ご質問をいただきました。
40代の女性の方からです。
こんにちは、いつもfacebook、楽しく見ています。また、講演会もありがとうございました。この前の門脇さんの講演会もとても有意義でした。
今、小学校でスクールサポーター活動をしていて、校長がフットワークの良い方なので、軌道に乗りそうなところです。
そこで、 ソルティーさんのお力をお借りしたいのですが、さらに確立させるためには、講演会、座談会、どんなスタイルがいいと思いますか?
目的は
学校から指示されて動く体制を見直したい
サポーター同士で顔を合わせる機会を作りたい
対話を重ねていきたい。
サポーター要請動員までの流れを考えたい
横のつながりを求める交流会を開催したい
ぜひともアドバイスよろしくお願いいたします。
ということですが…
校長のフットワークが軽い、話を聞いてくれることに感謝しよう
この中でとてもいい話だなって思うのは、校長のフットワークが良いっていうところがとてもいいところだなと思います。
地域学校協働では、校長先生というのは大きなキーパーソンになります。
話し合いに校長先生が全く参加しない、校長先生が全く話を聞かない、「地域と学校の連携なんてとんでもない」という校長先生がいらっしゃいます。
その行動は、学校の教職員を守ろうとして行っていることなんですが、まぁ、その態度だと、地域から入っていくのは難しいですよね。
なので、校長先生がフットワークがいいかっていうのが、非常にいいところだなと思います。
課題意識を共有しよう
何に困っているか、何を目指しているかを伝える
そして、この目的の中で、学校から指示されて動く体制を見直したいと、 そのような悩みが最初に来る辺り、ここのコミュニティの大きな課題かなと個人的には思いました。
そろそろ軌道に乗りそうなところ、あと一歩!というところですね。
コアメンバーは勢いが出てきて、今までの依存体質のコミュニティが変わってくれなくてモヤモヤしているということかなと思います。
この状態の時、問題だなって思うのは、地域の方々に対して、学校に何かできることはあるのか?どんな課題があるんだろう?っていうところを共有しなければならない っていうところですね。
このように指示されて動く依存体質のコミュニティの場合、 課題感を持っていないと動けないんです。
なんで主体的に動けないかっていうと、『何をしていいかがいまいちわからない』っていうところが1番大きいのかなと思います。
例えば、学校の運動会、そこでボランティアをしたとしましょう。
その場合、ボランティアの人たちも運動会を経験済みなので「足りない」って思うのは、運動会の設営だったり、運動会の内容で何か道具を準備するとか…少し考えれば分かるわけです。
あとは、子供たちが何か困っていることがあれば、何か手助けをしてあげるっていうことは想像できるわけですね。
これは運動会っていうのは、支援者の頭の中にイメージ図がもうあるから、このような課題を持つ子がいるんじゃないかっていうことが、容易に想像できるということなんですね。
でも、これから行う学校支援ボランティアの場合、この運動会と違うのは、何も決まってないってとこなんですよ。
学校の日常業務っていうのは、多岐に広がっていて、どんなことがあるのかっていうことがまるでわからないっていうところなんですね。
分からないままだと周りの人たちの負担が増えてしまう
多くの地域の人たちは、この学校という組織の中に入ったことがない、見たことがないです。
そうすると、まず何をしていいのかわかりません。
学校の先生もボランティアに来てもらったのに、何もさせないわけにはいけないと思って、ボランティアがお客さんになってしまうんですよ。
そうすると、学校の先生が苦労をして、こんなことができますよ、とか、あんなことをやってくださいとか、ボランティアの人たちに教えていかなくちゃいけなくなるんですね。
そうすると、ボランティアしに来たのに、ボランティアが先生の負担を増やしてるっていうことに繋がっていってしまう。
これは一番残念なボランティアです。
被災地のボランティアを思い出していただきたいんですが、被災地のボランティアは何の準備もなしに行くと、現地の人に迷惑をかけるっていうことが分かっている人が多いと思うんです。
学校も全く一緒です。
何の準備もなしに、何の情報も得ずに、自ら助けたい!助けたいから教えてください!って行ってしまうと、何したらいいかわからないから相手に迷惑をかけてしまう。負担を増やすことになってしまう、
ボランティアがその点を重々承知して、事前に情報を集めて、先生たちの負担をできる限り減らしていこう!って気持ちを持つってことが大事です。
これは完璧に分からなくても良いです。まずはそのような気持ちで「本当に相手に支援を届けたいんです!」って行動で示すってことが大事なんですね。
課題感を共有したり、先生の辛さを語ってもらう場を設定しよう
まずやっていってもらいたいなって思うのは、何の課題を持っているんだろうっていうことを話し合っていくことや、 先生自身に辛いこと、楽しいことなどを学習しても話してもらう。
話してもらって、ボランティアが学校の内情や、子どもたちの様子を学習するっていうことをやってもらいたいと思います。
そうしないと、 先生たちの大変なところ、苦しいところっていうところは見えなくなってしまうんですね。
なので、なるべく自分たちで先生たちがどんなことに困り、どんな内容をやっていて、私たちはどんな隙間をどんな手伝いをすれば、ここは解決できるのかっていうことを自分たちで主体的に提案できるように学習することをやってほしいなと思います。
そうすると、先生たちもボランティアに心を開いていきます。
挨拶の浸透や、学力の向上は支援の先にある結果である
多くの地域ボランティアは、「子どもたちの学力をつけたい」とか、「挨拶運動したい」とか、そういうところに目が行きがちです。
もちろん、それはとても大切なことなんですが、それは結果論なんですね。
学校が安心安全の場で、いろんな地域の大人たちが手助けしてくれて、 学校の先生が丁寧に見てくれるから、そして、地域の人たちが顔見知りになっていくから、学力が伸び、そして挨拶が増えていく。
これは結果だというところを理解してボランティアすることが大事だなと思います。
地域の人が挨拶が大事だって言って、挨拶だけを求めるような活動をしてしまうと、多くのところでは続かなかったり、子供が知り合いでもない人に挨拶をするのが嫌になってしまったり、 先生が出動したりして大変だったりします。
じゃあ、どうすればいいのかっていうところは、学校それぞれで違いますので、ぜひ考えていただければなと思います。
ラウンドテーブルを企画してみるのはアリ
そのためには、なるべく肩書きとか、そういうのも一切無視して、 みんなで自由に話し合うっていうことがまずできることなのではないかなと思います。
そのために、ラウンドテーブルという方法を使うと良いかなと思います。
- ラウンドテーブルとは?(クリックして詳細を見る)
ラウンドテーブルの特徴は時間を区切って、その人の発表に集中して聞いていく。その人が話したいことを話したいだけ、話せるっていうことが安心感を作ってくれるってことですね。
否定をせず、共有するという意識で、対等な立場を作り、気を楽にして、意見を言いやすくなるっていうことが目的です。
続けていくと「こんな考えがあるんだ」「そんな大変なんだ」っていうことが分かってきます。
なので、必ずしも結論をつけたり、まとめなくてもいいんです。
とても大事な意見共有の場だと思うので、まずは、このラウンドテーブルっていうところから、スタートしてみたらいいんではないかなと私は思います。
今回、ご質問いただいた方、まずは何の課題があって、どういう支援ができるのか?
これをよく考えて先生たちに、そして、子供たちに還元できるように作っていったらいいのかなと思います。
いい地域、いい学校ができるように応援しています。ありがとうございました。
より詳しく知りたい方はコミュニティ・スクールの作り方・進め方をご覧ください。