こんばんは。

教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。

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現在は設置認可申請中ではありますが、公益財団法人日本財団と株式会社ドワンゴが提携して新しく創るZEN大学という通信制の大学が話題に挙がっています。

皆さまはこのZEN大学についてどのように考えますでしょうか?

数年前に高校卒業時の大学への進学率が50%を超えてから、今もその状況が続いています。

高校を卒業した2人に1人は大学へと進学しているということです。

さらには専門学校と短大などを含めた進学率は80%を超えており、ほとんどの人が高校を卒業しても次の学びへと歩みを進めていることが分かります。

一時期、進学の意味を問うようなネットニュースも挙がっていました。

確かに、高校卒業生のほとんどが次の高等教育に進学ができるというのは、国としても非常に恵まれている環境であるという証明になっているのかもしれません。

しかし、やはり中には将来の目標が定まっているわけではなく、周りが進学するからという理由だけで大学へと進学を決めるような学生もたくさんいます。

確かに大学卒という博は就職のときに一種の区別基準になるかもしれませんが、少子化が続く現代、まだまだ売り手市場であることは間違いありません。

その中でわざわざ4年間かけて大学へと進学するメリットはこの先も担保されるのでしょうか?

一方でそのような大学生を受け入れる企業側が求める人材はここ数年、あまり変わっていません。

さまざまなアンケート方式でネットニュースにも挙がってきていますが、よく見るのは「コミュニケーション能力」と「やる気」、「意欲」。

もちろん、「基礎学力」についても、必要な能力として挙げている企業は多くありますが、「基礎学力」だけの学生を取りたいというところは非常に少ないようです。

つまり、大学に進学しているのなら、そこで学んだある程度の学力はもちろんのこと、自分自身が何をしたいのか、何を実現したいのか、誰と実現したいのかといった明確な目標を持っていることを求めているわけです。

最近では、卒業と同時に実践的な技術を持っていて、ある程度将来像も見えている高専卒業生を積極的に採用する企業も増えているようです。

そういった中でも大学に進んでいくという選択をする学生たちに必要なのは、自分の将来をとことん考えつくすという時間なのではないかと思ってしまいます。

ZEN大学は通信制の大学で、学費も私立大学や国公立大学といった通信ではない、他大学と比較しても非常に安価なものになっています。

それでいて学べる内容は明確に、そして通信ではなかなか珍しい内容を学べると記載されているわけです。

こうなってくれば、学びたいことが明確になっており、やりたいことが見えている人であればより多くの時間を捻出できる通信制の大学を選択する人も多くなるはずです。

つまり、大学での学びだけで毎日が過ぎていくのではなく、より早い段階からと実生活と学業との結びつきが簡単にできるようになるわけです。

就学しながら就職のための力を、就学しながら生きるための力をつけていく。

今では、学部学科が限られているのでこの大学を志望する人も少ないかもしれませんが、これから先はこういった大学が増えて、コスパタイパを重視した学生が増えるのかもしれません。

もしくは、高校指導要領の主体的対話的で深い学びの文化が醸成されていって、リアル対話に重きが置かれるようになるか。

これからの大学での学びも変化が必用なのかもしれません。