こんばんは。

教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

普段は私立の中高教員をしており、個人でもブログを書いております。

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毎年小学校6年生と中学3年生対象で行われている全国学力・学習状況調査。

あくまでもテストとは言わず調査です。

今年は国語、算数・数学が中心の調査で4月18日に行われました。

今日はこの全国学力・学習状況調査について考えていきます。

🧐今年の特徴は?

今年度は国語と算数・数学がメーンの調査となりました。

中学校の国語の正答率が過去最低になったようで、前年度と比較しても10%以上低下してしまっているようです。

特に読み取る力、言語能力の部分で低下が著しく教育現場としても何かしらの対策が必要になることが考えられます。

そのほかにも今回の調査では質問調査については全面的に全ての児童生徒にオンラインでの受験をしてもらったようです。

試験の難易度は毎年変動するので、単純に前年度との比較はできないかもしれませんが、スマホやタブレット利用時間による成績格差はデータから見ても明らかです。

1日にスマホを使う時間が30分以内の児童生徒と4時間以内の児童生徒とでは正答率に大きな差が出ています。

ただ、授業の中での利用率は年々上がってきており、今年度に関しては1日の中で利用する授業があると答える児童生徒が90%ほどいました。

もちろん主体的・対話的な学びにつながるような教育を重視していく必要がありますが、それとは別にこのICTの使われ方という点に関しても見て行った方がいいのかもしれません。

💻オンライン受験にも慣れが出始めている?

OECDのPISA調査では日本の教育環境もあって、オンラインでの受験に慣れているために他国に比べて成績が良くなったという見解が前回の調査ではありました。

確かにそれもあるのかもしれません。

教育現場で指導していても、英語や資格試験ののCBT方式での受験、Chromebookでの一括試験などオンライン上での試験方式が増えてきているように感じます。

今さら、ここにどれほど慣れてきているのかと言った調査をするまでもないのかもしれませんが、多くの児童生徒がオンライン上での試験にも抵抗感は無くなってきているのかもしれません。

一方で上にも記した通り、スマホの私的利用時間が増えれば増えるほど成績も落ちていることが見えます。

著書『スマホ脳』の中でも触れられていましたが、このような情報端末がある世界で学んできた児童生徒の今後の学力や社会的立場などの追跡調査が求められていくのかもしれません。

↩️評価ではなく調査だからこそ

全国学力テストと浸透してしまっているこの調査ですが、あくまでも正式名称は全国学力・学習状況調査です。

その目的はテストを行い、児童生徒の評価をすることではなく、この結果を生かして今後どのように児童生徒へと指導をしていくのかが大事になるのです。

しかし、これらの調査結果をもとに大きな方針を持って学校教育全体の在り方を変えていこう、もしくは進めていこうという流れは私が知る限りでは目にしたことがありません。

全国学力・学習状況調査は無償でどこかの団体が行なっているわけではありません。

文部科学省が主体となって行なっているわけですので、当然ですが多額の税金が使われています。

果たしてそれに見合うだけの調査であるのでしょうか。

毎年あまり変わらないような内容で、それによって教育効果が向上しているとも言い難い。

批判をするわけではありませんが、今後どのような形になっていくのか、していきたいのかをもう少し明確にしてもいいのかなと感じています。

みなさんはいかがでしょうか?