塩畑(ソルティー)です。
二ヶ月前に群馬県でコミュニティ・スクールに関する研修を行ってきました。
今までは地域の方向けに研修をすることが多かったのですが、今回は学校管理職向けの内容ということで、今までと違った内容になったかなと思います。
今回の内容はシェアしても良いと許可をいただいたので、研修の内容を3回に分けてかいつまんで解説していきます。
3回目は
「学校はコミュニティ・スクールをどう受け止めると良いの?」
です。
⭐ すでに学校では地域づくりを行っている
コミュニティ・スクールと言われると、
「また何か新しいことが始まった」
「これ以上何をやれと言うんだ」
と先生たちにとっては嫌悪することもあるでしょう。
しかし、これは勘違いも混じっていると個人的には思います。
たしかにコミュニティ・スクールが始まると管理職は学校運営協議会に出席せねばならず、最初は資料づくりや、委員の任命など大変なことは多いです。
ですが、だんだんに学校運営協議会が活性化、活動の分担が行われるようになると、資料づくりもしなくなる可能性もあるし、日程調整も担当者が奔走しなくて良くなります。
さらに、学校では昔から特別活動と称して地域づくりに繋がる活動を行っています。学校はほぼ新しいことをやらなくてもコミュニティ・スクールはできるのです。
一点あるとすれば、新しい視点を加えることが必要でしょう。
特別活動は地域づくりと言いましたが、それを学校だけで企画・実行していることは多かったと思います。
これからはどんなことを行うか?も地域と一緒に考えたり、実施するようにしていく。
それだけで『地域学校”協働”』と呼べる活動になっていくでしょう。
⭐ コーディネーターはやっぱり仕事にしないといけない
コーディネーターについても触れています。
コーディネーターって一体何をするの?というと、今、教頭先生や、地域学校協働の担当が行っている業務を行うことに加え、自分でイベントを企画したり、交流を行ったりします。
ただ、このコーディネーターは柔軟力が結構重要で、学校だけでなく、地域から「これ”明日”できませんか?」と無茶振りされることがあります。
その時に「それは無理です!」というのは簡単なのですが、受け取らなかったものがなくなるわけではなく、結局誰かが担うようになったり、質が大きく下がったり…ということに繋がるのです。
そうなると、別の仕事を持っていて、たまに入ってくる…くらいの感じだと、受け止めきれないものがたくさん出てきてしまうのです。
だからこそ、ここは実績を積み上げて「これは給料を出さないといけないな」と思ってもらえるようにして、予算化を狙っていかないといけない部分かなと感じています。
実際、海外ではこのような職種はとても重宝され、給料も高いです。日本は形が見えにくい活動にお金を払うことがまだまだ抵抗があるようなので、これから…と言ったところでしょう。
これから地域学校協働活動が大きく展開されるようになれば、少し風向きが変わるかもしれません。
⭐ まずは仲良くなることからはじめていこう
コミュニティ・スクールって一体何から始めれば良いんだ!ということもあるでしょう。
目的を作ることや、課題の検討などなど、やれることは多岐に渡りますが…。
どこでも言えることは『仲良くなること』です。
仲良くなるなんて当たり前じゃないかって思うかもしれませんが、実際に会のメンバーを見回してみると、メンバーのどこまでを知っているでしょうか?
- どこに住んでいて
- どんな活動をしていて
- 何が好きな食べ物や、飲み物で
- 趣味は何をしていて
- 仕事は何をしていて
- どうしてここにいるのか?
このようなメンバーそれぞれの生き方そのものに着目していくと、個性に溢れていると思います。
しかし、実際、この個性を知らず、話し合いだけするというのはせっかくの良さを知らず、活かせないまま。
そして、なにか困ったことがあったとしても、助けてくれないという、単なる『知り合い』の枠に収まってしまいます。
コミュニティ・スクールで本当に醸成するべきなのは知り合いではなく、友達になること。
お互いをよく知り、助け合いができる地域に変わっていければ、それだけで良い地域になります。
良い地域が生まれれば、良い学校が生まれます。
これはどんなコミュニティでも言えることで、仲良くなるというのはコミュニティ・スクールが目指す『学校を核にした”地域づくり”』には欠かせないものなのです。
その他、地域学校協働活動に関する内容を詳しく楽しく分かりやすく解説しているので、ぜひ動画をご覧ください。