こどもアートフェスタでの気付き、第二弾です。
前回の話はこちら。
▶プログラミング教育事例!Sphero社のSPRK+を初導入した結果、絶大な効果が!?
▶第四回こどもアートフェスタ in 取手でプログラミング教育ブースを担当します
こどもアートフェスタで出店した内容で電子ボールプログラミングの他にもう一つ行ったことがあります。
それが絵本を使ったプログラミングです。
今回は絵本プログラミングの成果をちょこっとシェアします。
論理的思考とは?
筋道を考えて計画的・論理的に実行する考え方。物事を筋道を立てて、「こうなるだろう」という予測の元で動いたり、「こうしたい」という目的を実行するために計画的に実行するチカラのこと。
感覚を重視し、感じた通りに実行する考え方。言葉は直感ではなく、直観であり、感じたことと一言で言うほど単純ではなく、経験や、予測などを瞬時に使い、行動を決定する能力。自分の感覚や、自分の考え方を大事にし、計画性よりもすぐに実行するチカラのこと
カンタンに言うと、
- 論理的思考 = 「きっとこうなるハズだからこうしてみよう!」
- 直観的思考 = 「あ!これやろう!」
の違いです。
この辺りは論理的思考とプログラミング的思考を学校の先生に向けてどこよりも分かりやすく解説に詳しく解説を加えてあります。
論理的思考を学ぶとどうなる?
論理的思考を学ぶと自分の目標、スケジュールがハッキリするだけでなく、相手に対して具体的に分かりやすく説明ができるようになります。
論理的思考が育まれると、相手との境界線が生まれ、誰でも理解できるように物事を分解し、一つ一つ明確にする能力が身につきます。
なぜ本ではなく、絵本とプログラミングなのか?
プログラムを組み立てるには、絶対に流れを作らなければなりません。
滝から水が流れ落ちるように、上から下に命令が流れていく…。これがプログラミングの基本形です。
絵本によって構成するチカラが最も鍛えられる
このように順々に命令が進んでいき、最終的にゴールを目指していくには、ゴールを目指す過程が非常に大切になってきます。
ゴールに目指しやすくするために、どこの過程で何を作るのか…。
この【構成するチカラ】こそが、プログラミングに必要なチカラの一つなのです。
絵本も最初があり、必ず終わりがありますが、最初だけでは終わりにはたどり着けません。
どうしたら終わりにたどり着けるのか?絵本の構成能力が必要になります。
絵本には構成するチカラを育むという、プログラミングにとって重要なチカラを鍛える要素があるのです。
絵本は子供たちにも作りやすい
本は文章が主体です。
本の方が構成は大事になりますが、かなりのテクニックが必要な分野となり、子供たちにこの方法を使うと難しすぎて手が止まってしまいます。
しかし、絵本の場合、メインは文章よりも絵のほう。
子供たちも楽しみながら作れるので、作りやすいのです。
また、色を塗るという作業も人によって色彩が大きく異なるので、オリジナリティの高い本が完成します。
文章が少ない分、構成をしっかりとして取り組むことが重要になります。
スタートとゴールは一緒でも過程はみんな違うところが面白い
スタート、ゴールは決まっていても、そのゴールに行くための手段は人によって違います。
この違いこそが個性。
自分の自由な世界観によって構成されるので、どんな世界を作ってもゴールにさえ行ければ正解となります。
これこそが絵本プログラミングの最も面白いところ。
教える側も「こんな持って行き方があるのか!」と参考になる時もありました。
構成能力だけでなく、調整能力も必要
構成するだけでなく、どれだけスマートに分かりやすくできるかも重要です。
冗長的な表現はプログラミングでは嫌われます。
そのためには筋道が通っていなければなりません。
絵本でいうと2ページ目で目的地に出発する話にするためには1ページ目でどうしなければ、どう言わなければならないのか?
例えば4ページ目で敵と戦わせるシーンにしたいなら、3ページ目で武器を探させるべきか…。
ストーリー的に言うと伏線ですね。このように前提条件を考える必要があるのです。
これには今の置かれている現状を整理し、自分でハッキリと認識できている状態で望まなければなりません。
論理的思考と絵本は非常に相性が良い
論理的思考(ロジカルシンキング)は絵本と非常に相性が良いと思っています。
論理的思考で大事なことは以下の3つのステップ。
絵本の場合、スタートは結論・ゴールを目指す大きな理由を作り出します。
何か大きなことが起こってからストーリーがスタートすることもありますし、特に何も起こってなかったけど、実はいつもの日常を違う視点で見ていたり…とさまざまです。
また、ゴールは「結局これがやりたかっただけだろ(笑)」というような絵本の肝となる部分を、最初に考えておかなければストーリーに一貫性がなくなってしまいます。
さらに途中には「これがやりたかっただけだろ(笑)」に持っていく理由が必要になってくるので、さまざまな仕掛けを過程に散りばめます。
このようなトレーニングを繰り返し行えるのが、絵本の良いところです。
絵本を1ページずつしっかり作ることが子供に対しての問題になる
絵本にはドリルのように問題はありませんが、「1ページ好きに使って何でも書いていいよ!」と言っているのと同じこと。
これは秋田の一人勉強ノートと同じことで、子供たちは何を書いても良いと言われると「どうすればいいか」を自問自答するようになり、組み立てる能力が大きく育まれます。
絵本プログラミングを実施した結果
今回、絵本プログラミングを行った結果は、まだまだ改良が必要だなと感じました。
どの子も自分だけのオリジナルストーリーを作ることは楽しいようで、ワクワクしながら絵本を作っていましたが、やはりなかなか時間内に思い浮かばないというような子も多く、絵本に普段から触れている子じゃなければ想像の枠が狭くなってしまう…そんな印象を受けました。
どの子も同じように流れを意識しながらワクワクして作る……、このハードルをクリアしていくことが今後の課題となりそうです。
単に絵本製作したのではダメ
難しいところは絵本製作と、絵本プログラミングは何が違うの?というところです。
普通に作ってしまったら、ただ絵本を作るのと同じになってしまうので、私たちはその点を気をつけながら実践しました。
どの子もしっかりと構成を考えてくれましたが、やはり慣れている子は早いし、やったことない子は手が止まっていました。
今後はこの状態をどんな子でも楽しみながら考えられるようにしていきたいな〜と思っています。
保護者にも役立つようにしないと使いにくい
絵本作成って、保護者にとっても良いんじゃないかなと思ったんですが、意外と保護者ウケが良くなかったという意見が反省から出ました。
なぜかというと絵本ってかさばるからです。
「一生懸命作ったから捨てたくはない……。」と思っている保護者は多いのですが、やっぱり幅をとる。
デメリットを大きく感じますよね。
ですが、「読書感想文の作成にも役立つかも!?」とフレーズを入れたところ、数が激増!
読書感想文って子供一人で書けることが少ないようで、親が手伝うようになります。
もし、その負担がちょっとでも軽くなるなら…と思ったのか、数が増えました。
結局、作文も絵本と同じでストーリー構成能力です。
組み立てをしっかり作っておけば、あとはそのシーンを思い出しながら、どう思ったのか、何を感じたのか書いていく。
読書感想文の作成にも役立つってのは嘘じゃありませんよ(笑)
もちろん、論理的な話し方ができるようになればコミュニケーションにも効果がありますし、大人になってからビジネスの場でも役に立つハズ。
子供の内からに鍛えておくのは後々じわじわと効いてきます。
まとめ
- 構成するチカラが絵本では学べる
- 構成能力と共に調整能力が育まれる
- 目的まで辿り着くためのさまざまな仕掛けが絵本では必要になる
- どの年代の子も同じように作るのは難しい
- 保護者のメリットも考えてあげる
絵本プログラミングはスタートしたばかりですが、今回の件でたくさん課題も見えたので、こどもアートフェスタに参加して非常に良かったです。
もし、絵本プログラミングの出番をいただけるなら飛んでいきますので、ぜひお声がけください!
うちの絵本大好きな理事、菊地が大興奮しながら見せてくれた絵本です。
とっても面白いのでぜひ参考にどうぞ。