出できるかもしれない。

ぜひ、起業家のように楽しく自分たちで活動費を捻出し、教育と絡めながら地域活性化できるようになると…、今までとは違った地域と学校の姿が出てくるかもしれません。

このあたりはコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の謝金や、予算の増やし方でも書いているので、ぜひ参考にしてみてください。

→ https://t-knit.or.jp/media/communityschool-estimate/