こんばんは。

教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

普段は私立の中高教員をしており、個人でもブログを書いております。

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先日出張で大阪へ行った時に神戸の先生から面白い話を聞きました。

すでに皆さんもご存知かもしれませんが、「神戸の地域クラブ活動」=「KOBE◆KATSU」(コベカツ)についてです。

神戸市中学校では2026年度より部活動を完全に地域へ移行するようです。

皆さんはどう思われますか?

部活動は歴史は戦前にまで遡ります。

欧米先進諸国からやってきた学問や技術と合わせてスポーツ文化も日本にやってきて、その受け入れ先として学校があったわけです。

元は自由選択の部活動と必修のクラブ活動という2つの項目があり、それが時代に合わせて統一化され部活動だけになったという流れです。

ざっくりですが、、、。

現在でも文部科学省からは、教科学習とは異なる人間形成の場であり、異年齢交流の場として重要な機会として周知されていますが、同時に教員の働き方改革の問題点にもなっています。

設置義務はないわけですから珍しくはありますが、部活動を設置していないような学校もたまにあります。

教育活動の一環として設けられているものの、義務付けられてはいないというなんとも不思議な中立の立場にあるのですが、これまで部活動ができてきた背景や今の学校における部活動の在り方に大きなメスを入れられなくなっているのでしょう。

冒頭のKOBE◆KATSUが動き出してしまうと、部活大好き先生、部活を生き甲斐にしている先生はどうなってしまうのでしょうか。

なんとこのKOBE◆KATSU、面白いのが地域と連携、委託と言って入るのですが、自校の教員を外部の指導員として迎え入れた上での部活動は認めるようなのです。

つまり、学校が主導で動く活動ではなくなるものの、実際に運営するのは教員に任せることもできるというもの。

これは確かに部活大好き先生からしたら願ってもいない話でしょう。

お互いに利害が一致している関係とも言えます。

ただ、ここで不安材料として考えられるのが、普段の学校教育との連携です。

一昔前は部活動で縛っていなければ悪さをするという口実から全員部活動加入なんてのもありました。

今でもある学校はあるようです。

これはこれで、部活動での戦績を職員間で共有したり、賞状を授与したりと生徒の肯定感を養う大事な場であったようにも感じます。

確かに部活動は教員の働き方にとってはマイナスかもしれませんが、このような教育的効果をどこまで担保できるのかも問題になっていくのではないでしょうか。

果たしてこの地域移行は高等学校、そして全国の学校へと広がっていくのでしょうか。

実際に動き出してみないとどうなっていくのかは分かりませんが、いい方向に動けば学校現場に教員が負担を抱えながら顧問をするといったことは無くなっていくのかもしれません。

これまで身を削って部活動をしていた分の働き方が緩和されるのは大いに賛成です。

ただ、大きな視点で見ると教員の働き方改革の在り方も考えていかなければならないように思います。

今現在、教員のなり手が少ない、離職率が高いといったことは問題視されていますが、負担軽減だけでその問題は解決してくのでしょうか。

また、解決したとしてそれが本当に教育をよくしていくことに繋がっていくのでしょうか。

新しくできた時間やゆとりを研究に充てて教員としてのスキルアップも求めていく必要があるように感じています。

皆さんはどのようにお考えでしょうか?