クラス会議を行うタイミング

ソルティー
ソルティー

もう一つ質問したいんですけど、クラス会議っていつのタイミングでやるとか、この教科の時はクラス会議差しこんだ方がいいとかあるんですか?

たいち先生

学活って週に1時間あるんですよね。

時間割の中で学級活動っていう時間が年間35時間あるんですけど、最初の5時間くらいは係活動決めたりとか、いろいろクラスのルール決めたりとか給食の指導とかしなきゃいけないんですけど、残りの30回はもう僕の全ふりで全部クラス会議やってました
そうすると自然に年間30回は確保されるので、その時間は全部やってたかなって感じですね。

それ以外にも例えば総合とか道徳の時間とかそういう時間にもクラス会議にとらわれすぎなければやってましたね。

例えば総合学習の時間で環境のことをやっていたら、「この川をきれいにするにはどうしたらいいだろう」っていうのを皆で丸くなって話合うみたいなふうにして。

ソルティー
ソルティー

応用をきかせるんですね。

たいち先生

そうそう。

っていう感じでだから話し合いは丸くなって喋るみたいなことをやっていました。

あとですね、さっき出た議題が出すぎるって問題も出てくるんです。

最初のうちは全然議題が出ないんですけど、「これいいぞ」と思うと子供達がいっぱい議題を出してくるんですよ。

それで開けてみると15枚入っていましたみたいな、これ1時間で1個しか喋らないといつまでたっても自分の議題が喋られないっていう問題が出てきました。

そうなったら小グループをつくって、別に全員でやらなくてもさっきのハッピーサンキューナイスだけは皆でやって、その後例えば15個はさすがにちょっと難しいですけど10個くらいであれば、3人づつくらいでグループを作って、小グループでその議題を話し合って解決策までを決める

また最後戻ってきて皆でシェアするみたいなふうにしていくと悩みがいっぱい相談できるっていうふうにやってましたね。

ソルティー
ソルティー

工夫をするということですね。

たいち先生

そうですね。ホワイトボードとか使ってやっていくといい感じになります。

クラス会議の議題の決め方

ソルティー
ソルティー

いいですね、そういうやり方があるって。

そういえば、議題BOXの議題ってどういう項目があるんですか?
悩みはこんなのです、みたいなのは分かるんですけど。

たいち先生

この本に書いたんですけど議題提案シートっていうのがあります。
自分の名前と、日付、あとは困っている悩んでいる、助けてほしい、相談したい、アイディアがほしい、良いクラスにしたい、お知らせしたい、いい学校にしたい、その他みたいなふうに選んでもらいます。

内容を書いていくっていうのが議題提案シートなんです。

別にこのとおりじゃなくてもいいんですけど、でもこれにしておくとってことでさっき言ったように誰誰君がみたいなことで名指しですぐ問題がおこる場合もあるんですよね。

「ソルティーがいじめてくる〜」みたいな。

そしたら皆の前で発表するときはソルティーとか無くしてあげて、男の子が嫌がらせを受けていますみたいなことを皆に言って話し合いを始めるって感じです。

ソルティー
ソルティー

なるほど。じゃ、提案する人は分かるんですね。

たいち先生

それはもう責任を持って自分で言わなきゃいけないので、匿名は無しにしようねって言ってます。

ソルティー
ソルティー

なるほどね、匿名制じゃダメなんですね。

たいち先生

ダメかなー。匿名にしちゃうと誰に聞いていいか分からないですよね。
その子が困ってるから助けてあげようみたいなことが大事なので。

それは議題提案したとして、ちゃんと皆の前でこういうことがありましたって言ってもらって、そこで皆が質問受け付けるんですよね。

例えば「いつやられてるんですか」とか「何回くらいやられたんですか」とか、ちゃんと答えられるようにするみたいなことも匿名ではやったことはないですね。

クラス会議の本について

ソルティー
ソルティー

について聞きたいんですけど、対話で皆がまとまるたいち先生のクラス会議ってあるじゃないですか。
それって他にもクラス会議の本って何個かあるんですよね?

たいち先生

はい、あります。

ソルティー
ソルティー

違いっていうか「僕の本はこうゆうのが詳しく書いてあるよ」とか「僕のクラス会議の本いいよ」っていうのがなんかアピールポイントとかあれば。

たいち先生

僕もやる前にいろんな方の本読ませてもらって、やり方全部学んだりとかそれぞれの良さがあるってさっき言った通りなんですけど、自分が一番困ったのはやっぱり上手くいかなかったことがいっぱいあったんですよね。

1つ目は1年目、2年目なんか特に全然話し合いになってないとか、余計トラブル増えたみたいなことがいっぱいあったので、そうしたところに寄り添えるようにっていうか。
こういうときはこうしましたよみたいなことを割といっぱい書いたかなっていうのが一つ。

2つ目はさっき言ってたようにそのクラス会議っていう手法なんだけど、手法でやり方の本なんだけど、ノウハウだけじゃ上手くいかないんですよね

こっちの先生のあり方とか想いとかがちゃんと入っていたり、やり方だけマネしても全然上手くいかなくて、最初僕はそこしか見えてなかったですよ。

本を読んで「こうやってやるのね」「こうゆう方法でやるのね」しか考えてなかったんですけど、上手くいかなかったので先生としてのあり方や考え方を合わせて書いたっていうのが違いかなと思いますね。

ソルティー
ソルティー

なるほど、ありがとうございます。

今まさに悩んでる困ってるみたいな、つまづいちゃってるって人はたいち先生の本を手にとってもらえると良いかなって感じですね。

たいち先生

そうですね。

これから教員になりたい人へ伝えたいこと

ソルティー
ソルティー

最後に僕からの質問なんですけど、教員ってだんだん減ってるじゃないですか。
これから教員になろうとしている人もたくさんいると思うんですけど、教員になろうとしている人にたいち先生からのありがたいお言葉をお願いしたいなと思っています。
頑張れよーみたいな、あるかな?

たいち先生

ありがたいお言葉か〜。

そんなありがたい言葉はいえないんですけど、お正月休みに10年前に担任した子とスタバにいったんですよ。

その子も全然しゃべれない子で教室の中で一言も喋らなかったんですけど、その子がインスタで見つけて、「先生お茶しましょ」って言ってくれてお茶しに行ってきたんです。

その子は18歳になって今度の4月から働き始めるってことで、何か先生にいろいろ聞いてみたいという話でお茶してきたんです。

なんかめちゃくちゃ幸せな仕事だなと思ったんですよ。

ソルティー
ソルティー

たしかに!それが先生の醍醐味ですよね!

たいち先生

その子に自分の思ってることが伝わってるとは思ってなくて、10年前は見えなかったんですけど、10年後にそんな贈り物が届くみたいな感じが幸せだなと思って。

去年も成人式を迎えた子達が「先生飲もうよ」って言ってくれて、成人式のときは飲めなかったんですけど、1カ月後に10人くらい来てくれました。

いっしょにお酒を飲んで、すごいやんちゃな子達だったんですけど、サッカー部でいっしょに関わってた子たちで飲んでたら、そのやんちゃだった子ほどすごい真面目になっていました。

すごい気を使ってくれて、いろいろ喋ってたら「先生はめちゃくちゃ愛を感じたんだよ」みたいなことを言いだしたんです。

「うそー、そんな態度だったっけ」みたいな。
「そんな全然言わなかったじゃん」と思うけど、ちゃんと伝わってるってことが分かって泣きそうになったんですよね。

ソルティー
ソルティー

いやぁ、泣けちゃうなぁ。

たいち先生

あとは、最近またYouTubeを1本出したんですけど、教え子で不登校だった子がN高校に行って「動画編集をやりたい」って言ってたんです。
それで、「じゃ、先生のやつやってよ」っていって渡して、その子が編集してくれたからあげたんですけど、すごい嬉しいなと思いました。

分かりますか、この感じ?このタイムマシン感というか過去からの贈り物みたいな。
上手く言えないですけど。

その頃は必死にやってたし、全然上手くいってないと思ってるし、何かぐちゃぐちゃだったと思うんです。
だけど、伝わる子にはきちんと伝わっているのが、10年後に答え合わせのように分かるっていうのは、本当に幸せな仕事だなと思っています。

だから「教師受難の時代だってすごい言われてるし、大変なこともいっぱいあると思う。でもそういう良さもあるよ」って伝わってくれるといいなって思いました。

クラス会議でクラス運営を円滑に

それでは今回のインタビューのまとめです。クラス会議を行なう時は以下の点に気をつければ良いことが分かりました。

クラス会議を行なう時に気をつけること
  • みんなが平等だよ、対等だよという意識
  • 輪番制で自分が喋る番が必ず回ってくる。(パスは可能)
  • 先生も子供も個人的な悩みを出していい
  • 起こった問題を子どもたちに解決させる
  • 徐々に慣らしていく
  • 良いことから入ってネガティブになりがちな思考を止める
  • 課題箱を用意して、それをもとに話し合いさせる
  • 課題を出す人は匿名にしない。その子のためにという意識を付ける
  • 10回の道徳の授業よりも、1回のクラス会議が効果ある
  • 最初はうまくいかない、長期的な視野を持ち、諦めずに行なう
  • 学活の時間をクラス会議に当てる
  • クラス会議で決めたことは先生の権限で勝手に結論を変えない
  • 時間がないからやらないじゃなくて、やらないから時間がないと思うこと

元々、学級会や道徳の授業などで生徒同士で話し合うとする時間はありました。

ただ、多くの場合は声の大きい子の意見が採用されたり、惰性でなんとなく進んでしまうことが多いのが現状です。

さらに最近では先生が忙しすぎて、生徒への接し方からクラス運営まで様々な影響が出ている印象です。

「忙しい…」と思っている先生ほど、今回解説していただいたクラス会議を導入して、円滑なクラス運営や先生の過度な負担が少しで減ればと思います。

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