「コミュニティ・スクールを設置したい…」
「コミュニティ・スクールってどう進めたらいいの?」
「地域(もしくは学校)が積極的でない」
そんな悩みはどこの学校でもある悩みで、どのように進めるべきかは地域・学校ごとに違います。
そんな問題を解決するのがコミュニティ・スクール推進員です。
「コミュニティ・スクール推進員?」
「どうやって呼ぶの!?」
「効果でるの?」
そんな疑問を持った方に向けて、この記事ではコミュニティ・スクール推進員について本音で詳しく解説していきます。
詳細はコミュニティ・スクールとは何なのかを分かりやすく解説!に詳しくまとめてあるので、分からなければ読んでおきましょう。
コミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)とは
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)については、「地方教育行政の組織及び運営関する法律」が一部改正(平成29年4月1日施行)され、学校運営協議会の役割見直しやそ設置努力義務化等についての規定が整備されました。
文部科学省としても、全ての公立学校がコミュニティ・スクールとなることを目指し、導入しようとする教育委員会や学校等に対してきめ細かな支援や助言を行うコミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)の派遣を行う仕組みを導入しています。
コミュニティ・スクール推進員は、コミュニティ・スクールの導入や実践経験を有する元校長や教育長、学校運営協議会会長等に委嘱しております。
出典:文部科学省 – コミュニティ・スクール推進員
コミュニティ・スクール推進員は設置や、役割の見直しなどのコミュニティ・スクール専門のアドバイザーです。導入と、実戦経験豊富な方、学校運営協議会会長が文部科学省からお願いされている方々です。
その他の細かな詳細はこんな感じとなっています。
項目 | 内容 |
---|---|
趣旨 | コミュニティ・スクール未導入または導入して間もない教育委員会や学校関係者等に対して派遣することをもって、推進体制の構築や取組の充実を図る |
仕事 | 教育委員会や学校関係者等に対する継続的な助言及び支援、その他地域とともにある学校づくりの促進に向けて必要なことを行う |
委嘱 | コミュニティ・スクールの推進やその普及啓発に係る実績を有し、任務を積極的かつ継続的に行う意思を有する者 |
遵守事項 |
|
アドバイスする | 辞任の申し出があった場合のほか、解嘱に相当する事由が認められる場合は解嘱する |
報酬 | 文部科学省が旅費及び謝金を支給 ※文部科学省からの派遣の場合 |
任期 | 委嘱の日から委嘱の日の属する年度の末日まで(半年間程度) |
ちなみにCSマイスターは他の会社でも使われている略称なので、「CSマイスター」で検索すると違う制度も出てくるので注意しましょう。
役割について
コミュニティ・スクール推進員の役割はスポット的に研修を行って、アドバイスを行うパターンが多いようです。
呼ぶ人のコミュニティ・スクール推進員の知識や、経験をどのように活かすかが重要な気がします。
人数について
2019年(令和元年)度ではコミュニティ・スクール推進員は32名。
コミュニティ・スクール推進員は小学校関係・行政関係・中学校関係・地域協同活動の順に多いようですね。アドバイスをもらうなら小学校は重宝しそうですね。
コミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)を呼ぶメリット
コミュニティ・スクールを設置したい!と思ったら呼ぶメリットは非常に大きいと思います。コミュニティ・スクールのデメリットでも書いてあるようなことを最初は分からないし、乗り越え方もなかなか考えつきません。
なぜかというと、コミュニティ・スクールって本当に長期スパンで考えなければいけない取り組みで、最初は特に戸惑います。
(コミュニティ・スクール推進員ではないですが)僕が関わらせていただいている学校では、コミュニティ・スクールの設置で学校側と教育委員会が揉めたりしました。
教育委員会、学校、地域…価値観や、視点が違うというさまざまな人達と手を取り合いながら未来の教育を考えるというのは本当に一筋縄ではいかないのです。
このような課題を研修で周知したり、どのように進めていくべきか?を教えてくれるのはありがたい存在かなと思います。
ただし、コミュニティ・スクールを進めるのはあくまでも自分たちである点を忘れないようにしましょう。
コミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)って呼んだら本当に効果あるの?
コミュニティ・スクール推進員を呼んだら効果があるか?というと、どのような効果を期待するかによると思います。
全てがうまくいくようにアドバイスをください!と思っていたら絶対にうまく行かないです。なぜなら、それはコミュニティ・スクール推進員の役割や、目的と逸れているからです。
そもそもこのような考え方を持っているとコミュニティ・スクールが効果ない!という結果に陥りやすいです。
一番うまく行くのはコミュニティ・スクールの認知と必要性をみんなに伝えたい!という場合です。これは富山県富山市の堀川中学校のCSマイスターを呼んで講演を行った報告からも分かります。
ただし、この講演の仕方に課題があるのか、聞く側の意識や、積極性の問題なのかは分かりませんが、負担感や、難しいと感じるケースもあるようです。
正直に言うと、コミュニティ・スクールは大変な取り組みで負担を感じることも少なくないでしょう。しかし、コミュニティ・スクールが本格的に進み始めると、地域が協力的になったり、新しい教育がやりやすくなったり、教員の働き方改革が進んで負担感が減ったりします。
詳しくはコミュニティ・スクールのメリットをご覧ください。
コミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)の事例はある?
文部科学省にコミュニティ・スクール推進員が関わった事例が掲載されています。
全て一通り目を通しましたが、共通していることは地域と共同ビジョンを創っている点と、地域と学校や、各組織の課題の把握と、連携を図るコーディネーターを創る点(たまにプレゼンからは見えないけど、内容を見るにそういう人がいると思われる)でしょうか。
他にもコミュニティ・スクールの設置率が高い県では活用率が高いです。
詳しくはコミュニティ・スクールの設置状況・設置率をご覧ください。
コミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)の呼び方
コミュニティ・スクール推進員を呼ぶ方法は派遣要件と申し込み期間がある点に注意して、申し込みフォームから派遣要請します。
派遣の方法には文部科学省から派遣する場合と、教育委員会から派遣する場合の2パターンがあります。
内容 | 文部科学省で派遣する場合 | 教育委員会で派遣する場合 |
---|---|---|
指名 | できない | できる |
報酬・旅費 | 文部科学省負担 | 教育委員会負担 ※文部科学省は一切負担しない |
条件 | コミュニティ・スクール未設置・設置済み | コミュニティ・スクール設置済み |
目的 | コミュニティ・スクールを設置したい、発展させたいなど | 導入済みのコミュニティ・スクールをより発展させたい |
その他 | 県や、市が実施し、広域から参加者が見込まれ、100名以上の参加を見込んでいるなら派遣可能 | なし |
推進員を呼ぶ際の注意点
コミュニティ・スクール推進員は基本的に受付期間中に申し込みをし、派遣期間中に派遣をしてもらいます。
申し込み自体は誰でもできるようになっているのですが、主体は教育委員会でなければなりません。
また、推進員を呼んだあとは事例として使われることもあり、アンケートを答えなければなりません。
コミュニティ・スクールを設置したばかりの時はコミュニティ・スクール推進員は大きな支えになるかなと思うので、ドンドン使ってみましょう。