今回は質問がなかったので、最近見かけた内容についてお伝えしていきます。
「生徒指導は担任の先生がひとりでやるべき」
これ、本気でそれを言ってたら良くないなと感じます。
担任の先生が関わることが多いのは間違いありませんが、『べき』と断言してしまうと、教育とは何なのか?が考えられなくなります。
今回は子供を導くのは誰なのか?についてお話していきます。
⭐ 子供はどう成長するのか?
そもそもを考えると、子供はどう成長していくのか?についてお話をしていきましょう。
子供たちは誰かに教えてもらいたいと最初は思っていません。僕が子供の時もそうでしたが、できるなら遊んでいたいし、友達といたいし、仲良くありたい。
勉強なんか二の次で、学校で学ぶことが煩わしいと感じる時もあるでしょう。
しかし、そのようないろんな関わり、体験から成長をしていきます。
担任はあくまでも『1年間、一番長く一緒にいる大人』であり、担任がすべての成長を促すか?と言われると、そうとは言えませんでした。
僕の場合は、親からはよく「こうしなさい」と言われたりもしましたし、地域の大人にも「そこにいると邪魔よ」と怒られたこともありました。
子供の時は「分からない」ことも多かったため、度々、諭されることは多かったなぁと感じます。
それがすべて良かったか?というと、全部が全部良かったわけではありません。
もちろん「こんなん、大人になっても意味なかったなぁ」って思うことも多かったです。
ですが、その「意味なかったなぁ」を感じることに意味があったと思えば、体験したことによって生み出すことができるようになったと言えますね。
そう思うと、子供に限らず人間は生きていく日々の中で学び、考え続けている生き物であり、誰がどう成長を促すかは分からないと思うのです。
⭐ パッチング・ケアをしよう
看護の現場でよく使われる言葉で『パッチング・ケア』というものがあります。
これは患者さんを治すには沢山のツギハギを繋ぎ合わせ(パッチング)して治していかなければいけないという言葉です。
患者さんが自分の病を治していくには、主治医の先生だけではなく、看護師、理学療法士、薬剤師、受付の事務員、家族、パートナー、友人…いろんな人が協力し合って治る。
それを考えると、児童・生徒の指導も同じではないでしょうか?
担任の先生が支援・指導すればOKでしょうか?
もちろん、ダメで保護者も関わってきます。学年の先生、指導主事、養護教諭、カウンセラー、用務員、校長・教頭…さらにここに地域の大人が関わってくる。
そうしてはじめて一人前の大人として成長できていくのではないでしょうか?
⭐ 社会教育を知る
学校の先生や、地域の大人たちが忘れてしまったのは、そのように教育には『一人ひとりが関わっていく』ということ。
今はなぜか『教育は学校で』というイメージが強く残っています。
ですが、本来、教育は子供のためで、教育を望んでいるのは地域や、保護者です。
そうした時に教育機関ができたから自分たちも何もしなくて良いというわけではありません。
もっと地域・保護者が教育を知り、今、子どもたちに何が起きているかを知り、自分に何ができるのか?を考えていくことが大切ではないかと思います。
この考え方を『社会教育』と言います。
子供を取り巻く教育は『学校教育』、『社会教育』、『家庭教育』の3つがあり、どれもそれぞれに役割と目的がありますが、どれか一つでも欠けたら子どもたちの学びは良くなりません。
これを読んでいるあなたも今、何ができるのか?をぜひ考えてみてください。
それが本当のコミュニティ・スクールの実現と、より良い未来に向かうことになるはずです。