こんばんは!
教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。
普段は私立の中高教員をしており、毎日ブログを書いております。
よろしければ、ご覧ください。
みなさんの学生の頃、席替えと言ったらクラスの中のプチイベントではなかったでしょうか?
残念ながら今の生徒に、あいつもこいつもあの席をただ一つ狙っているような姿は見られません。
しかし、それでも窓際後方の座席は先生の目からも遠く、自由度が高いと思われているのか、とても人気です。
どこにいようと教卓からは、全員はっきりと見えるんですがね笑。
そんな席替えを生徒に全任せしたお話です。
💺席替えのいいところ
時間が空いていると、何かと生徒は席替えをしたがります。
生徒からしてみれば、一日のほとんどの時間をその席で過ごしながら授業を受けるわけですから、自分の座席がどこになるかというのは大きなポイントなのでしょう。
席替えをすると、良くも悪くも教室内に新鮮味が出ます。
いままで、話していなかった子と近くなったり、逆に仲のいい子と遠くになってしまったり。
どちらにせよ、変化があると生徒たちも若干心が躍るものなのです。
それが授業にもいい影響を与えます。
授業への参加率がいくらか上がるのです。
逆もまた然り、授業の中でペアワークやグループワークなどがあるので、自然とこれまで話したことがなかった子が近くにいると、そういった子同士の関係も作れるので、クラス仲もよくなります。
新クラスになった最初の方ほど、席替えは大きな効力を発揮します。
☁とはいっても、かかる教員負担
席替えをしていいところがたくさんあるとは言いつつ、席替えをするときにはさまざま留意しなくてはなりません。
例えば、くじ引きで席替えをするとなっても、視力の悪い生徒に後ろの席に座らせるわけにはいきません。
とてつもなく仲が良く、授業中もずっと話しているような子同士を近くに座らせることを嫌がる先生もたくさんいます。
また、生徒同士の人間関係もあります。
これらを考慮しながら、席替えの際にはくじ引き作成、座席表作成を次の授業までにスピーディーに行う必要があるのです。
子どもたちが席替えを要求するたびに席替えをしていては、教員負担も多くなってしまい授業準備やそのほか校務分掌も疎かになってしまいます。
このバランスをとりながら席替えをタイミング良く行っていく必要があります。
🎓生徒にやらせてみた件
ということで、席替えを生徒に任せてみることにしました。
くじの準備、移動後の座席の準備、席替えのタイミング、席替えのルール作成。
全て生徒が準備をします。
確かに荒い部分もありますが、そこは教員でカバーします。
そうすると、生徒は自然と自分達で作り上げる意識ができるので、新しい座席に対しても納得観が生まれます。
自分達で苦労をしながら作り上げた新しい座席です。
時には一部の生徒のただ親しい友と近くの席になりたいという意見だけで、席替えをしたいという自己中心的な発言も出てきます。
そこで学級委員に責任を持たせ、席替えのタイミングや理由を伺っていました。
すると生徒だけにしか分からない視点も見えてきたり、人間関係の構図も見えたりといいところが多くあるのです。
教員のなんでもやってあげるスタンスは親切ではありますが、時として自分自身の首を絞めてしまっています。
あえて、生徒に任せられる部分は任せてできた時間を教材開発や生徒とのコミュニケーションに使う。
これこそが、生徒にとっても教員にとっても好ましいのではないでしょうか?