こんばんは!

教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

普段は私立の中高教員をしており、個人でもブログを書いております。

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皆さんは、インクルーシブ教育、個別最適化という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

どちらも教育界ではよく使われる言葉ですので、意味は知らずとも耳にしたという経験はあるかと思います。

今日はこのインクルーシブ教育と個別最適化について考えていきます。

☁インクルーシブ教育の意義

インクルーシブ教育の始まりはどこになるのでしょうか?

調べたところ、明治5年(1872年)の学制において障害児教育に関する学校の規定がつくられたのが始まりのようです。

当時はそこで終了し、実現には至らなかったようですがそこから徐々に現在のインクルーシブ教育に繋がってきたようです。

しかし、そこには初めから分離教育の形があり、それが今もまだ特別支援教育として残っているのでしょう。

文部科学省のHPでは障害者の権利に関する条約と合わせて次のように記載されています。

障害者の権利に関する条約第24条によれば、「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。

つまりこれまでの障害者教育とは異なり、障害のあるなしにかかわらず全員が同じ場で学ぼうという教育の考え方なのです。

私も現代においてはこちらの方が生徒の多様性への理解等といった面からいいのではないかなと思っています。

🔛一方、個別最適化は?

一方で個別最適化という教育ワードもあります。

上記のインクルーシブ教育で多様性を受容し、全員で一緒に学ぶということを謳っている割には、逆の考え方なのではないかと思われる方もいるのではないでしょうか?

個別最適化教育については文科省のHPには下記のようにあります。

「指導の個別化」と「学習の個性化」を学習者視点から整理した概念が「個別最適な学び」ですが、これを教師視点から整理した概念が「個に応じた指導」です。学習指導要領の総則では「児童(生徒)の発達の支援」の項目において、「個に応じた指導」の充実を図ることについて示しています。「個に応じた指導」に当たっては、「指導の個別化」と「学習の個性化」という二つの側面を踏まえるとともに、ICTの活用も含め、児童生徒が主体的に学習を進められるよう、それぞれの児童生徒が自分にふさわしい学習方法を模索するような態度を育てることが大切です。

それぞれの学習状況に合わせて、自ら学び自ら学習を進めていく個を尊重した教育の在り方になります。

できる子はよりその能力を伸ばしていき、苦手な子はそこをゆっくりと自分のペースで学んでいく。

そのうえで適切な教員の介入をしながら、生徒の伸長を目指していくというのが重要なのです。

私の授業も冒頭に全体への内容伝達を10分程行い、その後は生徒自身に任せるという方式を取っています。

そうするとできる子はどんどんと解き進め、できない子は授業進度はそこまで進まないため安心して学習でき、教員もそこに注力できます。

✖インクルーシブ教育と個別最適化は逆か?

果たしてこの2つは相反するものになるのでしょうか?

浅い部分だけを理解したうえでこの2つを考えるとそういった思考にもなってしまうかもしれません。

インクルーシブ教育は障害のあるなしにかかわらず、全員一緒に学ぶ。

個別最適化はそれぞれの進度に合わせて個々に学習する。

しかし、全くもって反対にある学習理論では決してないのです。

インクルーシブ教育のように全員が同じ時間と同じ空間を共有して学ぶ中に個別最適化された学習時間をいかに作れるか、逆もまた然りで個別最適化された学びを連動させて全員にとって有益な時間をつくれるかどうか。

その部分を今の教育は求めているのではないでしょうか。

非常に難しく理想像のように感じるかと思いますが、本来の教育とは子どもたちが何かしらの壁を感じることはなく、それぞれの力をのびのびと伸ばしていけるというものではないでしょうか。

そこに向けて私たち教員はどのような働きかけができるのか、考え続けていきたいものですね。