さて、今回お答えする質問です。

「学校運営協議会のメンバーってどうやって決まってるんですか?」

学校運営協議会…、いつの間にか始まって、いつの間にか会が結成されているイメージがありますね。

まさにその通りだったりします。では、一体このメンバーはいつどうやって決まっているのでしょうか?

⭐ 学校運営協議会のメンバーの選定で起こる学校の負担感

メンバーの選定は各学校が行っています

が、まず、学校運営協議会そのものについてお話しして、なぜそうなるか?の背景もお伝えします。

学校運営協議会は教育委員会が設置します。

「設置しよう」という意思を持つのは、実は誰でも良くて、地域・学校・教育委員会…「設置したい」という声を出すのは誰でもできることなんです。

しかし、設置自体は教育委員会が決定を下さなければいけないという前提があるということを理解しておいてください。

で、地域が「設置しましょう!」って言えば、その人が中心になって動きますね。それだけやる気が高い人を放っておくということは滅多にないことです。

逆に教育委員会が「設置しなければ…」と思って始めた学校運営協議会は結構大変です。

なぜかというと、学校には「設置をするんで…」と校長にお願いしなければなりませんし、各学校に「地域の人で協力してくれる人を探してください」と合わせてお願いします。

学校は自分たちも学校運営協議会のメンバーとして参画しなければならない上に、メンバー集めまでしなければならない!と負担感を感じる方も多いです。

その負担感は、地域のキーパーソンがよく分からないという状態だからですね。

地域のキーパーソンが分からないままだと、誰をメンバーに誘うかを難儀しながら決めていきます。

それこそ、今まで関わってくれていた元PTA会長、元校長先生、図書館館長、地域交流センター長などが多くなりますね。

この人選が必ずしも悪い結果になるわけではないのですが、意外とこの組み合わせはうまくいっていないケースが多いように感じます。

何しろこういう人たちって他にも業務を請け負っていたり、役職を兼務していることが多いので、集中的に関われる人がいない。

そうすると

  • 日程調整に難儀する。
  • 話し合ったことを実行できない

ということになり、なんちゃって学校運営協議会(学校主導で地域は受動的になるケース)が多くなります。

⭐ 学校と地域の距離感が近い地域ほどうまくいっている

全国的にコミュニティ・スクールがうまく機能しているのは、学校と地域の距離感が近い地域ほどうまくいっているなと感じます。

それこそ、地域の人が先生たちを行事を一緒にやろう!と誘ったり、地域の会合に先生たちも参加していたり、あいさつ運動が盛んだったり…。

そんな学校の先生と地域の人の距離感が近い地域は、いざコミュニティ・スクールが入ってきたとしても、負担なく関わっていることが多いです。

それは人が見えているから。

この人はこんなことをやってきた人、何をやっている人というイメージがすでに学校にも地域にも浸透しているからです。

そうした距離感を保ちつつ、コミュニティ・スクールが始まれば、その制度をうまく活かして良い話し合いができるようになります。

⭐ 繋がりが切れている場合は、「近くなる」がポイント

上記のように地域がしっかり機能していて、繋がりが深ければ良いですが、コロナを経て、行事や、人との繋がりが切れてしまった場所ばかりかと思います。

では、そうした状況では何をまずすれば良いか?

いろいろあると思いますが、まずは「近くなる」ということがキーワードになるかなと思います。

僕の関わっている地域では、積極的に飲み会や、バーベキュー、イベントの企画などを先生たちと一緒に企画しているようです。

そうやって、一緒に汗を流し、心を共にする時間を増やしています。

そうすると、いざ学校運営協議会があった時に言い出しにくいことが言える関係性になっていくんですよね。

もちろん、この場合、どうしても学校主導になってしまい、学校の働き方改革と逆行する部分が多々出てくると思います。

しかし、学校運営協議会では、学校の先生として見るのではなく、人として、「近くなる」をしてみて欲しいと思います。

地域の人なら、積極的に先生を誘って、地域に受け入れていくことをして欲しい。

そうしないと、いつまで経っても形だけのコミュニティ・スクールが継続され、負担だけが残る制度になってしまうんじゃないかなと感じています。

もし、先生たちと話す機会があったなら、友達を増やすように先生たちの人となりを理解していってほしいなと思います。