「公立の小学校だから何もできない」って言葉を使う先生がいます。

タブレットを全校生徒に配布!など情報教育の整備がなされるケースが増えましたからこそ出てくる言葉だなぁ…って感じます。

今はデジタルディバイドと言って、情報処理の格差が半端ないことが課題になっています。

かたやタブレット全校生徒に!オンラインの授業でいつでもどこでも学習環境!みたいな学校もあれば、タブレットなんてない!あるのは自然!なんて学校もあるようです。

そういう大自然が勉強の話!情報機器なんてとんでもないなんて学校は「あの学校は良いよね。何でもあるしね…」とか、「それって附属学校だからできるんでしょ?」って愚痴みたいなもんが出てくるのです。

ただ、公立の小学校だから何も生み出せないと言ってしまうと、そこから先、何も発展しないなって思うのです。

そのように感じた理由と、一体どのような考えになれば良いのか?をお伝えします。

公立小学校でも業務改善は可能だと考えた理由

実は公立小学校では、校長先生が「やろう」と言わないと何も先に進まないと思っていたのですが、そうではないと思ったイベントがあります。

2月の時、福井大学ラウンドテーブル『実践し、省察するコミュニティ』に参加してきたのですが、そこの学校の取り組みが素晴らしかった。

実践し省察するコミュニティ、福井大学ラウンドテーブル

この発表会では、福井県や、近隣県の小中学校の教育関係者が集まっていました。

「福井は最近、教育がすごいということで、はるばる鹿児島からやってきました」なんて先生もいました。

僕はこのイベントではポスターセッションのプレゼンターとして出ていました。

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ソルティー
茨城からは誰も参加者がいなくて、勝手に茨城代表!と気を引き締めました(笑)

学校業務を改善をした3つの事例

松本小学校の取り組み

僕が見てきた学校では、当たり前を当たり前と捉えてしまっていて、この当たり前を何かしようとは思っていない先生が多かったように思います。

それを福井の発表する内容はどれも校長ではなく、若い中堅層(20代後半〜40代)の先生方が中心になって動いていました。いわゆるミドルリーダーって人が中心になっているケースが多かったですね。

どんな取り組みがあったかというと、特に面白かったのは3つですね。

改善1:通知表がなく、子供たちによる自己評価

通知表

通知表をやらないで、子供たちによる自己評価シートにしているという小学校がありました。教科もほとんど総合の時間しかなく、国語・算数・理科・社会なんてものがありません。

その代わり、総合の時間で子供たちの興味から教科横断的な授業を展開するという…、しかもそれが仕組みとして完成されているすごい学校でした。

次世代の学校の完成形…ですが、仕組み自体を作ったのは校長です。ただ、中堅の先生たちも参加し、自分たちの意見もどんどん言って、学校の変わるペースが早いと。

先進的な取り組みであっても、教員がチーム一丸となって進むことで驚異的な力を発揮しているのかなと思う取り組みでした。

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ソルティー
この学校は取り組みがすごすぎて、遠いけど後日取材に行きたい…。

改善2:子供を管理せず自治制の学校に

学校の先生たちは「自分たちの学校では新しい取り組みは何も生み出せない」と感じている方も多いかもしれません。

この学校は子供が全く言うことを聞かない問題校で、学校は荒れ放題。

授業が授業にならず、授業をしていても、誰も聞かないばかりか集団で抜け出していってしまうというような学校だったそうです。生徒指導でなんとか落ち着いていたという状況。

しかし、諦めていても何も進まない。新しく赴任した中堅層の先生が「こういうのは俺たちの代で終わらせよう」と奮起し、数年かけて問題を解決したという内容でした。

でも、とりあえず始めてみました。管理職と主幹教諭を中心に研修の方向性を話し合う時間が組み込まれた。

やったことは子供をなんとかするというよりも、学校の先生自身の意識改革。

  • 職員の研修
  • 授業をオープンにする文化
  • 管理として規律ではなく、自治能力を持った小さな社会を作る

自分たちの置かれた環境から何かできることがあるはず。

今からできることは何なのか?と挑戦し続ける姿勢がそこにありました。

改善3:教師の成長を児童生徒に落としていくという取り組みが当たり前に

研究主任が研究全体論を作成・検討

新しい人が入った時、なぜ新しいことが起こらないのか?という問題に立ち向かった学校もありました。

新しい先生や、新採用の先生がくるとここでは自分は何もできないと感じてしまう。「前の先生はこのようにやってたよ」という主体性が削られてしまうので、郷に従ってしまう。

そこで大事にしたのが教育理念。何のためにこれを行うのか?を大事にしたようです。

手立ての有効性に重きが置かれる授業協議会になっていないか?授業改善のための職員研修サイクルのマンネリ化自校における教科、領域の理念が新任・若手職員に伝わっているか?

教育理念は本当に僕も大事だと思っていて、理念がないとどの取り組みも正解かどうか判断できなくなってしまうし、自分たちもこの取り組みが何につながっているのか見えにくくなってしまうんです。

この学校では教育理念の体現が子供たちにできたか?を子供たち自身を通して教員が実際に見ることで、その教育理念を浸透させることに重きを置いていました。

生徒の資質・能力を育成を通して見える化する

公立の小学校だから何もできないは言い訳に過ぎない

公立の小学校だから何もできない。何も生み出せない。

そのような考えのままでいるとどんどん他の県や、学校に置いてけぼりをくらってしまいます。

今回の層では、管理職だけではなく、中心になっているのがミドルリーダーという中間層に多かったような印象でした。

大切なのはどうしたらできるか?今からできることは何かないのか?を考えること。

手法は無限大にあります。

権限自体は校長が持っているかもしれません。教育委員会が持っているかもしれません。

でも、部下の誰もが上司を動かす権限を持っているということでもあると思うのです。

結局は自分が動くか動かないかなんだろうなと感じた出来事でした。