この間、コミュニティ・スクールについて講演会をさせていただいたのですが、その中で…
地域にはみんなで100年後の未来を明るくしようという団体を新しく立てました。その団体は非常に盛り上がっており、一生懸命地域の中で活動をしております。
新しくコミュニティ・スクールが設置され、地域学校協働本部をまた新たに新設しなければいけないのでしょうか?
すべての学校がそうだとは言えないのですが、私たちの団体のように学校にはPTAや、子供会など、地域の中には既存の団体で盛り上がっている団体がすでにある…という場合あり得ます、それはどうすれば良いですか?」
という質問がありました。
たしかにコミュニティ・スクールが設置させるとなると今まで続いてきた組織(PTA、学校評議員制度、子供会、親の会などなど…)とか気になりますよね。
今回はその辺りを深く掘り下げて答えていこうかなと思います。
そもそも何もかも新しく何かを作らなければいけない制度ではない
勘違いをしてしまいがちなんですが、コミュニティ・スクールは設置という言葉を使っていますが、その実体は学校運営協議会や、地域学校協働本部、そしてそこに繋がっていく人々で形成されているという前提に立って考えていきましょう。
それぞれの役割をよく認識していくと見える関係性
コミュニティ・スクールの最終目的は人々が繋がって幸せになることです。
そのために、これからの地域の担い手を育てる教育から話し合う場が学校運営協議会となるのですが、学校運営協議会は実働部隊ではなく、あくまでも中枢というもので、どちらかというと、方向性を決める人たちになります。
地域学校協働本部はその方向性に沿った活動を行って、人々の繋がりを作っていく団体になります。
すでにやっているよって場合がある
で、今回の質問のように「すでにやっているんですけど…」という声が挙がってくる場合があると思います。
人の究極の幸せというのは言葉や、表現は違えど似通ってくるもの。
「みんなで話し合って決めて、やりたい人たちが楽しくやって、みんなで幸せになろうよ」
なんて答えはコミュニティ・スクールって制度を使わなくても、昔から地域と学校が密接に繋がりあっていて、一緒に何かを生み出している…というケースなんてたくさんあると思います。
むしろ、「おいおい、今更そんなこと言ってるのかー?遅いぜー!」なんて言ってしまうかもしれません。
そういうところはそれで良いんじゃないかなと思います。
地域の人、保護者、教職員など、みんなで意見出し合って地域や、学校の方向性を決めていたんだとしたら、学校運営協議会にすれば良い。
地域の困りごとや、地域を活性化することをやっていこうぜ!なんてやっている団体があるんだとしたらそこを地域学校協働本部にしても良い。
なんでもかんでも増やすのではなく、以前からあるものを「認められましたよ」と言って、昇格させてあげるのもアリだと思うのです。
※実際、国から予算もついているし、市によってはちゃんと割り振っているところもあります
盛り上がっている団体があるって良いこと
最近では、
- 地域との繋がりがなくなった
- 人との交流がなくなった
- 挨拶したら不審者だと通報された
なんて明らかに地域の縁が弱くなってしまっているケースもたくさんありますね。
そんな中で「私たちの地域では今、活性化している団体があるんですけど」なんて質問が出てくること自体、素晴らしいことなんじゃないかと思うのです。
これが出てきたら教育委員会ではしめたもの。
まさしく地域のキーマンがそこにいると思ってもらって良いと思います。
既存の団体が盛り上がっていて何が悪いのでしょうか。
コツコツと自分たちがやれることからやって、積み上げてきたものを制度として乗っからせてもらうだけで良いのかなとも思うのです。
※もちろん、学校運営協議会と地域学校協働本部の役割と近いことが前提ですが。
特に地域学校協働本部は今まで地域活性化のために尽力してきた団体と役割がかぶることが多いので、ここは簡単に移行できるかと思います。
規約を整えたりなど少し大変になる部分は増えるかもしれませんが、協力者は増え、何より活動資金も前よりちょっとだけ潤沢になるかもしれません。
ぜひ、教育委員会や、学校などにもかけあって、そのまま私たちを成らせてくださいと言っちゃってください。
応援しています。
より詳しく知りたい方はコミュニティ・スクールの作り方・進め方マニュアルをご覧ください。