こんばんは。
教員支援ネットワーク T-KNITのいがぐりです。
普段は私立の中高教員をしており、個人でもブログを書いております。
よろしければ、ご覧ください。
宿題の廃止については数年前から複数の学校の実践例として目にすることが多くなってきました。
皆さんは宿題に対してどのような印象をお持ちでしょうか?
📢出ては来る不安の声
当然、宿題を廃止するという選択をすれば、「学力が下がるのではないか」という声や、「学習習慣が身に付かなかくなるのではないか」という声は出てきます。
やらなければならない課題が、やらなくてもいいものに変わるわけですから、変えた最初はほとんどの子どもが学習をしないという選択をすることでしょう。
物理的に確保させていた自宅学習の時間が無くなるわけですから、不安の声が出てくるのも当然です。
特に保護者の方からしてみれば、子どもが勉強をしている姿を見れるのは家庭のみ。
学校の勉強の姿は保護者会でもない限り確認できないので、本当に子どもは勉強しているのかどうかと不安になってしまうわけです。
小さい頃は勉強などしなくても、元気にしていればそれだけで御の字というように受け止めていたはずなのに、いつからか勉強をしないで大丈夫なのか?と子どもの将来を考えた思考に変わっていくわけです。
そんな保護者と対峙するのは現場の教員、担任陣なわけで、その不安は先生たちにも伝染していきます。
🏔量は確保、質は?
宿題を課せば子どもたちの学習を強制して、量を確保することはできるでしょう。
しかしそれでいいのでしょうか。
強制的にやらされているものを、そのままずっと続けられるとは思えません。
私たち大人や教育者は、子どもが学校に在籍しているときだけ学んでいる姿を望むでしょうか。
今は、幅広く多くの情報に囲まれた社会になっており、いつでも学び直しのできる時代です。
リスキリングや学び直し、生涯学習といった言葉が、ちらほらと世の中に見えるようになってきている現在、大人になったときに学び方を知らない子どもたちは路頭に迷ってしまうこともあるのかもしれません。
宿題は学習の量を担保してくれるかもしれませんが、個々の適性に合った質や学習意欲といったものを担保してくれるものではありません。
子どもたちに習慣化してもらった方がいいのは、自ら必要なものを選択して学習をしていく自走する力なのではないでしょうか。
👐大切なのは理解と協力
ただ、必ずしも宿題がだめと言っているわけではありません。
大人になって仕事をするようになれば、期限というものが定められます。
時には残業をして、または自主的にスキルを磨いて職業に生かす必要があるときだってあります。
大人の宿題ともいえるかもしれません。
ただ、大人には選択の余地があります。
やるもやらぬも自分次第。
これが大きな差になってくるのではないでしょうか。
宿題を完全になしにするというのには、反発的な声をたくさん上がると思います。
保護者の不安、先生の不安、先生の教育観の転換、、、。
どんなことでもそうですが、こういった教育を変えていくという時には、そこに関わる全員の理解と協力が必要になるのは言うまでもありません。
皆さんはどのように考えられますか?