こんばんは!

教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

普段は私立の中高教員をしており、毎日ブログを書いております。

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みなさんは、学生時代の部活動の記憶はありますでしょうか?

部活動には顧問の先生というのが必ずいて、その関わり方もさまざまだったのではないでしょうか。

そんな部活動ですが、教員の多忙による問題から地域へと移行(公立中)される方針が6月にスポーツ庁からでたのは記憶に新しいと思います。

01_運動部活動の地域移行に関する検討会議提言(6月6日)概要

今日はそんな部活動の地域移行について考えていきます。

⏳コロナ禍で気づいた、できる時間

教員の多忙問題。

この主たる原因は部活動と言っても過言ではありません。

初めに断っておきますが、私は部活動が絶対悪と言っているわけではありません。

そうではなく、教員の多忙化を招く最大の原因の一つに部活動があるという事実を考えたいのです。

これは、新型コロナウイルス感染症の拡大により自粛をしなければならなくなった学校であれば、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。

あの当時、学校は時差登校、部活動もほとんどの活動を制限されていました。

当然、その分時間ができます。

これまでならあり得なかった家族との時間をとれた教員もいたのではないでしょうか。

私はあそこまで余裕のある教員生活を送っている先生たちを見たのは、後にも先にもあれが最後です。

当時、学校が制約的だったとはいえ、授業を通常通りやっている期間もありました。

そう、本当はわかっているのです。

部活動が教員の多忙化の大きな原因の1つだと。

それでも、やはり教育的効果などを考えると、なかなかやめようと言い切れない。

だからこそ、今回のような地域移行は非常に大きな一歩になると思うのです。

💦結局人数が足りなくて、、、

しかし、とても革新的な発想かつ、現場に大きな変化が現れるかと思いきや現実はそんなに甘くありません。

部活動の顧問を地域へと移行すると、これまで以上に家庭負担の費用(保険などが学校加入ではなく民間加入になるため)がかかる上に、そもそもの人材が足りていないのです。

その結果どんなことが起きているかというと、外注ができないが故に結局内部の学校の教員に業務委託という形で仕事を割り振るのです。

従来の部活動のあり方と何ら変わらない姿形がそこに現れてしまうのです。

委託という形なら別の仕事なのでこれまでと違うのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、そもそも学校の部活動は業務の一部ではありません(私立や高校を除く)。

学校に本来求められている役割とプラスαで行われてきたものなのです。

だから、部活動には手当というものが存在するのです。

つまり、これまでの形とほとんど全く一緒になってしまうのです。

⚜️目的思考を根強く掘り起こす

制度がここまで変化しても、なかなか買われないのはやはり部活動の本来の目的を一人一人の教員が熟知してないからなのかもしれません。

先ほどのスポーツ庁の資料にも、運動部活動の目的には次のようなことが挙げられています。

◯生徒のスポーツに親しむ機会を確保。自主的・主体的な参加による活動を通じ、責任感・連帯感を涵養、自主性の育成にも寄与。

◯人間関係の構築、自己肯定感の向上、問題行動の抑制。信頼感・一体感の醸成。

では、なぜこれらが必要なるのか。

なぜ子どものうちに必要なのか。

そこを今一度学校、地域社会含めて考えるべきなのではないでしょうか。

究極いってしまえば、ここにあげたような内容も部活動でなくても、学校の中で触れられる機会はあります。

それでもあえて部活動という、学業とはズレた時間を利用して行うのか。

これまで残り続けているのは、旧態依然とした学校の悪き習慣という考え方もあるかもしれませんが、それ以上に部活動によって育ち、そこに意義を感じている人が多いからなのではないでしょうか。

ともすれば、それほど大事な部活動とその環境、本気で守るためにはどうすれば良いのか。

一人一人の知恵を出し合い、大人の意識を向ける必要があるのでしょう。