GIGAスクールも増え、ICTを活用した授業はどんどん多くなってきています。

そうした時にICT機器を使ったことがない教員は悩むことが多いようです。

パソコンが苦手で何から手をつけていいか分からない。

聞いて欲しい時に子供が言うことを聞いてくれない。

変なサイトとか見られたりしちゃうのでは?

などなど、実際の学校現場では多くの悩みが尽きないようです。

ソルティー
ソルティー

実はICT活用は導入前に子どもたちとルールを『一緒に』考えることが大事!

そこで今回は実際にいろいろな教員に聞いたICT導入時に行っておきたい、ICT活用のポイントをお伝えします。

この記事で分かること
  • ICT活用って何?
  • ICT機器ってどんなものを選べばいい?
  • ICT授業を行う時、気をつけるポイント
苦手だからこそ勇気を出して知ろう!

ICT活用とは?

ICTとは?:ICT教育の授業


ICT活用には三通りの意味があることを覚えておきましょう。

ICT活用の意味
  1. 教員がコンピュータ(情報技術)を使って今までの授業をより楽しく分かりやすくする
  2. 子供たち自身がコンピュータや、情報の正しい使い方を学ぶ
  3. 校務でコンピュータを使って効率化を図る

この3つとなりますが、主に教員が取り組むのは授業にコンピュータを活用することとなります。

ICT機器を導入する前に必要なポイント

ICT機器の導入は「さぁ、やるぞ!」と思ってもなかなか実現できないという課題があります。

ICT機器導入に立ちはだかる課題
  1. 教室の環境が整っていない
  2. 各部署・企業で教材が滞ってしまう
  3. どんな機器を選べば良いか分からない

そこでICT支援員だった経験や、自治体さんの事例を聞いてきた経験から、ICT機器の導入ポイントをまとめておきます。

教育委員会と連携する

これが意外と大事なのですが、教育委員会が首を縦に振らなければICT機器導入に必要な設備が整いません。

今は他の自治体の事例も増えてきたり、GIGAスクール構想によってほぼ全ての小・中学校にICT機器が配備されたはずです。

ソルティー
ソルティー

昔は現場では必要でも教育委員会側でストップしてしまうことがありました。

多くの場合は予算や、セキュリティ面が懸念点になるので、「どうしてICT授業が必要なのか?」をプレゼンテーションし、納得を得られるように合意形成すれば導入できると思います。

この時に大事なのは一人でプレゼンしないことです。

まずは学校内で数人の仲間を集めて、導入を訴えましょう!

できれば校長・教頭・学校運営協議会・PTA会長など権限強い人たちや、保護者を巻き込めと最高です。

情報端末の整備

タブレット、もしくはChromebookの整備は今のICT機器を活用した教育では必須です。

一人1台はすごく贅沢ですが、あると授業の幅が広がります。

最初の目標は1教室で4人に1台くらいです。GIGAスクール構想で一人一台端末が準備された学校も多いでしょう。

最低でも4人に1台あれば各教室でグループディスカッションができるようになるので、このくらいを目標にしてみましょう。 

インターネット環境の整備

インターネットもICT機器を活用した教育では必須です。(とはいえ、こちらも教育委員会がOK出さないこともありますが)

無線LANの配備を検討している自治体が多いと思いますが、意外と中継機で構築された無線LANは使いにくいです。

なぜ無線LANだと使いにくいのか?
  • アクセスポイントが切り替わることが多い
  • アクセスポイントを中心に授業を考えるので使いにくい
  • すぐ切れる(またすぐ繋がるが、一回切れるとログアウトなアプリも多い)
アクセスポイントとは?

無線LANの場合、必ず有線のインターネットから無線LANに変換している機器があります。それがアクセスポイントです。カンタンに言うならインターネットの繋ぎ先のことです。
また、無線LANの場合、電波が届く範囲というのがあるので、離れれば離れるほど通信は切れやすくなります。この電波範囲は子機を使えば拡張できます。

なるべく購入する機器はWi-Fiモデル(無線LANを使うタイプ)ではなく、セルラーモデル(SIMカードを挿して、通信事業者の通信網を使うタイプ)にすると、いつでもどこでも使えるし、通信も安定するので授業で使いやすくなるでしょう。

また、無線LANで構築する場合、とにかく中継機や、一つの無線LANで構築すると通信がブツブツ切れます。

なので、LAN構築はアクセスポイントにスムーズに繋がるメッシュWi-Fiルーターがオススメです。

パスワードの管理

結構ずさんになりがちなのがパスワード管理です。

初期状態のタブレットでは使えるアプリが少ないので、幅が狭くなってしまいます。

教育委員会に頑張って欲しいポイント
  • 教育委員会が必要なアプリを入れ、要望次第ですぐアプリを入れられるようにしておく(できれば学校裁量)
  • 学校にパスワードを渡し、管理してもらいながら使う

「授業で使いたい時に使えない!」では、導入した意味がないので、できればすぐインストールできる状態にしておくのが望ましいです。

ただし、教員はパスワードがずさんになりがちなので、その辺りだけ気をつけましょう。

パスワードはExcel管理などでも良いですが、パスワードマネージャーを使うのが便利です。

今の時代、でかけ先でパスワードを聞かれることも多いです。パソコン・スマホ両方使えるパスワード管理だと非常に使いやすいでしょう。

充電場所の確保

意外と忘れがちなのが充電場所の確保です。

充電に関しては、いざ授業で使おうと思ったら充電切れてしまっている…なんてこともあります。

学校は複数人になると思うので、基本的にクラスの入り口のところ、ロッカータイプの充電器を取り付けるのが一番便利でしょう。

ICT機器を活用した授業を実施する時に重要なことは?

ICTとは?:授業中にうるさい、聞き分けのない子供たち


ICT機器を活用した授業は「すぐ使ってみよー!」ではなかなか上手くいきません。その辺りのコツも教えておきます。

コンピュータを本格的に使い始める前にルールを子どもたちと作り、特訓期間を設ける

コンピュータを操作するとなったら子供たちはワクワクするようで、はしゃぎます。

もちろん、それが授業の集中力として活かされればいいのですが、暴走して、授業にならなくなったというケースは少なくありません。

なので、使う前に先生が「話を聞く!」と言ったら、話を聞くモードになるように仕込んでおかなければなりません。

その仕込みに1学期まるまる使う学校もあるようなので、長めに特訓しましょう。

ちなみに迷惑な行為だから情報端末は何でもかんでも制限したり、ルールを大人が勝手に作って押さえつけたりは子供たちの成長がなくなってしまうので一番ダメです。

特訓し、一緒に考えることが後々の学年になった時でも守れるルールになります。

使い方のポイント

iOSもAndroidも操作にちょっとだけ制限を設ける方法があります。特にiOSはアクセシビリティを使えば、機能制限ができます。この辺りは子どもたちと一緒にルールを作り上げていきましょう。

ソルティー

一緒にルールを作る1学期!みたいなテスト運用期間をクラスで設けると良いかと思います。

教育委員会・校長・学校運営協議会は教員の「使いやすい」を重視して話を聞く

教員がとにかく「使いやすい」と感じてもらえていなければ使いません。(使いにくいと感じたらホコリかぶるだけの置物になります)

なので、現場の声はとにかく話を聞いて改善してあげるようにしてください。その役目は校長先生、教育委員会・学校運営協議会です。

さきほどの導入の部分もそうですが、現場の教員の声を参考に、専門家の意見と照らし合わせてちょうど間になるようにすると非常に良い結果を生みやすいと思います。

ソルティー

専門家は実は学校現場のことを良く知らないので、専門家だけの声を聞いて作るのはNG。現場の声も合わせるのが大切です。

ICT機器はあくまで文具・道具(モノ)と割り切ること

ICT機器を活用した教育を使い始めると、授業の柱がICT機器を活用した教育で染まりがちです。そうではなく、板書をすることや、教科書・文房具など、さまざまな文具・道具と同じ系列だと思ってください。

学習指導要領の目的を達成するのに一番最適な道具であるかどうかが選ぶ基準となるでしょう。

ソルティー

情報機器ではなく文具…この意識を教員自身が変えることが大事なポイントです!

教員が新しいことを学ぶ意識になること

使いやすい環境になってきたら、教員もどんどん触ってください。

「壊したらどうしよう」と悩む方がいらっしゃいますが、壊すくらい使ってください

そのくらい利用して初めて授業で使えるレベルにまで上がっていきます。じゃないと覚えられないんです。

新しいことなので、失敗するのも当たり前です。

恐れず使っていくことによって、どんどん教員自身のICT機器を活用するスキルが上昇していきますし、一人やると「私も!」というように使う声が増えてきます。

教育委員会や、校長も大目に見るような意識を持っていかないと、どんどんホコリをかぶって使われない端末になります。注意してください。

必要であれば子供たちから学ぶこと

教員がどうしても「情報は苦手!」という分からない方ばかりだったら、児童・生徒たちを使って教員向けのマニュアルを作らせてみてください。

これが子供たち自身のICT活用能力向上として学びにつながりますし、結構1から10まで事細かに動画を作ってくれたりします。

何より、その困っている先生が分かりやすいように作ってくれるので、理解しやすいのです。

教員としても分かりやすいマニュアルができるので、オススメの方法です。

子供にマニュアルを作ってもらう時のポイント
  • 教員自身ができない、分からないと認めること
    じゃないと子どもたちが作れる隙がないです。
  • 子どもたちに役割を与えること
    「君は○○隊長!」みたいに任命する制度があると良いと思います。

茨城県古河市のICT導入についてインタビューしてみました。事例を知っておけばヒントがあるかもしれません。ぜひ見てください。

大事なことはICT活用は失敗を恐れずどんどんチャレンジすること

情報端末の導入から、活用方法までをおさらいしてみましょう。

ICT活用の大事なポイント
  • 導入は専門家だけで作らず現場の声を聞いて計画を作る
  • 『管理しやすい』よりも『使いやすい』を重視する
  • ルールは子どもたちと作る
  • ルールが浸透するまでには一定の期間が必要であることを理解する
  • 情報端末は文具であるという認識に変える
  • 壊すくらい毎日使っていい。そうして少しずつチャレンジする

ICT機器を導入していくのはハードルが高いと感じている学校はまだ多いかもしれませんが、プログラミング教育が始まりますので、道具は多いほうが良いです。

「新しい変化についていくのは大変…。」と思うかもしれませんが、時代の変化は待ってくれません。

立ち止まることは退化だと自覚し、常に自分自身を高く成長していってください!