こんばんは。
教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。
普段は私立の中高教員をしており、個人でもブログを書いております。
よろしければ、ご覧ください。
皆様の学校ではどのように探究活動を行なっておりますでしょうか?
生徒の印象も良い探究も悪い探究も色々とあることと思います。
先生たちの中でも、文科省が定めているから仕方なく、、、といった風土のところもあるのではないでしょうか?
今日はこの探究学習と学力について考えていきます。
✏️探究学習は学力低下を招いている?
先日、思わず目を引くようなネット記事が東洋経済から出ていました。
「学力低下」の原因はスマホでもコロナ禍でもない?法学者も指摘「小学校での探究やグループワークの増加」が問題か
元としているデータは、全国学力・学習状況調査の情報のため、その評価材料の信頼性にも私としては疑問を有するところではあります。
その問題の性質や対策の容易さから、私は全国学力・学習状況調査は税金の無駄遣いと考えていますが、今回はそこは置いておきます。
全国学力・学習状況調査のデータを確認してみると、どうやら令和3年から6年にかけて、平均的にスコアが低下していることが分かります。
この間における探究学習の学校内への根付き方は確かに考えられます。
また、小中学生のスマホやテレビゲームにかける時間の増加、保護者が子どもの成績に拘らない層が増えているということが分かります。
多様化というキーワードが世の中に溢れるようになり、自然と学力という1軸での評価形態から目を背ける人も増えていると考えられます。
☁️学校現場でも?
学校現場においても、記事の中の先生方は苦慮されているように感じ取れます。
探究学習やグループワーク、児童生徒が自ら考えて学ぶ時間を取れば、その分単元を進めていく時間は少なくなります。
当然、単元の学びを深めるというのはその分だけ時間のかかるはずですから、当たり前と言えば当たり前です。
問題なのは、学びを深める時間を必要としているのにも関わらず、学習単元量は減らず既存の詰め込み式で学んできた内容と同じだけを学習する必要があるという点なのです。
そうなると、どうしても深めたいだけ深められないやった感満載の授業になってしまったり、協働学習を取り入れられなかったりという弊害がおきます。
ここに先生たちの焦燥感が加わり、学力が下がっているという眼に見える事実と結びつけてしまうわけです。
⏰探究学習はいらないのか?
そうなると、これまで通りの学習で探究学習はなくても良いのではという考えが広く浸透しそうな気もします。
文科省からは今年の5月に学力と探究学習を結び付けたデータが提示されました。
これだけを丸のみにして、「あぁ、やっぱり探究学習は学力が伸びるのか」と判断するのは難しいと思います。
しかしそもそも、目に見える数値的な学力だけにとらわれて物事を計ること自体に限界があるのだと思います。
厚労省の出している 「若年者の就職能力に関する実態調査」の結果概要では、明らかに数値で測れない社会的な能力が求められています。
そういった力を伸ばせる学習こそが探究学習なのではないでしょうか。
皆さんは探究学習、反対派ですか?賛成派ですか?

