- 「生徒が授業に受け身になっている」
- 「もっと主体的に参加してほしい」
こうした悩みを抱える先生方がいる中で、最近韓国から「ZEP QUIZ」というAI学習ツールが日本に入ってきました。今年に入って兵庫県姫路市で導入され、今後日本で広まる期待もあります。
本記事では、ZEP QUIZを実際に使って調査し、機能・特徴、メリット・デメリット、そしてどんな先生におすすめできるのかを、わかりやすく解説していきます。
ZEP QUIZとは?
ZEP QUIZは、韓国発の2Dメタバースプラットフォーム「ZEP」が提供する、ゲーミフィケーション型のクイズ学習ツールです。アバターを操作しながらクイズに挑戦できる仕組みが特徴で、韓国では初のGoogle for Educationのビルドパートナーにも認定されています。
AI機能を使えば、トピックを入力するだけで自動的に問題を生成でき、教材のアップロードから設問を作成することも可能です。基本機能は無料で利用でき、より高度な機能を求める場合はBasic、Proといった有料プランも用意されています。
韓国の企業ということで韓国の教育現場では広まっており、韓国の学校の約7割で使われています。そこから最近日本へ進出、本格導入はこれからのようです。今年(2026年)の4月には兵庫県姫路市で日本の自治体学習プラットフォームにおいて初めて導入されました。今後日本での広まりにも期待されます。
エドテック企業のZEP Co.,LTD.(代表:キム・ウォンベ、キム・サンヨプ)は、日本の姫路市役所が運営する学習プラットフォームにおいて、同社のゲーミフィケーション型クイズサービス「ZEP QUIZ(ゼップ・クイズ)」が導入されたことを発表しました。
2026年4月初旬より運用が開始され、今回の導入はZEP QUIZが日本の自治体学習プラットフォームに導入された初の事例となります。
ZEP、姫路市の学習プラットフォームに「ZEP QUIZ」を導入 | ZEP Co.,LTD.のプレスリリース|PR TIMES
ZEP QUIZの機能・特徴
ZEP QUIZには、授業をより効果的にするための多彩な機能が搭載されています。
多種多様にアバターを作成
ZEP QUIZはメタバース形式を用いるため、各自でアバターを作る必要があります。

アバター作成にあたってはプランによる差はありません。また、問題を当てたり間違えたりすることで、アバターのレベル・見た目が変わります。アバターの進化を通じて達成度を測定することができ、見た目でも楽しめます。
AIによる問題の自動作成機能

まずAI問題自動生成機能です。トピックを入力するだけでAIが自動的に設問を作成してくれるほか、教材ファイルをアップロード、YouTube動画を参照するなどして、その内容に沿った問題を作成することも可能です。
次に多彩なマップとカスタマイズ可能なアバターにより、生徒はゲームのような感覚でクイズに取り組めます。

25種類以上の個性的なマップが用意されており、授業のテーマに合わせて選択できます。
LMS連携機能による学習進捗の把握

さらに、LMS連携機能により、生徒一人ひとりのクイズ進捗状況や正誤の詳細を教員が一目で把握できます。待機室に生徒を集める機能もあり、クラス全体の進行管理がしやすい設計になっています。回答形式はOX問題や選択式など、シンプルで取り組みやすい形式が中心となっているため、低学年から高学年まで幅広く活用しやすいのも特徴です。
料金プラン
| Free | Basic | Pro | |
|---|---|---|---|
| 月額 (早割適用・教師一人当たり) | $0 | $14.99/月 | $34.99/月 |
| 通常価格 | ― | $20/月 | $50/月 |
| 割引表示 | ― | 25%OFF | 30%OFF |
| 同時接続 | 最大200人 | 最大200人 | 最大200人 |
| 無料マップ | ○ | ○ | ○ |
| 基本マップ | × | ○ | ○ |
| すべてのマップ | × | × | ○ |
| 公開クイズ | ○ | ○ | ○ |
| プライベートクイズ | × | ○ | ○ |
| Zelly付与 | × | ○ | ○ |
| プレミアム問題タイプ | 数量限定 | 数量限定 | すべて |
| 進捗レポート | ― | ― | ○ |
| ワークシート保存 | × | × | ○ |
| 次のクイズへ | × | × | ○ |
| AIで問題追加 | × | ○ | ○ |
| AI問題翻訳 | × | × | ○ |
| 類似問題作成 | × | × | ○ |
| 選択肢・回答生成 | × | × | ○ |
無料でも問題作成やマップの使用などはできますが、特にマップにおいては無料では4種類ほどと使える種類に限りあります。無料プランで使用感を把握して、本格的な活用については有料プランにするのがオススメです。
実際に問題を作ってみた
マップを選択

まずは問題を解く場になるマップの選択。無料プランでは無料マップの4種類のみ、Basicプラン、Proプランになるにつれて使用できるマップの種類が増えます。
学校・学年・科目の設定

学校・学年は小学校~大学、科目もおおむね全科目に対応しています。この点はプランに関係なく選択できます。国語、数学、社会、科学(理科)、英語の主要5教科に加えて体育、音楽、その他として芸能やアニメなど幅広い教科・ジャンルを選択できます。
AIを活用して手軽に問題が作れる
ZEP QUIZでは独自のAIを用いての問題作成が可能です。作り方は
- トピック入力
- PDFなどのファイルから抽出
- YouTubeから抽出
- Webサイトより抜粋
の4つの方法が使えます。

トピック入力の場合はチャット形式で問題作成ができます。任意で入力しても良いですし、例文をそのまま使っても問題が作られます。

作成もサクッとできることが多く、10問程度であれば1,2分ほどで問題が完成しました。
マップ上での問題演習
問題演習に関してZEP QUIZの特徴はメタバース形式でマップ上で動きながら問題を解けることです。
マップで演習する場合は問題のページ右側の「クイズに参加」からマップへ入れます。



すべての問題を解き終わると、正答率や所要時間、順位が出ます。

間違えた問題があった場合もどの問題を間違えたかは一目でわかります。

同じマップ・問題を繰り返し使えるので復習もできます。
成績の管理も可能

いずれのプランも生徒の成績等の統計を確認することは可能です。ただし無料プランではあくまで簡易的に正答率、完了時間、提出の有無のみしか確認できません。有料プラン特にProプランでは、平均正答率や生徒の参加状況などより細かい統計まで確認できるので、本格的に成績等の統計確認がしたい場合はProプランがオススメです。
授業以外の形式も可能
ZEP QUIZではここまで触れたメタバース形式のクイズの他に「ボード」という機能もあります。
ボード機能は現在Beta版のため今後機能が増える可能性もあります。
ボードは問題を解くというよりは授業の振り返りや掲示板、自己紹介などディスカッションや交流の要素が強いです。

シンプルなデザインなので初見でも使いやすい印象です。

ボードをつくればリンクを共有するだけなので、すぐに使えて書き込みもできます。使い方は様々ですが授業の振り返りや自己紹介、作品の展示など授業プラスアルファの活用にもってこいです。
ZEP QUIZのメリット
生徒の主体性を引き出しやすい・楽しみやすい
最大のメリットは、生徒の主体性を引き出しやすい点にあります。ゲーム性のある学習体験によって、普段は受け身になりがちな生徒も自然と競争心や探究心を発揮しやすくなります。
特に私自身は、塾講師時代に数学を担当していましたが数学は好き嫌いがかなりはっきり出る教科のため、成績以前に生徒にその科目が楽しいと思ってもらうことが重要だと考えています。
その点でZEP QUIZは楽しみながら、ゲーム感覚で問題演習などができるため、苦手科目でも楽しみやすく、学力向上に貢献できそうです。
授業・教材の準備時間の短縮
加えて、AI機能による教材準備時間の削減は、多忙な教員にとって大きな負担軽減につながります。基本機能が無料で使える点も、導入のハードルを下げる要素です。
他のサービスはあらかじめ自分で問題を作りこんでベースを作る必要がありますが、ZEP QUIZは自分で作成済みの問題をAIに読み込んでもらうのはもちろん、AIに指示を出せばベースがない状態でも問題等を作成可能です。
直感的に操作がしやすい
私自身は教員ではないため、教員など学校関係者と比べると実は普段このような授業用のツールにはあまりなじみがないのですが、そんな私でもZEP QUIZは問題を作るなど、初見でもある程度上手く操作できました。
それほど難しい言葉もなく、全体的なデザインもごちゃごちゃしている感じはあまりないため、シンプルで見やすいです。
そのため、後述のメタバース形式などへの馴染みがない方でも使っていく中で操作方法は覚えやすそうです。
ZEP QUIZのデメリット
無料プランでは使える機能に限りがある
使えるマップの数、成績データの統計など一部機能がBasicやProプランなどの有料プラン限定です。本格的に使いこなす場合は、有料プランを契約することが前提になります。
ただし有料プランとは言えど、他のツールと比べて特別に高いわけでもないので必要経費としては割り切れるレベルです。
端末・通信環境への依存度が高い点はデメリットとして挙げられます。
メタバース形式への慣れが必要
また、メタバース形式に慣れていない生徒や教員にとっては、最初の操作習得に多少の時間がかかる可能性もあります。アバター操作やマップ移動といった要素は目新しく、ICT機器の扱いに自信がない先生にとっては、最初の設定や操作説明に時間がかかると感じるケースもあるかもしれません。
導入前にクラスの端末環境や教員・生徒のICTスキルを確認、場合によっては研修等をしておくことが重要です。
逆に言えばメタバースに慣れていると最初からスムーズにいきやすいです。
受験対策に使えるかは未知数
この点は塾講師を経験した私の主観ですが、ゲーム感覚で楽しんでできる一方で高校受験や大学受験などを見越してどこまで使えるかは若干未知数な感覚もありました。
特に記述式問題や理科などで図表を使うような問題は作りづらさを感じる部分もありました。
ZEP QUIZをおすすめする人・しない人
ZEP QUIZがオススメな人:楽しむことに重きを置く
- 「生徒が授業に受け身で、主体的な参加を促したい」と感じている先生
- メタバース形式を活用した授業をしたい
- 楽しむことに重きを置いて授業をしたい
- AIを使うなどして教材準備の時間を短縮したい
これらの方々には特にオススメです。直感的に使えるので、この手のICT機器を用いた学習ツールの中ではかなり使いやすい部類だと思います。
何よりメタバース形式でゲームに近いイメージで授業・問題演習をできるので、まずは楽しむことに重きを置いた授業運営には最適なツールです。
ZEP QUIZがオススメでない人
- 無料でしっかり使い倒したい
- 受験を見据えて入試問題をバリバリ解きたい
一方で、無料プランでは使えるマップの数に制限があったり、他の機能も完全に使い倒そうとすると有料プランの契約が前提になります。加えて、メタバース形式というまだそこまで多くないタイプのため、メタバースに慣れている学校・教員でないと少しハードルを感じる部分もあります。
また、楽しみやすいメリットがある一方で受験を見据えて入試対策に活用しようとすると、レベルを上げた授業や演習は私も少し使いづらさを感じたのでこの点は課題かもしれません。ただし、ZEP QUIZ自体がまだ日本での本格参入がこれからなので、ここで挙げたデメリットは今後改善・解消される期待もあります。
ZEP QUIZに関するQ&A
- QZEP QUIZは無料で使えますか?
- A
基本的な機能は無料で利用可能です。より多くのマップやAIによる高度な問題生成機能などを使いたい場合は、有料のPro プランへの加入が必要になります。
- Qパソコン操作が苦手でも使いこなせますか?
- A
操作画面は直感的に設計されており、ICTツールに不慣れな教員でも比較的扱いやすいです。まずは基本機能から試してみるのがおすすめです。
- Qどの学年の授業で活用できますか?
- A
OX形式や選択式などシンプルな問題形式が中心のため、小学校低学年から高学年まで幅広い学年で活用しやすい設計になっています。
- QGoogle Classroomとの連携は可能ですか?
- A
Google Classroomと連携できる機能が用意されており、既存の授業運営フローに組み込みやすい点も特徴の一つです。詳しくはZEP QUIZ、Google Classroom Marketplaceアプリリリース!をご覧ください。
まとめ
ZEP QUIZは、生徒の主体性を引き出し、ゲーム感覚で楽しみながら授業への参加意欲を高めたいと考える先生にとって、有力な選択肢となるツールです。
AIによる問題作成機能で準備の負担を軽減しつつ、ゲーム感覚のクイズ形式で生徒の学習意欲を刺激できる点は、特に「生徒が受け身になっている」という悩みを抱える教員にとって大きな魅力といえます。
一方で、無料プランと有料プランの機能差や入試を見据えるなどレベルを上げた授業への活用は今後の課題と思われます。とはいえ、数ある授業ツールの中でも使いやすい部類ではあるので、まずは無料機能から試してみて、自身のクラスに合うかどうかを見極めてみてはいかがでしょうか。
