今回は40代の学校教職員の女性の方から質問がありました。

「結局はマンパワーに頼っている状況です。周りを引き込もうにもなかなかうまくいかず困っています。なにか好事例があればお聞きしたいです。

コミュニティ・スクールは誰かが動かないといけない状況になりがちで、その誰かが動かないとまったく動かない…ということになりがちです。

では、一体どうしたらみんなが動くようになっていくのでしょうか?

今回は周りを引き込むための施策について考えていきます。

⭐ まずは『こうなってほしい』を願うこと

文章だけでは僕の想像だけでのお答えになってしまいますが、周りを引き込もうにもうまくいかないというと…。

きっと、コミュニティ・スクールの担当になり、話をしているんだけど、なかなか動かない、理解してくれない、反応がないという状態かとお察しします。

そんな場合、周りは何を投げかけようが無反応なのでやっている側としては虚しさが募って、心が折れかけてしまうかもしれません。

しかし、ピンチはチャンス。この状況を逆手に「この状況をなんとかしたい!」と自分が大変困っている!というメッセージを発することが始まりかなと思います。

メッセージを発する側は「本当はこういう状態にしていきたい!」とどれだけイメージできるかが鍵です。

『未来は勝手に進まない、進めてきた人たちがいる』

これは国際女性デーの時に使われたキャッチコピーですが、未来は自分達の手で作るしかない。作るなら、頭で想像できないとなかなか手が動きません。

まずは、頑張っている自分を褒めつつ、『こうなったらいいな』を考え、周りに伝えてみてください。

⭐ 子供民生委員という取り組み

周りの大人(教職員も含め)は『子供』+『できること』というキーワードが関わると、途端にやる気が出てくるものです。

好事例を…という話だったので、参考になるか分かりませんが、高知県馬路村の『子ども民生委員』という取り組みを紹介します。

土佐市 子ども民生委員
※画像は馬路村を参考に始めた土佐市のもの。上手にまとまっているの掲載します。

これは馬路村の社会福祉協議会、『子どもの頃から地域に関わりを持ってもらいたい』と開始したのが始まり。

登下校時に声掛けしたり、状況に応じてゴミ出しや、家周辺の掃除、買い物袋を運ぶなどのサポートを『子ども』が『主体的に』行います。

子供たちは3〜6年生で、社協の講座『認知症の人たちへの対応』を学んで、実際に委嘱状が渡されるという本格的なもの。

地域からも学校からも絶賛されているようです。

⭐ はじめは『孤独』。ムードを作る

こういった事例は『うまくいった時から』のニュースなので、『どうやって進めてきたのか?』というのは取り上げられることは稀です。

ですが、最初は仲間づくりから始まると思います。

さきほどの『こうしたい!』を声に出しましょうというのは、そこから始まって、「それいいね!」って言ってくれる人が少なからずいます

むしろ、最初は少なくても良いのです。

そうやって少なくても『何か起こるかも?というムード』を作っていきます

最初のムードづくりには『何かを決めて進めることではなく、仲良くなること』を重視していきましょう。

  • 自己紹介を長めにして、地域や、子どものエピソードを入れてもらってホッコリする
  • 趣味や、好きな食べ物を子どもの頃の話などのエピソードを入れてもらう
  • 自分がこう生きてきた、こうしていきたいなど夢を語る

こうやって、『反応してくれる人』を増やしていくことで、段々とやりたいことの実現に向かっていくことができます。

そして、人が増えていくことで、『分担する』話になってきます。そこからやっと『組織化』、『標準化』の話になり、自分の負担が減っていきます。

これは長い時間がかかるものなので、最初からうまくいかないと嘆かずに大変さ分かち合い、未来に向かって話し合っていける仲間を一人でも増やしていければ100点満点くらいに思って始めてみてください。