今回はコミュニティ・スクールの講演会をやった時によく聞かれる質問に答えていきます。

Q
「コミュニティ・スクールって新しい学校を作ることなの?」
A

コミュニティ・スクールは新しい学校を建てることではありません。しかし、新しい学校の風土を作ることにはなるかもしれません。

その辺りを詳しく説明していきます。

コミュニティ・スクールは今後の学校の在り方を共に創り上げる制度

既存の学校で行われる

コミュニティ・スクールには主に2つの組織が存在しています。

学校運営協議会
地域学校協働本部
  • 学校運営に関して、地域とともに協議する場
  • 学校の在り方を決定する
  • 地域にも一定の権限と責任がある
  • 学校を支えてくれる地域の資源をつなぎ合わせるコミュニティ
  • 学校のボランティアも担う
  • 地域の居場所(コミュニティ)にもなる可能性がある
  • PTAにCが加わった新しいPTAの形とも言える

つまり、既存の学校で行われる新しい制度で、新しい学校を建てることではないのです。

学校の在り方の再定義

今後の時代背景に対応した教育や、社会課題の解決を今の硬直した学校組織だけで解決するのは不可能です。

また、学校を取り巻く環境はさらに激化し、心身の不調を訴える教職員も多くなってしまっています。

そんな地域社会のニーズに対応した教育や、学校の先生の働き方改革などは、学校をどのように運営していくか?に迫る内容です。

そのため、今までの学校制度に慣れた先生たちだけでは、今までのイメージが強いため解決が難しい。

そこで、地域とともに考え、その地域に本当に必要な学校の存在意義を再定義するような場、それが学校運営協議会となったのです。

ソルティー
ソルティー

もちろん、コミュニティ・スクールが作られた理由は上記だけではありません。よく調べると学校を改革する話だけではなく、地方創生までも狙った制度だったりします。

新しい学校を作ることと勘違いするようになった原因は?

新しい学校を作るというイメージが強くなってしまったのは、オルタナティブスクールの影響ではないかなと思います。

海外では無認可校まで含めた学校の総称のことを指しますが、日本では明確な定義はまだ決まっていないようで、『学校以外の学校』とか、『もう一つの学校』を指す傾向にあります。

最近はフリースクールを創設したり、放課後等デイサービスの事業が急激に増えました。これらをオルタナティブスクールと言うこともあり、同じイメージを持った人が多かったのではないかなと思います。

コミュニティ・スクール
オルタナティブスクール
  • 既存の学校で行われる
  • 学校運営に地域の人を混ぜること
  • すべての学びの場の総称
  • 今までの学校ではない学校を作るイメージがある

同じ○○スクールですが、まったくの別物なんだということをよく理解しておいてくださいね。