はじめに
2025年9月18日に、かすみがうら市教育委員会様のご依頼を受け、かすみがうら市千代田義務教育学校にて研修を実施いたしました。
依頼元組織のご紹介
千代田義務教育学校は、小学校と中学校が一緒になった新しい義務教育学校で、校舎も新しく、先進的な学びの場という印象を受けました。
当日は、約20名の参加者の皆様にご参加いただきました。
項目 | 内容 |
---|---|
講師 | 塩畑 貴志(NPO法人 教員支援ネットワークT-KNIT 代表理事) |
開催日時 | 2025年9月18日 |
開催場所 | かすみがうら市千代田義務教育学校(小学校・中学校統合校) |
参加者 | 約20名 |
講演・研修のテーマ
本研修のタイトルは『学校に人が集まるためには、どのようにしたらよいのだろうか』です。
学校への人との関わり方を再構築し、地域と学校が一体となるための具体的な一歩を踏み出すことをテーマとしました。
活動の様子
失われた『関わり』を取り戻す
千代田義務教育学校は、統合時に様々な意見交換を経て目標を定めたという歴史があります。しかし、その活動の中で「目標達成のために、私たちが『どう関わるのか』」という最も重要な視点が抜け落ちてしまったという課題を抱えていました。
結果として、連携活動が『ゼロからのスタート』に近い状態になってしまい、「これまで離れかけていた縁を再び繋ぎ、地域や学校に『どう関わっていくか』」という、課題の再認識からスタートする必要がありました。
本研修では、この失われた『関わり』を再構築することを第一の目的としました。
『志縁』という新しいつながり
今回の研修では、学校に『どのようにして人を関わらせるか』という課題に対し、いつも話している「社会教育、学校教育、家庭教育」の三つの円ではなく、人とのつながりの源泉である「縁(えん)はどのように生まれるのか?」という本質的な問いから切り込みました。
世の中のつながりには、『地縁』(地域)、『血縁』(家族)、『遊縁』(趣味)、『職縁』(仕事)の四つの縁がありますが、学校運営協議会などの活動において、特に大切にしてほしい『志縁(しえん)』を提案しました。
『志縁』とは、「どういう目的・目標に対して何をするのか」という共通の志や目的意識で集まるつながりであり、地域学校協働本部の活動に最も近い縁の形です。
今回の成果
参加者の皆様には、「どんな子どもたちに育ってほしいか」という未来の理想像と、「そのためにどんなことをしたいか」という具体的な行動を考えていただきました。
重要なのは、その想いを周囲に丁寧に伝えることです。
想いを公にすることで、そこに興味・関心を持った人たちが自然と集まるようになり、強力な『志縁』によるコミュニティが生まれます。参加者の皆さんがこの『志縁』を核にしていくことの重要性を理解してくれたことが、大きな成果となりました。
また、参加者から「楽しかった」というポジティブな感想をいただけたことも、この活動を続ける上での大きな糧となりました。
講師の振り返りと今後の展望
講師の振り返り
参加者の皆様が熱心にワークに取り組んでくれたことには感謝していますが、私個人としては、導入部分のテンションが今一つ高めきれなかったことが反省点です。
皆さんの気持ちをさらに高揚させ、「じゃあ次はこれをやりたい、あれをやりたい!」と、私を差し置いてでも次への行動が話し合われるような最高の展開に持ち込むための、導入での工夫が足りなかったと痛感しています。
『楽しかった』で終わるのではなく、『次に繋がる熱量』を生むための工夫を、今後さらに追求していきます。
今後の展望
今回の研修で、これまで離れかけていた『縁』が再び繋がることができました。
今年度中にもう一度、学校運営協議会が開催される予定であり、今回の議論で得られた『志縁』の視点と、ワークショップで生まれた具体的なアイデアを、次の会で必ず活かされなければなりません。
次回の会まで約2ヶ月という期間がありますが、今回繋がった志を忘れず、次に繋げていくことが、千代田義務教育学校のコミュニティ・スクール活動をさらに発展させる鍵となります。
教育委員会さんの『腕の見せどころ』として、この勢いを次のステップに繋げ、楽しい活動を継続していってほしいと願っています。
協力者・参加者への謝辞
ご依頼くださったかすみがうら市教育委員会の皆様、そして当日、熱心にご参加いただき、深い議論にご協力いただいた約30名の参加者の皆様に心より感謝申し上げます。
皆様の『志』が、学校と地域の未来を繋ぐ大きな力となります。
講演・研修依頼について
NPO法人 教員支援ネットワークT-KNITでは、コミュニティ・スクール、地域学校協働本部、PTA、教職員研修など、学校と地域を繋ぐ様々なテーマでの講演・研修を承っております。
今回の『学校に人が集まるためには、どのようにしたらよいのだろうか』のように、現場の具体的な課題に合わせて、ワークショップ形式で参加者の方々の『次への行動』を引き出す研修を得意としています。
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお問い合わせください。