こんばんは。

教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

普段は私立の中高教員をしており、個人でもブログを書いております。

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文部科学省からNHKに対して送られた抗議文が話題になっています。

NHKの報道の中にあった「定額働かせ放題」というワードに対して文部科学省が「誠に遺憾」と反応しています。

皆さんはどのように思いますか?

💰そもそも給特法とは?

給特法とは学校の教員という特殊な働き方をしている職種だからこその法律です。

簡単に言うと残業代を出せない(させない)代わりに給与の数%を上乗せするというものです。

今回はその4%が10%になったというものです。


これだけを聞けば、なぜ定額働かせ放題という言葉が出てくるのか、疑問に思う人もいるかと思います。

これは給与に上乗せしてもらえるという部分だけを解釈すればプラスなのですが、結局のところ仕事をいくらしたとしてもそれ以上にお金は出ないということにつながるわけです。

「じゃあ、仕事をしなければいいじゃないか」というのが正解で、その分残業をしないようにという名目でできた枠組みではあるのですが、実際の教員の働き方を見て見ると残業と認められない残業が多くあり、結局のところそれは定額働かせ放題だという考え方が生まれてしまうわけです。

残業と認められない残業は学校によっても異なるのですが、授業準備や教室整備など教員として重要になってくる仕事にかかる時間は以外にも残業として認められないことが多いのです。

🏫遺憾であっても学校の感触は

私自身はこの「定額働かせ放題」という言葉、結構しっくりと納得してしまっている部分があります(笑)。

そしてもっと言うと、働かせ放題でもあるし働き放題でもあると言えるのです。

教員の仕事というのは具体的に明示されていることも少なく、全員が分かっていない仕事が多くある時もあります。

特に私立学校はその傾向が強くあります。

決められた仕事を決められた量だけやるというわけでもないので、いくらでも働けてしまうわけです。

例えば、授業準備を1日分終えて自転車操業で1年間回していく人もいれば、1学期に死に物狂いで教科研究をして、1年分終わらせてしまうという人もいるわけです。

自分の中で仕事のやるやらないを決められるというメリット?もあるわけです。

表現としてはこの“定額働かせ放題”は的を射ているとは思いますが、本来の目的やなぜ給特法ができたのかという背景については、この抗議文の中にもある通りしっかりと教員一人一人が理解しておく必要があるのかもしれません。

👔仕事の在り方と持続可能性を探って

私自身組合の委員長として2年間勤めた経験もあり、働き方などの法規関係にはある程度勉強をさせてもらいました。

学校の教員にあっている働き方等ないのかなというのが正直な感想です。

だからこそ、先生が自分の人生を犠牲にすることなく、次世代の教育に真剣に向き合えるような環境を作っていく必要があると思います。

そのために必要なのは、現場からの愚痴ではなく声なのではないでしょうか。

定額働かせ放題という言葉は、非常に辛い教員としての自分自身の立場を感情を優位に出てきた言葉のようにも感じます。

でも、例えば教員の仕事をリスト化して点数化をしたり、仕事の割り振りについて考案したりと考えていけばもっとほかの方法が生まれるはずです。

現にこれまではあり得なかった部活動顧問をやらないという選択肢が生まれたり、担任制度をなくして担任業務の負担を分担するという学校も増えてきています。

まだまだ制度整備は必要かもしれませんが、自分が考えてもどうにもならないから文句を言うというだけではなく、それぞれがより良い未来をイメージして考えていく必要があるのでしょう。