こんばんは!

教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

普段は私立の中高教員をしており、個人でもブログを書いております。

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みなさんは、日本の教育費について考えたことはありますか?

幼稚園から高等学校卒業までにかかる教育費(学校のみ)は公立の場合は200〜300万円、私立の場合は1000万円〜1500万円と言われています。

当然費用に差があるということは、学ぶ内容にも差は多少なりとも出てきます。

今日はこんな教育費について考えていきます。

🚼生まれながらにして生まれる差

近年では私学助成という制度が充実してきてはいるものの、まだまだその内訳は十分なものではありません。

東京都の高校では、私学助成によってほとんどの家庭が私学の教育費も無償化されており、公立と大差なく選択肢に入ってきます。

一部異なる場所もありますが。

しかし、他の学校種ではまだまだ助成金の制度が拡充されておらず、各家庭の財力によって学校を選択する際に選択肢の量に差が出てしまうという現状があります。

教育の機会均等を謳っている中で、義務教育という最大の社会のセーフティーネットは用意されていますが、それ以上の選択は持って生まれた家庭の事情に応じてしまうという事実があります。

それもこれも一言「親ガチャ」という言葉で片付けられるのかもしれませんが、教育の機会均等とは程遠いもののように感じます。

学びたい人が学びたいものを学べるだけ学べる。

これこそが教育の担保であるのではないでしょうか。

💰無償化は理想的ゴールなのか?

一方でそんな現状を問題視して大学までの教育費の無償化を訴える風土もあります。

子どもや若者1万人に調査 “大学までの教育無償化を” 4割

教育にかかる費用負担が小さくなれば、意欲ある者にとってはこの上ない喜びでしょう。

しかし、私はそれでもまだ教育の機会均等にはならないと感じてます。

先ほどの私の意見とは矛盾してしまいますが、機会の提供だけでは不十分だと思う場面があるのです。

私は中高の教員をしており、いろんな生徒と出会います。

その中の子どもたちの発言を聞いていると、学びの機会以前に学ぶための意欲を外圧的な何かによって奪われてしまっているような子もいるからです。

例えば、中学校の時に英語が苦手だったけど、なぜか先生の高圧的な態度が受け入れられず自然と学習が遠のいて行ってしまったとか、家庭学習を親から強制されており、いい成績を取らないと褒めてもらえないので勉強が嫌いになったなど。

そもそもの学びに向かう姿勢を別の何かによって阻害されていることもあるのです。

🏁理想はどこに?

では、一体どこをゴールに、理想に定めればいいのでしょうか。

完璧な社会制度はないかもしれませんが、社会的にみても学びたい、もっと成長したいと思える風潮を作っていくことこそが、根本的な解決になるのではないかと考えています。

最近ではキャリアアップのための制度も徐々に充実し始めており、リスキリングや理科練と教育といった言葉を耳にする機会も増えてきました。

おそらく社会に出ていく前段階の学校で子どもたちに対して、学ぶことの素晴らしさ、学び続けることの尊さを伝えていくことこそが今必要なのではないでしょうか。

とはいうものの、教員の免許更新の必要はなくなり、現状一ミリも学ばなくとも教員をできてしまうという問題も発生しております。

本来であれば学びを教えるはずの教員が学びから遠のいていくばかりの構造。

ここから手をつけていく必要があるのでしょう。