コーチングとカウンセリングの違い

ソルティー
ソルティー

さっき相談に乗るって言ってたと思うんですけど、相談に乗る職業っていうか手法としてもうひとつカウンセリングってあると思うんですけどこれと違いって何なんですか?

原さん

僕はそんなに明確に分けてるってわけじゃないんですけど、一般的に言うとコーチとカウンセリングの違いは何かというとカウンセリングはどちらかというともう悩んじゃってどうしたらいいのかわからなくなっている状態を引っ張り上げてくれる
マイナスからゼロに上げてあげる関わり方をカウンセリングって言ってる人は多いかなと思います。悩みの解決ですね。

僕らコーチはもちろんそこもやるんですけどもそれよりも、0になった状態でさらにこの先どうやってどこに行きたいのかという、どちらかというとプラス面での一緒に見つけてで叶えるお手伝いをしていくっていうのが一般的に言われてるコーチの役割かなと。

ソルティー
ソルティー

なるほど。

そんなに明確な違いはないけど、マイナスからのアプローチなのかプラスへのアプローチなのかによって、手法ややり方、考え方とか価値観がちょっと変わってくるね。

原さん

ですね。

ただ僕は分けてないんです。
というのはアドラー心理学っていう心理学から人間の心理学をベースにしているので、もともとアドラーはカウンセラーなんですよね。

今で言うとコーチって言われてるような考え方を持ってるのがアドラーなんですけども。なのでカウンセリングもするしコーチングもやるしみたいな。
本当に明確な線引きをせずに僕らはマイナス面でもプラス面もサポートしていくっていう関わり方をしています。

ソルティー
ソルティー

結局はその人がやりたい方向に行けるっていう誘ってあげられれば問題ないっていうところですね。

原さん

そうですね。本当に「人生トータルでサポートしますよ」って感じですね。
いい時もよくないなって思うときも共にやろうねっていう。

コーチングとティーチングの違い

ソルティー
ソルティー

なるほどね。

もうひとつあるんですけど、僕らが学校の先生に対してアプローチをすることが多いので、そのときに学校の先生がよく使う技術を教える『ティーチング』っていうんです。
そのティーチングとコーチングの違いってどこに一番違いが出るんでしょうか?

原さん

そうですよね。いわゆるティーチングっていうのは教える技術かなと思っていて。コーチングは引き出す技術って呼ばれてますね。

先生たちって勉強のやり方を教えてあげて、それでわかってもらえるってのがやっぱり大事な仕事だと思うし、僕らは「そもそも何のためにやってるのか?」だったりとか「これはどうなりたいと思っているのか?」っていうのを引き出した上で、アドバイスしたり一緒に考えていくことをやったりしてるんですね。

どっちも大事なことかなと思っています。
「単純にやり方だけ教えてほしい」っていう人もいるし、そもそも何をやってるのかってのがわからないから、そこが明確になった上でやったらもっと教えられたことへの吸収度がぐんと上がるってこともあると思うんです。 

なのでどっちがいい悪いとかじゃなくて両方を両輪のような形で進んでいけるのが、相乗効果を生んでいいんじゃないかなって思ったりしてるんですよね。

ソルティー
ソルティー

なるほど。教えるだけじゃなくて引き出していかないと。
子どもの望んでいる場所への行き先が結局最短のスピードというかその子にとって最適なスピードで進んで行かないとっていうところもあるんですね。

原さん

特に今の時代だとアクティブラーニングとか答えがない問題に対して一緒に考えていくみたいなところが結構多くなってきてるんじゃないかなと思うんですよね。

そのときにこうだよああだよだけだと、どうしても子どもたちだと答えが出てこなかったりするかなと思っています。

そこで子どもたちがどんな考えを持っているのかだったり、何を大事にしてるのかなところをファシリテーションしながらサポートしていけるっていう、コーチング的なスキルってのもすごい大切なんじゃないかなって思ってます。

叱るときに気を付ける点

叱ることの良し悪しより叱ったあとがポイント

ソルティー
ソルティー

なるほどね。教育をする上で本の内容にも通じると思うんですけど、教師って叱ることが多いと思うんです。
「こうしなさい」「あれやっちゃだめ」「そうしちゃダメ」「これがいいと思う」みたいにどんどん言うみたいな。

さっきで言うと「いやそっちじゃダメこっちに行きなさい」みたいなのが突然小学校から始まり中学校でビシバシ来る。
高校で洗脳がたっぷり済んでいて大学になるともう全然もう何も考えられないみたいな状態に陥るみたいなものだと思うんです。

これってコーチングを使うと『導く』イメージが僕の中にはあるんです。 
叱らない教育、どうしても叱るというかなんだろうがその子の可能性を閉ざしていくような「あっちがいいよ、あっちあっち」みたいな感じの誘うっていうよりは悪い方向に誘うっていう感じがします。

原さん

僕は叱るっていうこと自体が良い悪いってあんまり思ってなくて、叱るってこと自体がエネルギーがいることだし、子どもたちのことを真剣に考えているからこそ、叱るってことをやったりとか、そういうのも多いんじゃないかなって思うんですよね。

もちろん、学校の決まりだからとか自分の体裁を守るために叱るっていう先生もいるかもしれないですけど、やっぱり叱るってこと自体は良い悪いってあんまり捉えてないですね。
大事なのは、叱ることによって子どもたちに何を気づいてほしいかだったりとか、何を感じてほしいかとかその先のことかなって感じています。

叱るという行為自体は伝え方の一部でしかないんじゃないかなって思ってるんです。
なので、「自分は本当はどういうことかをわかってもらいたい。だから叱る」っていう選択肢をとってるだったりとか、もっと違う伝え方っていうところがあるんじゃないかって考えてみるのはすごくいいことなんじゃないかなと僕は思っています。

で、叱る叱らないではなく、大事なのは『何を届けていきたいと思っているのか』っていう自分の軸というか教育ポリシーを自分でしっかりと握っていることが大事なんじゃないかなって思うんです。

叱るんじゃなくて一緒に考えるっていうスタンスをとったほうが、この子には伝わるんじゃないかっていうところはいろいろあるんじゃないかなって思いますね。

ソルティー
ソルティー

なるほど。自分の中のポリシーがとっても大事で、そこから見えるこの手法をとろうということが変わるだけってことですね。

原さん

と思いますね。

叱ったときに子どもはどうなっているか?

ソルティー
ソルティー

「どうしても叱っちゃうんだ」っていう人がいると思うんですけど、自分のストレス発散に近いかもしれないんですけど、「どうしても言わなくちゃダメだ!言わなくちゃ伝わらない」「叱るしかない」ってずっと叱り続けているような人がいると思うんですけど、そうしたときに自分が見えてない視点だと思うんですよ。

見えてないからそれしかいないと思ってずっと言い続けてると思うんですけど、そんな人が気をつけるべき点ってどんなところがあると思いますか?

原さん

そうですね。まず叱り続けて「子どもたちがどんな風になってるのか?」っていうのを一回俯瞰してみてもらいたいと思うんですね。
叱り続けることで子どもたちが、心乱してるだったりとか萎縮しちゃってるだったりとか、逆に反発していたら、何か変えた方がいいんだと思います。

子どもたちは、ルーティーンのような感じになっちゃってると思っていて、先生が叱る=「あ、こうしときゃいいや」ってみたいな感じになっちゃってることもあるかもしれない。いつもと同じリズムでやってると変わらない。

だから子どもたちを変えようとするところから自分の関わり方だったりあり方の何かを変えてみようってすること。

例えば、いつも叱っちゃうところを今日はぐっと我慢して、にっこり笑顔で話をしてみるなどする。
そうすると子どもたちの中で「あれ先生なんかいつもと違うな」「どうしたんだろう?逆に怖い」みたいな心の動きが出てくるんですよね。

子どもたちを変えようとする前に、「自分がどう変わるか」「変わったことで子どもたちの反応がどうなったか」を仮説検証をしていけるといいんじゃないかなと思うんです。
あとは、つい自分の心の中に余裕がないとイライラしたりとか、焦ったりとか、ムカムカしちゃったりしちゃうのが人間だと思うんですよね。

これはしょうがないことだと思うので、そういうことが見えているとしたら先生自身が「いかに自分の心に余裕をもたせるか」を考えていくのが大事かなって思ってます。
ふだん先生方は時間がいっぱいいっぱいの中、本当によくたくさん頑張ってるなって思っています。

そのことをちゃんと理解してくれる人がまわりにいたり、自分が好きだと思っていることをやってみるだったり、趣味を通して心に余裕をもって、ちょっといい心の状態で人と関わっていった方が、余裕をもって授業を進めることができるんじゃないかなって思っています。

子どもが反発・萎縮してる状態のときに必要なこと

ソルティー
ソルティー

なるほど。もう一点、先生たちも洗脳が済んでる可能性が一点だけあって、さっき反発が出てきたなとか、萎縮しちゃってるなっていうお話が出てきましたが、そこにすら気づかない人がいます。

例えば、「みんな静かにしなさい!!」みたいなことをやって、「それが言われた人もできるようになるのが当たり前なのよ!」みたいに強く指導する。
で、指導したときに確かに何も授業中はぴしっと何も言わない状態になるんですけど、それ以外でも何にも言わないという状態に変わってしまうと思うんです。

その時に先生としては「あぁ、言うこと聞いた」ってなっちゃうんですよ。
でもその子達自身が、何も自分のことを発さなくなっているっていう状態に気づかないことがあって、そういう状態の時に何が必要だと思います?

原さん

多分、その感じが子どもたちにとっても先生たちにとっても当たり前って感じになっちゃってるんですよね。
今ぱっと思いつくのは、改めて先生たち自身が「自分がどういうクラスを本当は作りたいって思ってるのか」を見つめ返してみたりとか、「そもそもなんで自分は教師になろうと思ったのか?」という原点を思い返してみるっていうことですね。

たぶんそこの中に自分が学生のときに体験した何かいい体験だったりとか、「こういうクラスは嫌だった」っていう過去が忘れてるかもしれないけどもあるはずなんですよね。

自分が大切にしていることをブレないようにするのが大事なポイントだと思うんですけども、なかなか振り返る時間が持てないんですよね。

そこをどうにかしたいって考えていて、先生によっては両極端になっちゃう先生が多くって、放任するか管理をするかみたいな。たぶんその間もあるはずなんですよ。

放任でも管理でもなく 子どもたちが自発的に考えられて、先生も子どもたちも「あんな学校のクラスでよかったな」って思えるクラスが最高って思うんです。

そこをどういうクラスが最高かっていう子どもたちと先生たちと一緒に考えるっていうのがやっぱいいかなぁって思います。明確な答えになってないと思うんですけど。

ソルティー
ソルティー

改めて自分を振り返ってみるっていう気づきが持てる時間をまず作ることですよね。

作って気づいて過去を見渡して、その中で子どもたちと一緒にどういう学級を作るかクラスを作るかを話し合ってみんなで一緒につくろうよっていうことをやっていくと。

原さん

ですね。クラスビルディングってやつです。

コーチングでまずやっておいた方がいいテクニック

ソルティー
ソルティー

なるほどね。じゃあコーチングについて、最後の質問をするんですけど、ほとんどの学校の先生ってコーチングを知らないと思うんですよ。

コーチング自体とか、なんとなく言葉をしっているとかそのレベルだと思うんですけど、そうしたときにコーチングしたことないですって方でもまずここからやったほうがいいよっていうテクニックってありますか?

原さん

先生たちは「コーチングっていう新たな手法が出てきた」って思って、これは上手く子どもたちを動かすための手法ぐらいに思ってるんじゃないかなって 多いかもしれないですよね。

そのときに大事だと思うのは、子どもたちをコントロールしようとするんじゃなくって子どもたちがいい方向に向かうために自分のあり方だったりとか、あり方とやり方をいかに柔軟に変えていけるかが大事なんじゃないかなって思うんですよ。

その中でここからやれるといいなぁと思うのは、スキルじゃないかもしれないんですけど、先生は「自分たちは夢を叶えてきた人たちなんだ」ってことをもっと自覚するべきだと思うんです。

ソルティー
ソルティー

なるほど。

原さん

子どもたちっていうことを聞く大人ということを聞かない大人がいるんじゃないかなと思うんです。
だいたい有名な人とかサッカー選手とか、AKBだったりとかが来たら前のめりに話を聞きたいって思うはずなんですよね。

それってたぶんキラキラ輝いてかっこいいって思ったりとか、有名だからってこともあるかもしれないんだけども、たぶん夢を叶えてきた人っていうのが大きなポイントだと思うんです。

目の前にいてくれている先生が夢を叶えた人っていう認識はない。
いつも夢を叶えた人が目の前にいるんだったらほんとはもっと聞きたいことってあると思うんですよね。「どうやって夢叶えたの?」とか「なんで先生なろうと思ったの?」だったりとか。

そこからいろんなヒントが出てくるんじゃないかなと思うんですけども、先生たちも普段の業務がいっぱいいっぱいになっちゃうと自分がなんのために授業やってるのかや先生になったのかを忘れがち。

「そういえば自分って夢を叶えた人なんだ」ってことを自覚をした上で、夢を叶えてさらにこういうことを目指してるんだってさらに先の夢っていうところ、そういうところを目指して頑張ってるんだよってところを子どもたちにたくさん見せてあげてほしいです。

そうすることで子どもたちの中でも夢を持つことの大切さだったりとかコツコツと頑張っていくことで「夢は叶えられるんだ」「未来に希望が持てるんだ」って思える。
夢を叶えてもさらに楽しんで頑張ってる先生がいるってすごくいいお手本になると思うんですよね。

なので、「自分は夢を叶えた人なんだ」ってことを再認識するのがすごく大事だと思います。あとは子どもたちの夢とか人生の一番の信者でいてください。一番の味方でいてくださいってことがとても大切だと思いますね。

その子以上にその子の未来を考えてあげられる、その子以上にその子の可能性を信じてあげられる人、ほんとに心からそう思うだけでも接し方とかって変わってくると思うんです。

「教えてあげなきゃ」それはそうかもしれないけど「子どもたちの味方でいよう」って思うこと。それだけでも子どもたちの間では「先生って近い人だな」って感じてくれると思います。

ソルティー
ソルティー

なるほど。まずはじゃあ自分がどんなふうなことをやっていきたいかセルフコミュニケーションみたいなことを深めていって、その上で今いる目の前の子供達を心のそこから信頼して、信用してその夢を叶えるお手伝いをすることに向き合うってことですかね?

原さん

そこは、ピットインカードというものを使うとかなり簡単にコーチングをすることもできるので、おすすめです。

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