教員支援のオンライサロン『ティーチャーズアソシア』のメディアチームの取り組みとして、チームのいがぐりがメンバーにインタビューをしています。
今回はアソシア会員で、アソシアの仮面ライダーかつスタンプの貴公子、かとちゃんにお話を伺いました。
子ども一人一人に合わせた教育を個別最適化教育と言います。
このような個を尊重する教育ををするためには、ひとりひとりと深くコミュニケーションを取り、お互いを知っていかなければなりません。
視野を広げることで、見える世界がぐんと広がり、人生が豊かになります。
そして、個別最適化に欠かせないもう一つのキーワードがICT。
そんな”コミュニケーション”と”ICT”でアソシアを全面的に支えてくれている、かとちゃんの語る教育論は一貫したものがありました。
コミュニケーションもICTも、まず相手を知ることから始めることが大切です。
アソシアのメンバーをもっと知りたい、コミュニケーションの本質にご興味のある方は是非ご覧ください。
かとちゃんのプロフィール
教育業界とはあまり縁のなかった普通の会社員。
小学生と幼稚園の2人の娘がおり、娘の就学とコロナでの休校を機に教育業界に興味を持つ。
企業や育児での経験を活かして、多様な働き方を多くの人に伝えたい!
学校の先生について知りたい
アソシアに入った理由
では、早速ですが、かとちゃんがアソシアに入ろうと思ったきっかけというか、なんで入ろうと思ったのかを教えてください。
うちの子がコロナで学校に行けなくなったときに、授業も動画配信も全くなかったんですね。
やったのって、親が学校出された課題を学校に出しに行くのを2,3回やっただけなんですね。
そういうのを見て、これはちょっとどうかなって思って。
自分はリモートワークでできていたので、そこに差を感じてちょっとこのままではよくないんじゃないかなと思いまして。
で、そこから教育系のイベントに参加するようになったんですよね。
なので、アソシアに入る前にEdcampとかに参加していたんです。
Edcampは、参加者主導で行われる、教員をはじめとする教育関係者による、教育関係者のための、プロフェッショナルディベロップメントのカンファレンスです。
http://www.edcampjapan.org/
Edcamp!大ちゃん(アソシアメンバー)ですね!
ちょうど参加し始めた時が、休校明けのタイミングだったので、「休校期間のあの対応ってどうでした?」って話になって、「いやぁ、僕たちもよくないなって思っていたんですよ」って、言っていまして。
「あ、先生たちもそう思っているんだ。これはなんとかしてあげないと行けないな」と思って。
大ちゃん(アソシアメンバー)繋がりで、アソシアを知って入られたんですね。
そこまでは、問題視することもなくって感じだったんですか?
実は、教職をとっていたので、選ばなかっただけで全く教育に興味がなかったわけではないんですよ。
で、変わった科目で、僕がとったのは技術なんですね。
教職を取ろうと思ったきっかけは、何だったんですか?
元々は中学校の時の技術先生に憧れていて。今も尊敬しているんですけど、自分は教職は選ばなかったんですよね。
では、教育に関しては全く興味がなかったということでもないんですね!
教育実習に入ったんですけど、なんだか向いているんだか向いていないんだか、難しい世界観だなって思って笑。
いやいや、その時は社会人経験もなかったので、普通ですよ。
飛び込んだニッチな世界
そうなんですよ。高校から電気電子工学をやっていて、IT系もやっていたので、そのまま今のITの仕事に入ったって感じですね。
そうですね、でも、いがぐりさんが思うよりも当時はニッチな世界で、フロッピーディスクとかの時なので。
あ、これくらいのやつですよね(指で四角形を作るいがぐり)
そうそうそう!それで、昔のPCってすごいんですよ。中学校の頃買ってもらったPCは本体だけで44万円で(汗
で、メモリーが拡張されて、1MBなんですよ。1GBじゃないんですよ。
1MBのPCですごいと。で、メーカーの人が納品をするときに来てくれた時に、「もうこれで、一生PC買わなくていいと思う!」って言ってて。
まぁ、その後すぐに買い直すことになりましたけど笑。
いま、もうその値段で何百倍もスペックのいいもの買えちゃいますもんね。
なんかでも素敵ですよね。学生の時に教職をとっていて、それがまた時間が経ってアソシアという形で教育に関わるっていうのも。
そうですね、はい。そこは確かに面白いなって思いますね。
アソシアに入ってからの変化
ビジネススタイルとアソシアの関わりかた
では、次にかとちゃんがアソシアに入って、変わったなぁとか、逆に変わらななって感じることがあったら教えてください。
そうですね、その前に会社でやっていたボランティアに似ているなって思って。
これまでの仕事って、BtoBのビジネスばかりなんですね。
割と会社対会社の考え方ではなくて、会社対個人、個人対個人の考え方ってあまり持っていなかったんですね。
でも、アソシアでそう言ったことを経験していく中で、なんか分からなかったことが見えてきたなって感じがします。
確かに、アソシアは個々の関係がほとんどですもんね。
そうそう、それで、個人の要望に答えるっていうのをこれまであまりやってきていなかたので。
そうですね、例えばマヤ暦とか。マヤ暦のページって「こんなのがWebでできればいい」ってところからスタートしていて。
Webかーと思って笑。でもそれって、サーバー作るのかとかどういう風にするのかとかにもよるじゃないですか。
でも、いろいろ話を聞いていくとどんどんと形が決まっていって、結果なんかできていって。
そうですね。で、学校に必要なのはBtoCなんだろうなって思いました。もちろん対行政のBtoBもありますけれど。
間違い無いですね、本当に。かとちゃんはそれを生かして、どうしていきたいとかってあるんですか?
そうですね、一番は自分の視野を広げたいっていうのがありますね。
あとは自分の子に障がいがあって、それが色々考えなければならないきっかけになったかなと感じています。
得意分野をさらに得意に
もう1個は、自分の得意な分野が分かったかなっていうのがあります。
だから、ITじゃないんですよね笑。広く言えば一緒かもしれませんが。
なんかそういうのは、高校の頃からずっとやってきているような気がしてて。
例えば、計測してデータをとって、整理をして、考察してっていうのの繰り返しをずっとやっていたんですね。
だから、何をやってもこれって同じなんですよね、で、これが整理なのかなって思っていて。
あ、でもね、僕あまり1個のことを突き詰めるのは得意じゃないんですよね。
たぶん、いろんなことを広く浅くするのが得意で、分からないことでもなんとかなるって思っているんです。
浅く広くと言っても、かとちゃんの広くは拡大し続けていますよね笑。
中学校から大人まで先生や上司から言われて聞いたことが自分の中ですごい残っていて。今思うと、結構しっくりきているんだなって思います。
かとちゃんの浅いっていうのも、他の人から見たら相当深いですよね笑。
だから、そういうところで、自分が役に立てるところをどんどん見つけていければ、きっと自分にできることが増えていくのかなって思いますよね。
多様性と他者理解から生まれる関係
理想の教育
じゃあ、少し教育系にシフトして、かとちゃんにとっての理想の教育とはなんですか?
いま、一応やろうとはしていることなんですけど、ダイバーシティ教育かなと思っていて。
へー、なるほど。どうしてそう思われているんですか?
それぞれの状況に合わせた教育ができるといいなって思っていて。画一的なっていうのが時代にもあっていないと思うんですよね。
あとは自分の子供のことも考えていて、例えば、合理的な配慮とかってどこまでしてもらえるのかって分からないですよね。
たしかに曖昧。でも、ここに合わせたものって絶対に必要ですよね。
なんか、だからそういうのが普通の社会になるといいなって思っていて。
それをやるのがある意味ITだと思っているので、そんな部分でサポートできたらいいなって思っています。
”知る”から始まるコミュニケーション
かとちゃん的には、普通級と特別級の分けかたってどう思いますか?
必要ないかなって思っていて、多分、分けるからお互いがわからないのかなって思っています。
うちの会社って外資系なんですが、ダイバーシティとかそういうのを知るきっかけを結構与えてくれるんですね。
例えば、他の会社とコラボレーションしてLGBTQの講演会をやったりとかですね。
LGBTQとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング)の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとしても使われることがあります。
https://tokyorainbowpride.com/lgbt/
「あぁ、こういうのがあるのか」って思うと、自分は分けられた世界観でいたのかなって感じることがあります。
分からないと何もできないし、それが距離感につながってしまから。分けない方が今の普通なんじゃないかなって思います。
必要なのは公正、平等は見かけのもの
そうですね。最近だとICT化が進んでいる学校では、ある子はデジタル教科書を読んでいて、ある子は音声で聞いていたり、普通に教科書を読んでいる子もいたりと好きに選んでいいらしいんですよ。
うちにも目が弱い子がいて、模写が苦手なんですよ。そういう子にはiPadで撮っていいよって言うんですけど、公立の先生からはまだ変な反応されますね笑。
そうですよね。その子だけ撮っててずるいというと意見が出てしまうんですよね。
画一的であることが平等だと思っているので、なんか特殊な世界観ですよね。
でも、学校と企業の大企業病ってすごい似ていますよ。
画一的なことを求められるって、自分が感じていることを、学校の先生も感じているので笑。
理想の教育とアソシア
アソシアはうまくいっていない!?
かとちゃんの理想の教育とアソシアってどんな結びつきがあると思いますか?
なんか、アソシア自体がうまくいっているのかうまくいっていないのかっていう、微妙な感覚があるんですね笑。
目に見える形での教員支援って、できないないなって感じているところがあって。
確かになかなか直接的なことはできていないですよね〜。
できているところもあるんですけど、間接的なところが多いかなって思っていて。
そう考えると、先生との直接的な関わりが少ないですもんね。
先生との距離感ができてしまっているのが、なんとかしたいなって思っているところなんですね。
アソシアはこたつでもいい!
だから、最近言っているのは、アソシアは教員支援じゃなくて、居心地のいい場、”こたつ”みたいな笑。なんかそう言うような場でいいんじゃないかって思っていて。
そんな場所ってなかなか先生の職場ではないですもんね。
だから、ここに来れば悩みを吐き出してもいいし、問題とかをみんなで考えて、それで元気になったらまた出ていくみたいな。
自然に戻ってこれる場でいいんじゃないかなって思っています。
真面目な視点で見るとふざけているだけと言うか笑。やたら通知くるし笑。
でもある一線を越えると、どんどんどんどん深いところに入っていきますよね。だからもっと、メンバーを巻き込めて行けたらいいのにって思うんですけどね。
そのためにやっぱり、お互いを知るって言うのが大切なんですね。
もうちょっと距離感を詰めていきたいなって思っています。
で、直接的なものもやっていきたいなって僕は思っているので、支援ツールやったりとかGoogleフォーム作ったりとかしているんですけど。
まだまだ内容は薄いですけど、先生たちとの距離を縮める策の一つになったらいいなって思っています。
助けて欲しい先生はあれだけでも十分嬉しいですよね。
でも、直接的な方ばっかりだと、疲弊もしていってしまうので、今のミライフみたいなマインドを変える部分も絶対に大事になってくると思います。
かとちゃんからのメッセージ
最後にかとちゃんから、みなさんへメッセージをお願いします。
私は保護者目線で参加しているんですが、保護者からすると先生との距離感って感じていると思うんですね。
お互いに本音で話してみるとわかることもあるし、お互いに踏み込んでいけるといいんじゃないかなって思っています。
結局のところ、究極の教員支援って「手伝えることがあればやりますよ」って声かけをするだけでもいいんじゃないかなって思っていて。
専門的な知識がなくてもできることって多いんじゃないかなって。だからそう言う意味では、先生を応援して欲しい。
小学校にもお迎え制度?
僕今、幼稚園の子と小学校の子がいるんですけど、幼稚園の先生の方が距離は近い気がするんですね。
そうなんですよ。だから、結局のところ、コミュニケーションかなって思っていて。
やっちゃった感で深くつながる
あとはお互いにやっちゃった感があるといいのかなって。
以前の仕事でもあったんですけど、仲良くなったのって色々やっちゃったお客さんなんですよね笑。
障害対応でしでかしてしまったとか、逆に向こうがすごい詰め寄ってきたのに、結果うちのせいではなかったみたいな。
そう言うのがあると、あんなことあったよねって言って、ずっとその後も繋がっていける気がするので。なんか、そう言うのがあると仲良くなれるんだろうなって思いますね。
壁はないはずなのに、お互いに距離つくっちゃっているって言うのがいけないことなのかなって思っています。
理想の教育のため、コミュニケーションで心の距離感を払拭
今回はアソシアメンバーのかとちゃんからお話を伺いました。
アソシアにはいろんな職種、いろんな年齢、いろんな価値観を持って人がたくさんいます。
そして、それは学校も同じ。
アソシアは一つの理念に沿って、それぞれが行動をしていますが、学校では理念も何もない生徒がそれぞれ関わりあいながら生活していきます。
そんな学校の中で、互いの理解を増やしていくためにはどうすればいいのかを存分に話せました。
コミュニケーションを通して違いを知るからこそ、他者理解が進み理想の教育が生まれる。
学校現場だけでなく、アソシアにももっともっと必要な時間だなと感じました。
かとちゃん、ありがとうございました。
ぶち壊せ!