部活動問題、教員の働き方改革…。
今、学校は新しい制度が次々作られ、動けなくなってしまい教員ブラックと騒がれている時代になっています。
しかし、そんな中、現役教師を続けながら、新しいチャレンジを続けているのが江澤隆輔先生!
今回は江澤先生に教員の働き方改革についてを詳しく、しかも本音で語っていただきました。
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江澤隆輔先生のプロフィール

今回はインタビューを受けてくださってありがとうございます!まずは自己紹介をお願いします。

福井県の中学校で担任をしています。江澤隆介と言います。
採用されて14年目で、中学校が11年間。小学校が3年間行ってました。

その他にもたくさん活動していますよね?

そうですね、本を書いたり、本に対しての講演とかセミナー、現役の先生方のコミュニティを作ったり、署名活動をしたり…。
あとは教育雑誌の雑誌とかコラムを書いたり、テレビとか新聞にもちょいちょい出させてもらってます。


めっちゃやってるw

でも、本書き始めたのはここ3年くらいですね〜。
自分でもハイペースだって思ってるんですけど、1年に2冊くらい出させてもらってます。
先を見越して教えてくれる教師に憧れた

江澤先生ってどうして教師になったんですか?

ありきたりですけど、僕の中学校の時の担任の先生が結構、破天荒だったんですよね。まぁ、昔なのでいろいろやって良いっていうか(笑)
その先生は数学の先生なんですが、とってもわかりやすかったんですよね。

ほうほう、どんな感じの先生なんですか?

きっと高校を見越して教えてくれたと思うんですが、中学校の勉強なのに高校でも役に立つというか、高校でもそんなに授業以外で勉強しなくても100点取れるようになるくらいまで育ててくれたんです。
僕自身はあんまり勉強したという印象はないんですが、その先生との出会いは大きいですね。
敢えて地元の大学を受けないことで視野を広げる

じゃあ、教育学部ですよね?地元の大学ですか?

いや、地元ではなくて広島大学に…。筑波大学と広島大学で迷ったんですけど、なんか筑波って落ちそうで(笑)

ええっ!?(笑)

受からないんじゃねーかと思って(笑)
最初はやっぱり地元の金沢大学に行こうかなって思ってたんですけど、筑波か広島にしようかなーと。筑波ってなんか調べたことはないけど、レベル高そうだなーって思って広島大学を受けたんですよ。

広島大学で学べた〜、良かった〜ってことはありますか?

良かったことは…お好み焼きが美味しかったことですね(笑)

大学関係ねー(笑)

いや、でも、当時、福井で先生になる方って福井大学とか、福井県からずーっと出ないんですよ。ずーっと福井にいて先生になるよりは遠い県外に出ていろんな西日本中心に友達ができたり…。
いろんなところ遊びに行ったりってのはすごく良かったですね。


視野が広まったんですね。

福井大学にいたら、やっぱり狭かったかなーって思います。
今でも全国的に友達がいるっていうのが普通になるっていうか。
それはすごい良かったですね。
広島大学だから半年間、イギリスに留学もさせてもらったんですよ。
そちらもすごく良かったですね。
現役教師の新しい働き方について
発信し、ログを残して自分の成長を感じる

全国に視野が広がったからかと思うんですが、Youtubeで全国発信みたいなこと始まってますよね?教師の立場でYoutubeやろうって全然いないと思うんですよ。
どうしてYoutube始めようと思ったんですか?

これめっちゃ長くなりますけど…(笑)まぁ、できるだけ手短にしますね。
一言でいうと、「発信が僕の中では普通だった」ということですね。
アウトプットをするのが、もう息をするようにしないといられないという体質で。
発信しないといられない体質になったのは「ブログ」なんですよね。


まさかのブログ!僕もブログ大好きなんです。

僕の場合、最初、ライブドアブログで始めました。
あれ教員になって6年目くらいだったと思うんですけど、中1〜3、一通り全部担任させてもらって、その年、中1の担任になったんですよ。
その前の年が中3で、中1の担任になった時に「あぁ、これまた中1で同じこと繰り返すのか〜」って思ってしまったんですよね。

またやるのか〜っていろんな先生が思ってると思いますね。

そうですね。それまでの5年間が積み上がってきたのか全然分からないというか…。
きっと授業とかうまくなっているだろうし、学校のことも大体分かってきてると思うんですけど、それが見える化できなかったというか。
じゃあ、ログみたいな感じで残していこうと。

あぁ、良いですね!最高!

それを全部僕は発信したかったんですよ。
そのキッカケは部活動なんです。

騒がれてますねー。部活動問題。

当時、部活動問題を結局ブラックなところはあるので、それを言ってるブログはあったんですよ。でも、僕は部活動に関しても発信したいけど、学級経営とか英語の授業とか、全部残しておきたかったんですよ。
将来見返した時に「残ってる。積み上がってる」っていうのを感じたかったので、ブログを始めました。

成長を感じたかったんですね。

そうそう。
何月にこういう授業したとか、何月にこういうことが学級経営であったとか、それを積み上げたかったという想いがあるんですよ。
で、いろいろプライベートなことも発信していて、一番最初にバズったのが部活動問題ですね。
部活動問題で全国の先生が動き出した方法とは…!?

一体何が起こったんですか?

署名活動して、当時それで日本中が動いたんですよ。
もう4年くらい前なんで知らない人も多いと思うんですけど、部活動問題対策プロジェクトっていうプロジェクトを6人で立ち上げて…。
結局、今は7万筆くらい集まったのかな。


すげーw7万!

それで今は部活動指導員とか、部活動のガイドラインとかできてますよね。それのキッカケになった活動ですね。
それが部活動があって、ブログもどんどん続けていって、本を書くようになって、その辺りでTwitterとかも始めて…。僕は完全にアウトプット型ですね。

いきなりYoutubeってワケじゃないのはよく分かりました。

そう。いきなりYoutubeをドンッと始めたワケじゃなくて、ブログがあって、Twitterがあって、本を書いてってのがずーっと続いてきて。
だからYoutube始めるのは僕は心理的なハードルは全然ないっすね。

なるほどー。だから積み上がってきたものがあって、媒体が変わっただけなんですね。

そうそう。プラットフォームが変わっただけですね。
先生が発信するためには『気にしないこと』と『自分の武器』を持つこと

次に聞きたいのが教員って僕のイメージですけど、アウトプットしたがらないと思うんですよ。そこら辺はどうやって乗り越えてきたんですか?

2つありますかね…。一つは外に出したがらない理由として僕らがやってるのは授業とか、教育的活動をずっとやってますよね。それには正解がないってことですね。

正解がない?

正解がありすぎるって言うんですかね。何をしても別の視点で正解があるっていうか。
それを外に出すことによって「いやいや、こういう考え方もある」とか、「いやいや、こうじゃないの?」って言われやすいんですよね。
だから、それが外に出すのに負担になってる部分はあると思いますね。

うーん、なるほど。価値観の違いか。

僕は全然気にしてないんですけどね。
これがもう一つの理由なんですが、すごい自信のある実践を僕は持っているからですね。

どんな実践ですか?

ライティング(英作文)の実践と、スピーキングの実践で、たぶんこの2つは日本でも1番とか2番じゃないかなって思っています。
それが僕はすごい自信があるので、出しやすいというか。

うんうん。自分を形作っているものですね。

自分の中で、この2つは完成されていると思うし、誰がどう見ても「これはいいね」って言ってくれるものに仕上がっていると思うので、アウトプットするのに心理的に負担はないんですよ。

書くのが楽な分野があるってことですね。もう組み上がっちゃってるんですね。

そうそう。それを3年くらいかけて作ったのかな。それをやりきった自信はあるから、これはどこに出しても恥ずかしくないって感じですね。

自分に自信があるって良いですね。

大体どこにでもあるような中学校で、それをすることで、3年間くらいは県内でトップクラスの英語の点数を維持できたという結果も出ています。
それが書籍になったり、ベネッセとかから取材があったりっていうのがあったから。
僕にとっては完成に近いなっていうのはあります。
だから、アウトプットの負担は少ないですね。

それは絶対的な武器ですよね。確固たるものというか。
教員の働き方改革はなぜ進まないのか?

では、他の質問を。働き方を改革しようよ!っていう人増えたと思うんです。増えたと思うけど、頑張っている先生たちがいる中で大多数の先生たちはあんまり動いてない…って気がするんですよ。
じゃあ、なんでこんなに動き出せないのかって理由を知りたいです。

うーん…。確かにそれはありますね。それは…思いつくだけでもたくさんあるんです。
まぁ、その中でも3つくらいに分けるとすると…。
最初に必ず負担があって働き方改革ができる

いつもこれは講演とかセミナーで言うんですけど、なんか一つ、大きな仕事があったとして、横軸が時間、縦の軸が負担だったとします。
なんにもしなかったらずーっとほぼ同じ負担ですよね。


そうですね。何年経ってもほとんど変わらないです。

この仕事を一定水準以下にしようってのが働き方の精選じゃないですか、行事とか、仕事の精選ね。減らすとか、なくすっていう。
でも、この学校の仕事とか、行事とか負担を減らそうと思ったら、一回負担が大きく増えるんですよ。分かります?


何かを捨てるには何かを始めるのと同じことだから負担がかかるんですね…。

そう、一回山があって、それから減るんですよ。
なんでか?っていうと、この仕事を減らしますっていう提案をしたり、この同意をもらうのにたくさんの先生方に根回ししたり、もしかすると地域の人たちとも協議しなきゃいけないかもしれないし…。
コレ(山)がかなりの負担になるんですよ。

その大きな負担を超えたら?

うん、「おっしゃー、オッケー!」ってなって減っていきます。
でもね、先生たちって大体7年とかで異動するでしょ。下手したら校務分掌とか1年で変わるんですよね。

うわぁ…。

「1年で変わるの分かってて大きな負担かけて働き方改革やりますか?」って言われたらどうですか?やりたいですか?

うーん、徒労に終わりそうな気がしますね…。

やらないでしょ?(笑)だって、それやらなかったらいつも通りで済むんですから(笑)
やろうと思ったらコレ(山)なんですから。さらに減らそうと思ったら自分が割を食うというか。

たしかにそうですね。甘んじて受ける先生はすごく多そう…。

将来5年後、10年後はそこに辿り着いているかもしれないんですよ。
でも、「俺が今それやったら山が大変だよな」っていう。それが一つありますね。
で、しかも。

まだあんのw

この決断をするのは最終的には校長ですよね。それをしていいかどうかって。
で、校長って大体2年か3年で変わりますよね?

そうですね。

教員がなかなか改革に動き出せない理由に学校の先生独自の構造的な話と、校長の退職の話が絡んでくる。
これはかなり大きい。

本気でやるなら働き方改革は構造から見直さないとダメですね…。
中途半端な改革じゃ何も変わらない。10分の10の賛成が必要になる

もう一つが教員の長時間労働ってすごく今問題になってますよね?

そうですね。

割と僕の自治体では朝、20分間、朝読書の時間ってあるんですよ。これは全国的にどうなのかって分からないんですけど、朝の20分って週で100分、一ヶ月だと大体400分あるんですよね。
400分ってことは7時間くらいかな。

結構な時間になりますねぇ。

その7時間をもし、教育委員会の大御所みたいなメンバーが他に9人いて、一人の先生が「それ必要ないんじゃない?」って言ったとしらどうなると思います?

うーん、「ダメ!」とか?

そんな簡単じゃないんですよね(笑)
残りの9人のうち、8人が「あ、いいね。減らそうか」って言ったとしても、残りの1人が「いやいや、読書大事でしょ」「最近、本を読まない子増えてるから学校でくらい読ましてあげようよ」って言ったらどっちが通るかって、実は1人の意見なんですよね(苦笑)


ヒェ…。オセロでいきなりひっくり返された感じ…。

それなんでか?っていうと、学校の先生って真面目だし、子供たちのためにいろいろやってあげたいっていう気質があるんですよ。
1人の先生が「いやいや、子供たちのためにやりましょうよ!」って言ったら、残りの9人の人が「いやー、そんなにやりたくねーなー」って思ってても同意せざるを得ない。

ダメだと思ってても引き受けちゃうんですね…。

減らそう、無くそうと思ったら10分の10じゃないといけない。これが今、僕の勤めているような大規模の学校だったら、50分の50じゃないといけないんですよ。

大変だこれ(笑)

分かります?
で、さらに!

もうやめてあげて!先生のライフは0よ!!
一つにまとまることがないのはみんな◯◯があるから

実はさっき言った通り教育活動って色んな考え方とか色んな答えがあるから、一つにまとまるってことはほとんどないんですよ。

なるほど…。

例えば合唱コンクールを減らそうってなった時に音楽の先生がそれ同意するか?っていう話なんですよ。
だから、それで音楽の教員が「いやいや、歌大事でしょ。みんなで一つになってクラスでまとまってやろうよ!」って言ったら、他の49人が「いや、止めようぜ」ってなってても同意せざるを得ないんですよね。

やっぱりそうだよね〜みたいな空気になっちゃうんですね…。

そこを覆…せないと思う。誰もできないと思う。働き方改革はもっと別のところでやる必要があるんです。
働き方改革は自分の半径5メートルから始めることがコツ

あともう1つは今、学校を動かしていく発言力がある先生が50代ですよね。
その先生たちがICTができない(笑)

デター(笑)


しゃあないんですけどね(笑)だから、動かないです。
例えば、ICTを駆使さえすれば、例えばこのコロナの時、オンライン授業とか、職員会議をペーパーレスにしたりっていうのもすぐ行くと思うんです。
如何せん動かすような50代の人たちが今、その世代じゃないからちょっと辛いですね。

理解ができないってことですね。

ただ、一つ良いのは実力のある若手が増えてるから、僕らが30代前半くらいの人たちが40代になった時に一気に変わる可能性はありますね。

じゃあ、あと10年後に大規模な働き方改革が起こる可能性がある!?

そう。デジタルネイティブが学校の大半を占めるようになると、「え、なんでこんなことしてるの?」っていうことになって、変わる可能性はありますね。
例えば僕、英語科の教員なんで英語科の主任なんで、英語の先生が6人。地区内で一番いるんです。

どんな方法で連携しているんですか?

会議もなくしちゃってるんですよ。
結構、連絡事項だけで時間とるんですよ。
連絡一つしたいにしても付箋に書いて貼りに行ったり…、直接言おうと思っても相手は授業してたりするから会えないし。
だからもう、Slack入れて全部Slackでするようにしてます。
ビジネス向けチャットSlack(スラック)。2018年頃から民間企業から流行り始め、現在さまざまな企業や、個人が活用をしている。
さまざまなワークスペース(活動場所)と、チャンネル(話題)を作れるのが魅力。


なるほどー!民間では当たり前になってきているけど学校の先生でSlackって先進的!

自分の半径5メートルくらいのテリトリーの中での学校改革は進めてますね。
今までLINEはあったんですよ。
でも、LINEだとババーっと流れて行っちゃうから話題が分からないんですよね。
それこそログが溜まらないので分からないので、それもすごいストレス。

話題の細分化ってめっちゃくちゃ重要ですよね。

英語科の仕事を細分化してチャンネルいっぱい作って、それで各担当の先生に書いてもらう感じにしてます。
英語科の先生に限って言えば会議はまだ全然してないです。

でも、チャンネルがたくさんあると先生戸惑いませんか?

いえ、そんなことなく使えてますね。逆にまとまるし、会議一つすると先生ら、話すの好きなので長くなるんですよ。
エピソードトークっていうか(笑)
先生ってエビデンスは語らないけど、エピソードは語るので長くなるんっすよね。

確かにエピソードはちゃんと時間取ってじゃないと…。毎回だとツライ。

だからSlackでパッと打って全体に共有して終わりっていうほうが絶対時間的には早い!無駄なこと話しないから!(笑)
で、会議を持つ時は必ずテーマを持ってやるようにしてやってますね。

意味のある、生産性の高い会議をするってことですね

そう、連絡で済むのは全部「Slackでやるんで持ってこないでください」ってみたいな感じにしてますね。それ言うと全然会議はしてないですね。

じゃあ、それを学校全体に広げようと思うと苦戦するんですね…。

うん、苦戦しますね。
だから自分の範囲で一つだけ変える。
今年運良く英語科の先生は若い先生ばっかりだったので、そういう時に一気に変えるのは一つ手ですね。やっぱり異動とかあって年配の先生いたりすると、気を遣ったり、ICTがスムーズにいかない。今年は枠線が一直線に並んだ!っていう感覚があります。

っていうと、一人ひとり自分の働き方改革を行うことによって「学校組織全体の働き方改革は進んだね」っていう考え方のほうがスマート?

はい。自分の半径5メートルは鉄則です。
教員の働き方改革と複業・兼業について

僕どうしても聞きたいなって思ったのは教員だけど複業とかやりたいって先生ってたくさんいると思うんですよ。
でも、大っぴらに先生って複業できないじゃないですか。

うん。

そこで、どうしてもしたい場合は兼業申請を出すって流れかと思うんですが、ここで「やるべきことさえやってれば問題ないから」っていう言葉を付け加えられるって話を僕の周りで結構聞いてるんですよね。

え、それは誰にっすか?

校長先生にですね。
「教師のやるべきことさえやってれば問題ないけど、教師のやるべきことはやっておけよ」と。教師のやるべきことってなんなんだ?っていう具体的に考えたことなかったんで、江澤先生が考える教師のやるべきことって何かなを聞いてみたいですね。

ほ〜。それは「やるべきことをやってれば兼業しても大丈夫だよ」ってニュアンスですか?

「基本的には兼業するなよ」ってニュアンスですね。本業一本に絞ってくれないと困るみたいな。バンバンやれって大っぴらに言えないって。

あ、そっち!?そうなんだ。へー。
だから自分のやるべき仕事(教師業)をちゃんとやれよって感じなんですね。
僕、去年とか10枚以上兼業申請したんですけど、まったくそんなのないですね(笑)

もしかして福井は気質が違うのかな?(笑)

全然違うと思います(笑)
いや、でもここまで(兼業申請)出すのはたぶん、県内でも僕だけでしょうから、もう諦められてるというか(笑)

あー、突き抜けちゃってるんですね。

はい。「いや、もう好きにせぇや」みたいな(笑)
そこまで行っちゃったらどうですかね?

出る杭は打たれるじゃなくて、出過ぎた杭は叩けない!ってところまで行くってことですね。

そうそう。だって、その校長先生は「それやっちゃダメ」って言える法的な根拠はなかなか見つからないんじゃないですか?

うん。たぶんそうだと思います。

いや、例えばその…「平日のお昼15時からアルバイトをします。」とかだったらダメでしょうけど…。
本当に本業に支障がなければ問題がないとは思いますけどね。

そうですね。しっかり学校では仕事していますからね。

フォローを入れさせてもらうと、ちょっと言わんとしていることは分かりますよ。
例えば学級崩壊していたり、保護者対応でうまく行っていないという時期に兼業届け出されると一言言いたくもなるかもしれないですね。

でも、そんな雰囲気でもないんですよね。そこは茨城の気質なのかなぁ?

僕はどんどんやれば良いと思いますけどね(笑)
だって、学校の先生だけって子供たちにとってもつまらないでしょ?
定時過ぎてまで「子供たちのために」で働くのは本当の子供たちのためではない

その「子供たちのために」って言葉に苦しめられているっていう先生もいると思うんです。でも、「子供たちのためになんかしたい」ってモチベーションっていうか。目的と思うんです。
江澤先生自身が考えている子供たちのためにってどんなことなのかな?ってお聞きしてもいいですか?

うーん…、大前提は絶対に勤務時間内で終わること。16時30分ぐらいですかね。
で、それ以降で自分がふつふつと「これやりて〜〜!」みたいなのがあるのであれば「どうぞにやってください」って世界だと思うんですよ。

ふむふむ、なるほど。

僕は定時が16時30分なんですけど、16時30分以降になんか例えば学年の会議とかがあって「子供たちのためにこれやろうぜー!」ってのがあったらそれはダメだと思うんです。16時30分前なら全然良いですよ。
教員は9時間勤務です。ただし、それ以上残っている方が圧倒的に多いのが現実。大事なのは定時で帰ると決め、工夫と改善を重ねることでしょう。
次に放課後、子どもたちが下校した後ですが、学年部での話し合い、研修、会議は出席しなければなりませんが、そのほかの時間を自分の自由にすることができるかどうかも、先生によって大きく違います。上手く時間を使う先生は、必要な仕事をどんどん終わらせ、定時になると帰宅します。良く学校の先生は帰る時間が遅いと言いますがそんなことはありません。別に帰ってもだれからも文句は言われません。もし言われたとしたら、言ってきた方が問題です。
出典:学校の先生の一日 小学校教師の勤務時間は表向きは9時間(1時間休憩) – 通信教育で教師を目指す

江澤先生は定時に終わるっていうのが大前提で、そこに向けて知恵を絞ってるんですね。

そう。17時とか17時半くらいから「一ヶ月後に体育祭があるからそれの会議やろうぜー!これも子供たちのためだよー!」って言ってたら、「いやいや、全然子供たちのためになってませんよ」って言います。

先生も人ですから身体壊しますよねぇ…。そんな状態で子供は幸せか?というと、100%の幸せとは遠い。

そうそう。その会議を重ねて、良い体育祭ができたとしても全然子供たちのためになってないです。むしろ、それをやりたいのであれば16時30分内にできるようなシステムを作るのがやっぱりリーダーのマネジメント力じゃないかなぁ。
子供たちのために本当に何かやりたいのであれば、きちんと線引きがされてるんだからその中でやっていかないとダメ。

これは学校だけじゃなくて、民間の企業でもそうですねぇ。

16時30分以降に個人的にやりたいのであればどうぞどうぞですよ。
でも、その個人的な想いを他の人達に影響させるのは絶対ダメだと思う。

それが『仕事』ですし、メリハリつけなきゃならんですよね。

うん。だって僕らもうそれ許したら、何でもアリになりますよ。
だって「子供たちのためじゃん、22時に学校来い」って言われたら学校行くんかいって話になりますよね。

そうですね。そりゃ行きたくないですわw

そういうのを線引きするためにやっぱり法ってあるんですよ。
16時30分なら16時30分でビシッと終われば良いんじゃないかなって思いますけどね。

やっぱりなー。そこら辺は線引きしたほうが良いですよね。

したほうが良い。したほうが良い…けど、個人的な意見としては10年目くらいまでには先生は一つ武器を持たないといけないと思ってます。
魅力的な教員でありたいじゃないですか。

そうですね。その他大勢の先生として埋没していってしまう。

魅力的な教員という風に子供たちが見てくれたら学級経営も授業もすんごいやりやすくなりますよ。
だから一つ武器を作れば良いと思うんですけど、その一つ武器を作るために8時に学校に行って、16時30分に終わり〜。授業して「はい、サヨウナラ〜」ってそういうことをずっとしていたら武器は身につきにくいんじゃないかなって想いもすごくあります。

若い内は苦労を買ってでもしろ!ってやつですかね。でも、体力的に余裕があるのはたしかに20〜30代ですよね。

うん、僕の場合はそれが発音の指導だし、さっき言った英作文の指導もそうだし…。その実践を積み重ねていけたのは僕はもう過労死ラインもめっちゃオーバーしながら積み重ねてはきましたね。

そこは授業研究というか、自分自身の武器づくり、こだわりを作るというか。強みを作り、選ばれる先生になるみたいな。そのポイントは自分自身でしか作れないってことですね。

うん。それはやっぱり自分が「これやりてー!」みたいな想いがあったら残ってやるべきだと思う。
で、3年間くらい過労死ラインずっとオーバーしながら研究してた時期があるんです。
今でもその時期って今、思い返してもたぶん僕の教員生活の軸っていうか、根っこが作れたんじゃないかって思うし、どの先生よりも勉強したっていうものがあれば先生としての自信にもなるんじゃないかな。


逆に言うと、それが先生自身の幸せにつながるってことですね?

そうです。

多くの先生はそれを持っていないのかもしれないですね。

忙しいですからね(笑)
…忙しいんっすよ(苦笑)

分かる。時間作ってあげたいとは思うけど(笑)

やっぱリーダーですよ、リーダー。小学校はそんなにないですけど、中学校は学年主任っすよ。絶対、学年主任。
教員自身が働き方改革したいと思った時にどうすれば変わるのか?

僕が今、考えてるのって学年主任?リーダーさんにあるあるっていうか、茨城ではあるらしいんですけど、なんかやりましょうよ、こういう風にしましょうよって、負担減らして子供たちのために何かしていきましょうよって先生もいるんです。

うん。

でも、そういうやる気ある人がリーダー(校長)に潰されちゃうって言うんです。
学校全体に蔓延する保守的なマインドみたいなものがあって、なんかその空気感が変えられないまま潰されて「お前、残れよ」「部活やれよ、でも金は出ないぞ」みたいなずっと繰り返しているって聞いて「なんなんだよ!」って思う先生も多いみたいです。
提案するけど、理由も聞かず全部却下。「そんなこと言ってないで、さっさと部活いけ」みたいな空気感になっちゃうらしいんです。
それってどう変えていくと良いんですかね?

うーん、3つあるかな。
まずは想いを共有したチームを作って身近な環境を変えていこう

1つ目はチームを組んでいくことかなぁ。根回しみたいな。
あと、そういう学年主任って変わらないと思うんですよ。人ってなかなかね。

なるほど、1人でじゃなくて巻き込みながら環境とかシステムを変えたら良いかなぁ。

変えたら空気は変わっていく気がします。例えばさきほどあったSlackの例でいうと、もう議論の必要がある時しか会議はやらないっていう風に僕はシステムを変えたんですね。
ただ、なんとなく僕の自治体は週に1時間教科の会議が時間割に組み込まれているので、この時間は英語の先生が集まって会議する木曜日の6時限目みたいな。
すると、英語の先生はその時間は全員空いているみたいな感じなんです。

うおお、そうですよね。時間できてるやん。

そういうシステムでダラダラやっていくと、とにかく集まってダラダラ喋って生産性のないことしてっていう。だからそのシステムを変えちゃう。
議論の必要なトピックがある時しかやりませんってする。
その代わり、Slackで常に情報共有をしておきましょうってシステムにすれば、人は変わらないけど、環境とかシステムは変わっていくかなぁ。


必要性に応じて招集して、このテーマで話したいんだけど、知恵を貸してくれっていう風にテーマを決めて集まる。で、情報共有は常日頃から活発にさせると、そういうのが環境整備っすね。

人を巻き込み次に環境とかシステムを変える。
それが二つ目です。
同調圧力に負けない武器『法律』を身につける大事さとは?

最後はやっぱり法律ですね。先生たちそもそも法律知らないんですよ。
他の先生たちって法律、勉強してるのかなぁ?

あんまり…僕自身もそんなにですけど(笑)

僕らって県の職員なんですよ。で、県の職員は何で動いているか?っていったら法律なんですよね。
だから僕がどんだけYoutubeとか、あんまり周りの先生がやってない、執筆とかやっても、それが法にさえ触れてなければ行政は許可せざるを得ないんですよね。
でも、そのラインを自分の中で勉強して分かってなかったら申請もできないし…、やろうとも思わないですよ。

たしかに!どこまで動いていいか分からないから止まるんだ。

法を知って、どれだけ動ける範囲が自分にあるのかって知っておかないと、怖くて動けないですよ。
だから、法を知るって、自分の時間を守ることに繋がるとも思うけど、活動できる範囲が分かるのが大きい。


これは何よりも先決ですね。

さっきの部活動のことでいうと、やっぱり法じゃないかなー。
だって、普通会社員とかサラリーマンって会社の規則、就業規則、契約書とかって読むでしょ普通!?

読みますね。読まない人もいますけど(笑)いや、ほとんど読まないかな?(笑)

(笑)
でも、アメリカとかってすごい厳しくないですか?(笑)コントラクトというか、契約というか。
だから、部活に関してはやっぱり法ですよ。法律さえ知っておけば絶対大丈夫。

でも、確かに強いですよね。ここまでって明示されてるじゃん?って言えますからね。

それを知ってて部活をやるっていうなら別に良いと思いますし、それを知ってて止めとくっていうのも、それは良いと思う。
でも、一番ダメなのは知らずに「例年やってることだから」で月40〜50時間も消費することです。

無知は罪というか、無知で居続けることは罪というか。

うん。それを50年続けてきたから、次の年もそういう人が出ちゃうんですよ。

あー、でも分かった気がします。明らかに仕事が減っていく教員と、そうでない教員の差ってもしかしたら法律を知っているか否かかもですね。

そこだと思うけどなー。まぁ、そこで法を知って同調圧力に負けちゃって動けない人はいると思うけど、知ってるのと知ってないのでは全然違うと思います。
具体的には給特法ですね。
教員の働き方改革が進まない理由と地域は関わりがあるのか?

外部とか地域との連携した授業って江澤先生やるんですか?

全然。個人的にはやったことないですね。学年とかではやったことあるけど。

僕の専門って地域学校協働で、地域で子供を育てていくコミュニティ・スクールで動いていたりするんですよね。
学校にボランティアを派遣したりとか、地域のすごい専門家みたいな人を授業にティームティーチングで入ってもらったりとか。こんな人いませんか?ってことを連携しあったりしているんです。

外部かぁ〜。やってないなぁ。

逆に入れない理由ってあるんですか?

いや、別にないですね。小学校とかすごい相性良いと思いますよ。
単発でポンポンっと来るタイプじゃなくて、毎日来てくれるみたいな。

ふむふむ。

違う人でも良いですけど、例えば給食。
給食の時間、30分くらい担任の代わりに地域のおばちゃんが来るって。
そういうのってすげー良いと思う。その時間は担任の先生、休憩みたいな。

たしかに。先生って給食の時間、なんか丸付けしてるんですよね。

そうそう。ただ、その時間、地域のおばちゃん来て「ちゃんと箸持ちな!」ってめっちゃ良くないですか?
昼休みに大学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんが来てくれて遊んだりすると先生らの休憩になって良いかなぁとも思ったり。どんどん入ってきてくれて良いと思います。
でも、教頭先生がマネジメントすごい大変…でしょうね。

そうですね。今、教務主任の先生と連携してやらせてもらってますが、いちいち教務主任の方に聞いてから動くので、対応しているという事実は負担っちゃ負担でしょうね。

それは負担ですねぇ…。

逆に「ボランティア見つけてください」っていうのは結構あります。僕が見つけてくるんです。
普通、ボランティアって表に立って探してきますっていうのが教頭や、教務主任になっちゃうので、めちゃめちゃ負担って言ってましたね。
教育委員会通してちゃんと仕組みができあがっていればこんな問題起こらないんでしょうが…。

そこを「なんとか負担減らそう」と思ってて、実は負担増えてたみたいなところはちょっとあったら辛いですね。

周りの先生は(間接的に)減ってるんですけど、その連携する先生だけ増えちゃう。
なるべく担いたいと思って僕もコーディネーターも買って出てるんですけど、どうしても学校との行事の連携とかあるので、予算が降りれば都度都度行きますよってできるなーと思うんですよ。
ボランティア範囲だとどうしてもそこを連携するしかないっていうのがちょっと悩みだなと。

そういう外部の方は中学校も入れたいですね。やっぱり。

地域にはいろんな先生(専門家)いますからね。まぁ、学習指導要領に沿っているかどうかってあると思うんですけど…。
英語得意な人もいるし、道徳得意な人もいるし、問いを作るのも得意な人もいるし、お金を作るのが得意な人もいるし。それぞれの専門家を呼んでくるのは面白いなと思います。

職場体験とかありますよね。職場体験の事前指導でスペシャリストの話を聞こう!みたいな。そういうのはやってるところ多いと思いますね。

今だとオンライン化もでき始めたからやりやすいかもしれないですね。
教員の働き方改革と学校にしかできないことは何か?

江澤先生から見て学校じゃないとできないよって思うところってありますか?いろいろやっているからこそ見える学校の良さっていう。

あんまり兼業とかは関係ないですけど、人との関わりつきるかな。
これは学校にしかできない気がするなぁ。

例えば??

例えば、コロナで「これからの授業ってどうなって行くんだろう?」って考えた時に、僕は反転学習だと思うんですよ。
家でできることは家でやって、学校でしかできないことを学校でやろうみたいな。

自学自習って考えですね。すごく大事ですね。

それが今から主流になってきて、もっと具体的に言うと学校でこの英語だったら家で文法の動画をいっぱい見て、知識を溜めてくる。
学校ではそれを使って友達と英語でやり取りをしたり、友達に向かってスピーチして、友達からフィードバックをもらうとか。そういうことは学校でしかできない。

ふむふむ。

もっと具体的に言うと社会の歴史の授業なんかでザビエルっていたじゃないですか。
ザビエルはいつ来た人で、何を日本で行って、何時代の人だったのか、どんな顔してて…みたいなのは実は調べれば全部、家でできるんですよ。

先生の話よりWikipediaのほうが詳しいっすからね…マジで。

じゃあ、学校で何しようかなって考えた場合に学校に行って3、4人とかで「あなたがザビエルならキリスト教とか、自分の国の文化を広めるためにどうやりますか?」みたいなグループディスカッションをしますね。
それをババっと友達と話し合ったりして、一つ良いレポートを創り上げる。
そういうのは学校でしかできないんじゃないかなーってすごく思いますね。

同じところを勉強して、同じところの話題をつくり、それをみんなで話し合ったりっていうのは『揃ってないとできない』ですね。
しかも同じ方向を向いて。たしかにそれは学校じゃないとできないですね。

できないですね。そう、だから学校は抱えすぎているんですよね。
意外とコロナで「学校抱えすぎだよね」みたいなことは明らかになったと思うんです。
「2ヶ月、3ヶ月学校なかったらやべー!」みたいな。
削ぎ落として、家でできることは家でっていう風にする。

大事ですね。

ただ、僕はこれは小学校では無理だと思う。

無理なんだ…w

うーん…。全員がっていうとですが小学校の特に低学年、中学年は無理ですねぇ。

まぁ、小学校低学年はできない子も多いでしょうね。

僕は小学校低学年では動画で見るよりもキチッと学校でみんなで人とのぬくもり、関わりを感じながら家でもできることをするほうが良いかと。
先生としても、みんなでやるってことのほうが絶対エビデンスもある。
動画とかでは最初、学んでも伸びないと思う。

発達段階に応じてだんだん自分の思考力を高めていく感じですね。中学校、高校くらいになればほとんど大人と変わらないですからね。

中・高くらいだったら頑張ればできると思いますね。
教員の働き方改革と子供が「将来何がしたいか分からない」問題について

今、将来何がしたいか分からないって子が多いと思ってるんです。
高校生になっても見つからないし、大学生になっても何となく大学に行って、とりあえず社会に出て、とりあえず先生になってっていうのが結構いると思うんですよ。っていうかいるんです。
どうしてそういう子供が多くなっちゃってるのかなーと僕個人の考え方ですが、何となく教育というか、親の影響もありますけど、社会全体がそういう空気感を作り出しているんじゃないかって考えているんですよ。

うん、そのとおり。

学校ではこういうのが影響してそういう子が多くなってんじゃないかなってあります?

一斉学習っすね。金太郎飴づくりみたいな。
学校の特性上、しゃあないんですけど、みんなと一緒に、みんなと一歩を歩む。
それは大きいな。

みんなと一緒というと、みんなと一緒の考えじゃないと進めないっていう。

そう。例えばうちの息子は幼稚園ですけど、掛け算できるんですよ。
普通は掛け算って小2くらいじゃないですか。
やろうと思えば一年生の最後の教科書の問題も解けると思うんです。でも、30人いるので、30人が分かって次みたいな…。
そういうシステムじゃないですか。みんなできるまで待ってなきゃいけないんですよ(笑)


みんなで足並み揃えていくことのデメリットが個性の埋没ですかね…。

これは明治時代から変わってない。すごく問題なんですけど、そこはしゃあないっすね…。
みんな個性を伸ばしてあげたい。でも、本音で言わせてもらえば、今の学校教育で個性潰れるくらいならそれ個性じゃねーと思うんですよね(笑)

特性と個性の違いですね。個性はもっと強いものってイメージが僕にもあります。

今の学校の授業くらいで潰されるんなら、そんなん全然個性とは言わないと思う。
本当になんかやりたい好きなことなら、学校終わってからでも全然できるし。逆にそういうことは大切にしていってあげたいですね。

そうですね。本当にやりたかったらなんか言われなくても勝手にやりますからね(笑)
逆にそういう子はある意味不登校になっちゃうのかもしれないですね。合わないって感じで。「もっとこっちがやりたいのに!」って反発を起こすから不登校になってるのかもしれないです。

それもあるかもですね。やっぱり、学校も保護者も子供に与えすぎって感はあるのかもしれないです。
失敗しないように失敗しないように…、答えが見えすぎている。失敗の経験がないからいざ失敗した時に立ち直れない。

レールが準備されてるというねw

そうです。それをずっと続けて、いざ社会に出るって言って、答えがないじゃないですか。だからどうしたら良いか分からないってなってしまう。その失敗のトレーニングをしてこなかったというのはあるかもしれないですね。
教員志望の学生たちへ江澤先生からメッセージ
今感じていることは全て正解なので、良い面も悪い面も受け止めてほしい

これで最後の質問にしようかと思うんですが、教員志望とか、学校を頑張ってるよ!という先生に向けてメッセージをお願いしたいです。

まず、教員志望の方々。たぶん、「めっちゃ先生になりたい〜!」って人ばっかだと思うんですよ。ここまで大変なのにね(笑)
だから、すごいやりたいことがあって、学校楽しいだろうな、子供カワイイだろうなと思ってると思うんですけど、まさにそのとおりで!

まさにそのとおりで(笑)それは良いことだw

今、思ってる通りだと思います。ポジティブな面、それは正解ですし、授業楽しいだろうなー、それも楽しくなるでしょうし…。
でも、逆にネガティブな面も正解なので…。仕事大変だろうなとか、残業多いだろうなとか、それも正解ですから。
それもぜひ楽しんで欲しいなと思います。

良い面も悪い面もたくさんあるよって受け入れて来て欲しいってことですね。

でも、僕、教員っていう専門職やってすごい良かったと思う。
いろんなことできるし、本も書けたし、講演もできたし、Youtubeもできたし。
こんなんサラリーマンやってたら中々できないんじゃないかなって。
本とか30歳くらいで書けないだろうなと。クリエイティブなところを求めていったらどこまでもクリエイティブになれるから。楽しんで欲しいなって思います。

そうですよね。頑張って欲しいですね。

1年目は地獄だと思います(笑)
それも含めて、体調崩さず頑張ってほしいと思います。
教育に関する本を200冊読んでから教員になろう

最後って言ったのに思いついちゃったw
今、教員志望の学生が「めっちゃ感動しました」みたいなことになったとしたら、学生のうちに「まず、これだけは頑張っとけ」みたいなものあれば何伝えますか?

僕は学生の時に何もしてなかったんですが、あるとしたらやっぱり一つ武器作ることかな。
社会の教員だったら飛鳥時代!とかね(笑)

俺はこれだけは絶対負けねぇ!みたいな(笑)

そうそう。第二次世界大戦とか…。狭すぎるかな??
まぁ、難しいかなーって思うんですが、そういうのが一つあると絶対良いし、やっぱ本ですね。本を読んで欲しい。いっぱい。

オススメの本ってありますか?

オススメの本はですねー、こんな(僕の書いた)ネガティブな本も良いんですけどね(笑)
1つは大村はま先生の『教えるということ』っていう本ですね。

2つ目は齋藤孝先生の『読書力』

あと、齋藤孝先生の『コミュニケーション力』っていう本かなぁ。

まぁ、それはオススメですけど、採用試験の時に目標は100冊ですね。
教育学を100冊。教科教育学を100冊。教育全般に関する本を100冊ですね。
合計200冊くらいは読んで採用試験の面接に行って欲しいなと思います。

インプットもして、ブログもやってアウトプットして…バランスとってどんどん吸収していこうねということですね。

そうそう(笑)

では、ありがとうございました!

こちらこそありがとうございました!
教員の働き方改革に必要なもの
江澤先生のインタビューで本当にたくさんの働き方改革が見えてきたなと思います。
まとめると…
- インプットではなくアウトプットを主軸にする
- 誰にも負けないと思う武器を自ら作り出すこと
- 大きく変えると必ず負担があるから自分の半径5メートル以内を変える
- 本格的な働き方改革はICTを使える教員が管理職になる2030年頃
- 働き方改革としてSlackは環境改善に非常に使える
- 変えるのがチャンスと思ったら一気に変える
- 出過ぎた杭は打たれない。中途半端に兼業しない
- 必ず定時に終わらせるという気持ちを持ち、知恵を絞っていく
- 管理職クラスはマネジメント力を身につけたほうが良い
- 想いが通じる3人以上のチームを作る
- 法律を知って、自分の活動範囲を知る
特に法律については大きいなと思います。自分がどんなステージに立っていて、どこまでの広さがあるのか?それはしっかり学んでいきましょう!!
今回、インタビューを受けてくださった江澤先生の本はこちらです。興味があればぜひ買ってみてくださいね!
今回の江澤先生のインタビューに対して、関連しているリンクをまとめて掲載いたします。
ありがとうございました!