今回はこちらをテーマにお話します。

「コミュニティ・スクールってなんでやるの?

これはとあるPTAの新年会にお呼ばれした時に、「コミュニティ・スクールの仕組みは分かった。だけど、またやることが増えたと思っている人も多いと思う。これがあると何が変わるの?」という話が挙がったのです。

今回はこの話を少しお話できたらと思います。

⭐ コミュニティ・スクールは2つの考え方が混ざっている

コミュニティ・スクールはいろいろなところで目的が叫ばれています。

文部科学省では『学校の働き方改革に役立ちます』と言っています。

しかし、社会教育主事講習などで勉強すると『地域活性化のために行う』と言われます。

ネットで見ても、AIに聞いても、ハッキリと分かるものは教えてくれません。

では、どちらが正しいのか?

答えを言うと、『どちらも正しい』になります。

それはコミュニティ・スクールは『学校運営協議会』と『地域学校協働本部』の2つで成り立っているからです。

学校運営協議会は『地域とともにある学校づくり』がメイン。目的からも分かるように、学校づくりが本筋になっていて、こちらは学校の働き方改革を進める協議の場となります。

一方で、地域学校協働本部は『学校を核にした地域づくり』がメイン。こちらは地域づくりがメインとなっていて、地域活性化を進める地域の緩やかなコミュニティとなります。

つまり、コミュニティ・スクールは2つの考え方が合わさって進めていくものであり、この辺りが混乱の元になりがちなのです。

⭐ 具体的にどんなことをすればいいの?→今までやってきたことでOK

そうした時に具体的にどんなことをすればいいのか?ってみんな悩むようですが、何も新しいことを始める必要はありません。

今までやってきたことを楽しく続けることが大切になります。

例えば、地域のお祭りの太鼓練習、ママさんバレー、校庭の清掃…。これらは立派な地域学校協働活動になります。

なぜかというと、活動自体が学校で行われており、地域と学校が一緒に活動しているからです。

皆さんは『もっと』の部分を感じるようですが、それだけでも十分、地域学校協働活動になります。

ただし、それは学校の働き方改革に繋がるか?という視点は抜けています。

例えばママさんバレーは学校の体育館で行われていますが、その鍵の管理を教職員がやっていたら、終わるまで残っている(一旦帰ってまた来るという手もあります)必要があります。

「それは今の実情に合わないよね」ということを今まで話す場がありませんでした。

それを学校運営協議会で話し合ったりします。

さらに地域の困りごとや、育てて欲しい人材についても意見を言う場がありませんでした。元々、学校は地域の人のための教育の場として作られたはずなのにです。

もっと地域の意見を取り込んだり、地域の人たちも一緒になって子供たちの成長を支えていこう!ということをするために『コミュニティ・スクール』という場は役に立つのです。

⭐ お互いに必要なこと

コミュニティ・スクールは『今のままではうまく行かない』と言われています。

それは『みんな分からないままで、当事者になりきれないから』です。

ここでお互いに大事なことは、『コミュニティ・スクールを知ろうと思うこと』と、『お互いが抱えている課題や、やりたいことを知ろうと思うこと(伝えようと思うこと)』だと思います。

このメルマガをとって、今読んでいる方は違いますが、多くの人はどこか他人事になっていて、コミュニティ・スクールを詳しく知ることがありません。そして、知る機会も少ないのです。

さらに、コミュニティ・スクールは制度ではなく、『人ありき』です。お互いが遠慮して、課題や、やりたいことを伝えなかったらまったく進まないのです。

先生は学校運営協議会の中だけでも困りごとを共有する

地域の人は学校の理解をしようと思うこと。そして、仲良くなってきたら自分達の課題を伝えること

この2つはどのコミュニティ・スクールでも大切な視点なのではないかなって思っています。