基本的な中学校・高等学校には学期毎に1回ないし2回の定期試験があります。
大体、この定期試験の点数から成績を割り出し、各学期の終了時に通知表として渡されます。
では、この定期試験はいったい誰のためにあるのでしょうか。
私も教員なので、2か月に1度は試験を作成します。
毎回試験問題を作成するときには、自分はいったい何のためにこの試験を子供たちに受けさせるのか、評価のため?成績をつけるため?子供達のため?と悩みます。
そして、試験1週間前だけ部活動を禁止して、生徒の勉強時間を確保する付焼刃的な学校のシステムにも毎度毎度頭を抱えます。
先生のための定期試験
そもそも定期試験を実施しなけばいけないというような法律はありません。
児童生徒の取り組みに対して、評価することは法律で定められていますが、その形式がテストである必要はないのです。
では、なぜ定期試験を行うのか。
多くの理由が挙げられますが、その一つには間違いなく大人の都合が絡んでいると思います。
定期試験を実施して点数をつければ、おのずとその点数に沿った評価ができるからです。
コロナで休校になった昨年度には、多くの学校で定期試験ができず、この評価の部分について幾度となく議論があったのではないでしょうか?
それほどまでに、定期試験という紙面上の点数で生徒の評価は左右されていたのです。
生徒のための定期試験
しかし、それが悪いことかと言われるとそうとは言い切れません。
現に成績のつけ方がこのようにシステム化されたことで、生徒も理解がしやすく、自分の目標を設定しやすくなっている側面もあります。
さらには、日本では絶対評価による評価を行っているため、ほかの人との出来によって、成績が下がることもありません。
パフォーマンス評価と異なり努力した分だけ、点数も取ることができます。
点数を取って、ランキングに載って、周囲から褒められる。そうやって自己肯定感を高める生徒もいます。
紙面テストによる評価は、確かに生徒の一部分しか見えていないのかもしれません。ただし、この構造によって生徒も教員も判断がつきやすくなっているという利点もあります。
世間では、定期試験全廃のように大きな改革が持ち上げられますが、一概に定期試験が悪いとは言いきれないのではないでしょうか。
本当の問題は、この定期試験の意味合いを考える時間も与えられない教員の多忙にある気がします、、、。
問題作成の上で何を気を付けるのか
そんな私が問題を作る上で気を付けているのは、下記の3点です。
1.必ず3観点に則した問題を入れる。
2.授業内での発問を中心に作成する。
3.授業内での理解内容を自分で説明するような問題を入れる。
どの教科でも、どの先生でも、当然意識しているかもしれませんが、問題一つ一つがどこに分類されているのかを意識して作成するだけで、でき上がる問題の質も変わります。
定期試験の実施については賛否両論ありますが、定期試験で成績をつける以上は、少しでもその定期試験を通して生徒の成長を確認できればと思っています。