こんばんは!
教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。
普段は私立の中高教員をしており、毎日ブログを書いております。
よろしければ、ご覧ください。
いま、私たちがこの難しい時代に
旅をしていく子どもたちに、
彼らを助けるツールを贈れるとしたら、
果たして何だと思いますか?
これは最近よく書店などでも目にする、『21世紀の教育』の表紙に裏に記載されている文言です。
皆さんは何を思いましたか?
✨SELという新しい視点
この本では、SELについてを重点的に勧めています。
SELとはSocial & Emotional Learningの略です。
日本語訳をすると、社会的・情動的学習といったところになります。
自分の存在を認め、他者からの視点を理解し、社会の中の一員である自分を認識する。
そして、その社会をどのように変えていくのか、変える部分があるのかを考えていく力を養う。
これがSELです。
SELの良さや実践は多く掲載されています。
そのところどころで納得できる部分もあれば、新鮮さを感じる部分もあります。
一方で日本に従前からある道徳教育との線引きは難しいところです。
新しいもの、ヨコ文字のものをついつい私たちは、いいものとして導入することを目的としていってしまいますが、これまであったいいものと、このSELをどのように足し合わせていくのか。
そこがこれからの課題となると思います。
🏙新たな視点から教育を見定めていく
それこそ、SELという言葉が日本の中でもよくささやかれるようになったのも、新指導要領の”探究”が導入されるようになってからでしょう。
この”探究”をより良いものに!と考えたときに、諸外国や国内での成功体験を見ていると、このSELを導入しているような学校が多くあった。
そんなところです。
ですから、今からでも遅くはないはずです。
むしろ、遅いというのはあり得ないのかもしれません。
教育について考えているのは今に始まったことではありません。
何なら、このSELのような考え方はだいぶ前よりさまざまな研究者が別の名前で研究し続けているのです。
しかし、今の私たちが教室をより良いものにしたいと思ったときに、真っ先にそういった研究過程を見るかと言われると怪しいところがあります。
それよりもいま、なにをしたら改善されるのかと新しいものを取り入れることに視野がふさがってしまうのではないでしょうか。
悪いことではありません。
だからこそ、新しいものはその分過去の成功やうまくいった構造をそのまま踏襲して、いまあるはずですから。
すべてを受け入れるというよりかは、その視点を自分の教育に取り入れていくというのが大事になってくるでしょう。
🎁あなたは何を渡しますか?
さて、最初の質問にもどりましょう。
いま、私たちがこの難しい時代に
旅をしていく子どもたちに、
彼らを助けるツールを贈れるとしたら、
果たして何だと思いますか?
私であれば、自分の磨き方や物事の捉え方だと思います。
真っ先に教科学習が頭に浮かばなかったのは、そういったことを理科の授業を通して伝えていくという、理科の授業を手段として捉えているからこそなのかと思います。
自分自身がもし学生だとしたら、子どもだとしたら、将来に役立つ、自分自身が成長していると思える力が欲しいなと感じます。
人によっては全く異なるかもしれません。
中には、完全に理科の知識を教授していくことこそが、大事だと思われる人もいるかもしれません。
「そもそも渡す必要はない、気づいてもらうだけだ」という考え方もあるかもしれません。
大切なのはそういった想いを持ち続けて生徒や子どもと向き合い続けること。
皆さんは、何を渡していきますか?