僕はいろんな学校の学校評議員や、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)として参加させていただくことが多いです。
しかし、その中で、この2つの制度があっても学校に何も改善が起こらないということも多いのです。
先に謝っておくと、今回の話は本音でズバッと行きたいので感じたことをそのまんま書きます。
だからこそ不快な気持ちになるかもしれません。すみません。
でも、活性できず動いていないところは今回の話、学校の予定調和を崩せないというのが課題だと思ったのです。
どうしてこの2つの制度があっても「学校や、地域は中々変わっていかないのか?」について参考にしていただけると幸いです。
コミュニティ・スクールとは何かが分かっていないと、今回の記事を読んでも理解できないかもしれません。コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)とは何なのかを分かりやすく解説!に詳しく記載してあるので、分からない人はそちらからお読みください。
コミュニティ・スクールでも効果ないと思うシーン
学校には予定調和があると思っています。まさにこうなるだろうということを仕組んで、そのまんま終わる。
予定外のことが起こらないように仕組まれている。これがある限り、地域が入ろうが、すごい講演家が来ようが絶対に変わらないなと思ったのです。
では、この予定調和がどのようなシーンで見つかったのかお教えします。
会議のスケジュールを組み、文面を読み上げるシーン
PTAや、コミュニティ・スクールや、学校評議員の会議でスケジュールをかなり綿密に決め、その資料に書いてあることをご丁寧に全部読み上げたりすることは多いでしょう。
学校の会議はこの資料の読み上げから始まると言っても過言ではありません。
一生懸命考えてくれただろうと思うのですが、内容がガチガチに決まっていて、しかも結構綿密に書かれているのです。そこまでは良いのですが、とにかく学校外の人が話を放り込めるシーンがない、もしくはかなり少ない。
本当に重要なところは資料の伝達ではなく、今、時間を作って集まってもらったからこそ、みんなでしかできない何かを生み出す時間に使わなければいけないのです。
その時間や、回数が少なすぎるなと感じます。
議論や熟議もなく、評価するのみ
学校ってとにかく予定外に弱いなという印象があります。なので、アドリブなど、スケジュールが決まっていないものはほとんどありませんし、嫌いです。
そのため、スケジュールは学校で決められています。
しかし、その中に議論や、熟議といったテーマを深める項目がほとんどの場合、入っていません。
多くの場合、授業参観→一人ひとりによる評価になってしまうケースが多いように感じました。
この場合だと、予定調和で始まり、予定調和で終わってしまい結局、何も変わらないということに繋がってしまいます。
「先生たちも頑張ってますね」で終わってしまう評価
こちらは学校ではなくて、集められた人たちの課題ですが、「先生たちも頑張ってますね」という評価をしている方が結構いらっしゃいます。
でも、先生たちも頑張ってるのは当たり前の話で、そこからの改善や、もっと負担を減らせないか?という議論をする場なハズなのに、その評価で終わってしまう。
学校運営協議会はPTAとはちょっと違い、ボランティアという感じではありません。
この辺りは学校運営協議会(コミュニティ・スクール)とPTAの違いを読んでください。
「先生たちも頑張ってますね」は評価ではなく、労いの言葉としてかけてあげるのがとても重要です。
評価の場では、しっかり学校運営について話をするという目的意識を持つと改善が進みます。コミュニティ・スクールの目的を理解することがとても大切ですね。
予定調和を崩すほどの熱量を持てない選ばれた人たちはなぜ生まれるのか?
どうしてコミュニティ・スクールなどの仕組みができあがるのに、学校が変わらないのでしょうか?
これは選ばれた人が悪いということはほとんどないんです。みんなやり方が分からなくて、良さを発揮できていないだけかなとも感じています。
学校が悪いわけでもなく、集められた人が悪いわけでもない。
ほとんどは会議の流れや、促し方が悪いのです。
これは僕が実際にコミュニティ・スクールに参加して感じたことですが、2つ原因があると思っています。
年3〜4回の集まりだけで話し合っていたら変わるハズがない
コミュニティ・スクールや、学校評議会って年に3〜4回程度しか集まらないんですよね。
しかも、そこに集まった人って初めて出会う人ばかり。
自己紹介が1回目、授業現状を知るのが2回目、学校運営の現状を知るのが3回目…となっていたとしたら、そりゃ変わるハズないなって思います。
改善案を考える話し合いもなくなってしまうからです。
だから、「学校に集合して話し合いましょう!」というだけでは変化はほぼ起こりません。
もっとたくさんコミュニケーションを図っていくのは必ず必要だなと。(オンラインも含めて)
コミュニティ・スクールにお金が出ないってところもそうなんですけど、軽視していればしている分だけ、良い方向には好転していきません。
視点が学校の仕組みではなく、人の動きにばかり注目してしまう
コミュニティ・スクールや、学校評議員に集められる方って、学校運営方法についての視点を持った方があまりいないなと思っています。
コンサルタントって役割ですね。
ほとんどの方が子供の授業態度や、先生の授業方法に注目しています。
もちろんそれ自体は悪いことではありませんが、それだけに注目してしまうので、「背筋が伸びていない子供がいる」「居眠りが多い」となってしまい、結局、注意しなさいという結論に至ってしまうのです。
大事なことはなぜボーッとしてしまう子供が多いのか?ということ。
コミュニティ・スクールは授業を評価するのではなく、学校運営について一緒に考えることが目的です。
例えばいくら学校内の授業を参観しても、学校の全体を見なければ不登校の問題は気付きません。
この辺りは学校に行けない子どもには生きやすい環境と同じくらい生き抜く力が大切でも話しましたが、このような子は必ず学校にいると思って関わっていったほうが良いです。
そのような子でも過ごしやすい教育とは何か?地域として欲しい人材は何か?を考えて、学校運営に地域の声を反映させるのです。
コミュニティ・スクールに関わる人は「対処療法ではなく、根本治療をする」という意識を持っていかなければならないなと僕自身は思っています。
どのようにコミュニティ・スクールの予定調和を崩していくか?
学校に従っているだけでは、良い結果を産まないなと思っています。
主体的な子供を創るためには大人がまず主体的に取り組むことが大事。そのためにできることを考えてみました。
スケジュールの中に必ず熟議を入れる
これは学校側にお願いしたいことですが、スケジュールの中に必ず熟議をする時間を組み込んで欲しいなーと思っています。
でないと、何かしらの改善をいつまでに誰がやるのか?がハッキリ決まらず、結局「話し合えてよかったね」という感想になってしまうからです。
大事なのは話し合って、次はどうする?が決まること。
コミュニティ・スクールはわざわざ時間を作って学校に遊びに来ることが目的ではないので、何かしらのお土産を作れるようにすると良いですね。
事前にデータは共有し、読んでから集まる
会議が始まる前にデータを共有し、読んでから集まると時間が大幅に短縮でき、対話の時間が増えます。
見てくれない人がいるかもしれないのは事実ですが、少しも目を通さないようなやる気のない委員さんは発言も見当違いだったり発言自体しないことも多く、ハッキリ言うと役に立ちません。
そのためにも資料を事前にメールなどで送っておき、「必ず読んでおいてください」とすれば、会を重ねるごとに見てくれる確率は増えるかなと。
グランドデザインを突き詰め、毎回テーマを決める
グランドデザインって学校の存在価値そのものかなと思うので、しっかりグランドデザインを決めるのは超大事。
本当は管理職の一存ではなくて、地域全員で決めていくのがとても大事なんだろうなと思います。
本来、グランドデザインは2月、3月に決めるようですが、校長は変わる可能性があるし、地域の中に学校が存在しているのが本来の姿だと思うので、地域の人たちと一緒に創り上げるのが大切かなぁと思います。
年数回の集まりだけで何とかしようとか思わない
必ず何かしらの連絡手段を取る。年配の方が多いので、LINEだけじゃなくて、メールや、電話、FAXという連絡もありかなと。
僕もやってしまったことありますが、まったく何の連絡手段もつくらないで解散してしまった時、どうやって連絡取るか…と悩み、結局、学校の先生を使うしかなかったということがあります。
このような連絡は係を決めても良いし、学校の先生が連絡役をやっても良い。
ただし、やるということは必ず負担が増える。でも、その先にもっと幸せがあると信じて、やるからには覚悟を持ってやるのが大事だなと。
コミュニティ・スクールで大事なのは制度よりも気持ち
赤裸々に語ってしまいましたが、コミュニティ・スクール、学校評議員…制度がいくらあってもそこに集まる人たちの気持ちが弱いと何も変化が生まれないなと。この辺りはぜひコミュニティ・スクールのデメリットもお読みください。
逆に制度なんて関係なく、気持ちが強い人がいるだけで多くの人の気持ちを動かしたという事例もあります。
大事なのは気持ち。
気持ちと熱意があれば、コミュニティ・スクールのメリットを存分に受けられると思います。
この結果を受けて、僕自身がどのように学校に関わっていくかを大切に考えたいなと思う今日このごろでした。