こんばんは!

教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

普段は私立の中高教員をしており、毎日ブログを書いております。

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みなさんは、個別最適化という言葉をご存知でしょうか?

GIGAスクール構想が浸透し、各学校のICT環境が整ってきた中で並行してこの言葉もよく聞くようになりました。

文科省の資料の中にもよく出てくる言葉の一つです。

今日はこの個別最適な学びにつて考えます。

👆必要なのはマネジメント

個別最適と聞くと個々に好きな学びを、好きなだけやるという学習をイメージしがちですがそうではありません。

それぞれの進捗や実力に合わせて、学ぶ内容を臨機応変に変えるような学びの形を個別最適と言います。

ICT環境が整い、個々の学習データ、全体の平均値、学習のステップなどがより明確に見える化してきたことで、個別最適も各学校に適宜取り入れられるようになってきました。

しかし、環境が整ったところで子どもの学びに向かう姿勢がなければ全くもって意味がありません。

そもそもの能力や興味関心が、子どもの学びの進捗状況に大きく関係している可能性もあるからです。

だから、環境を用意するだけではなく、教員に必要なのは子どもを学びへと導く力。

ただ、強要するのではなく、学びへの興味関心を引き出しながら、それの向かうべき方向を指し示す。

これこそが、必要になってくるのです。

👨‍🏫社会性?苦痛?

個別最適と聞くと、どちらかというとできない子どもにに合わせた教育をと考える方が多いようです。

現に授業の中でも、できない子に個別最適に関わりつつも、できる子には応用問題を与えるだけなどのちょっとしたほったらかしが発生している事例をいくつか聞いたことがあります。

しかし、文科省の会議でこのような決定がされました。

別室で高度な教育も 「才能突出の子」を支援 文科省

この記事の中でも、できる子どもに対して個別に応用問題を与えるというのは記載されていますが、それに加えて別室での講義の受講なども書かれています。

果たしてこれをどう受け止めるか。

それに加えて、あくまでもエリートを育てるのではなく、学びの場に苦痛を感じている者への対処法として明記されているのです。

本来であれば理想は凹凸のある子どもの学力も、互いに埋め合うような授業ができることで社会性や協調性が育まれるものと思いますが、エリートを育てる教育ではないのに、別室受験が可能となると、何だかチグハグな気もしてしまいます。

🎓選択可能と協調性

個別最適は児童生徒それぞれに選択肢が与えられている教育です。

やるもやらぬも自分次第、進めるも進めないも自分次第。

皆と足並みを揃えるもそろえないも自分次第。

だからこそ難しいのかと思います。

これを子どもに完全に投げてしまうのは、相当なストレスになるのではないでしょうか。

塾や習い事などのプラスアルファのものであれば何も問題はないかと思います。

しかし、まだ義務教育という強制感のはたらく小学校中学校時代に、その学級という集団から小さくも外れるというのは、協調性の成長の場を奪っていることにもつながるのではないでしょうか。

できる子はそれなりに頭も使います。

ここで、自分が別の学びをするために周りと違うことをするということを嫌う子もいるでしょう。

だからやはり、教員として安心安全空間の場を作り続けるという、学級作り、授業作りにも同じように力を入れて欲しいものです。