こんばんは!
教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。
普段は私立の中高教員をしており、毎日ブログを書いております。
よろしければ、ご覧ください。
みなさんは教育格差を感じたことがありますでしょうか?
先日このような記事が出ていました。
幼児期の教育・家庭環境、将来の学力・年収にどう影響?…文科省が追跡調査へ
つい最近、私も有名な著書『教育格差』を読みましたので、今日は教育格差について考えていきます。
⌚そもそもの現状
そもそも日本社会において、子どもの現状から追跡して長期的に職業や収入まで調べるような調査は今のところありません。
有名な調査方法であれば全国学力・学習状況調査がありますが、地区をあげての対策をしたり、そのために体験活動の時間を削減したりと、あの調査法もさまざまな問題点を含んでいます。
そもそもの学力の定義が定かになっていないというのも大きな問題の一つです。
この調査に対しての結果の整理や問題の対策などを提示してくれている国立教育政策研究所でさえも、この調査の中で使われる学力の定義を示してくれていません。
このように私たちは、そもそも差が開いてしまっていると思っている学力という抽象的な概念にすら明確な輪郭をもてていないのです。
しかし、明らかにある格差は幼少期から自然と縮まっていく事実は滅多になく、そのままの差で差が埋まらずに時は流れていくのです。
極端に言えば、まるで生まれた家庭によって自分の未来が決定しているかのように。
🔎でもだからこそ明確化を
しかし、だからこそたとえ遅れてでもこういった調査が始まるのは日本の教育界にとっても大きな一歩になるのではないでしょうか。
これまで日本で家庭における調査をする際には、習い事の利用率や家庭内にある著書の数など物質的な測定しかできていませんでした。
そういった家庭の環境の調査も含めているのですから、家庭環境と生徒の学力、そして成長との因果関係が顕著に視覚化される非常に有益な調査だと感じています。
対象人数は少し全国学力・学習状況調査のようにただお金の消費に繋がらないか心配な部分ではありますが、もしかしたら100年近く変化のなかった旧態依然の学校現場を変える一助になるのかも知れません。
📃結果を受けて、何を変えるか変えぬか
と、ここまできて疑問に思われた方もいるかも知れません。
果たしてこの結果を受けて、何を変えるのでしょうか。
はたまた、何を変えないのでしょうか。
そして、どこが変えるのでしょうか?
学校?社会?国?
確かに有益な調査であるのは間違いないですが、これをどう生かしていくのかまでをある程度考えていなければ、ただただ問題を露呈して終わる調査になってしまいます。
なんとなく肌で感じる微妙な格差社会。
公正であるはずの義務教育が生まれという格差のせいで、公正の顔をした平等になってしまうのは良くありません。
この調査の結果が出るのはまだまだ先でしょうが、その時の教育が楽しみですね。