どうも、ソルティーです。
- 社会教育って何?
- 何を持って社会教育って言うの?
- 学校教育との違いって何?
社会教育という言葉に触れた時、このような疑問が湧いてきます。
ですが、調べても難しいページばかり…。
今回は社会教育がどのような特徴を持ち、学校教育や、生涯学習とどのように違うのか?ということについて、できるだけ分かりやすくお話をしていこうと思います。
社会教育とは?
社会教育とは学校教育法に基づき、主に青少年、成人に対して行われる組織的な教育活動のことと法律では定義されています。
- 社会教育法ではなんて書いてあるの?
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学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)又は就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーシヨンの活動を含む。)
社会教育法 第二条
なぜこの社会教育が必要なのか?というと、社会教育の前に生涯学習の考え方があり、人は生涯学び、自己を高めて、社会に還元することによって、より豊かな生活が送れるのです。
その機会は時間や、場所を問わず提供していくことが望ましいとされています。
簡単にいうと、大人になっても学校以外で学んで、社会に貢献していくと、よりハッピーになれるよ!ってことですね。
社会教育の特徴
正解が決まっていない
学校教育との違いは目指しているゴールが違うというのが最も大きいでしょう。
学校教育というものは、基本的に正解を求める学習となっています。何かを問われたら、正解が1つになるように導いていきます。
カリキュラムが決まっており、何年生で何を習得するということが、大体明確に決められているというのが、学校教育の大きな特徴です。
社会教育では逆で、これだけが正解ではないという学習です。
答えが分かっても、「もしかしたら、ほかにも可能性があるのかもしれない」と、探究し、発見するということが学びだと思っているわけです。
社会教育の特徴として、多数の学び、多数の答えが生まれてくるっていうことが、非常に大切な部分となります。
もちろん、学校教育が悪いわけではありません。 1つしかない答えを探すのか、無数にある答をすべてよしとするのかは、目的によって使い分ける必要があります。
場所は社会全体である
社会教育に関する活動や、事業はあらゆる場所で行われているのも特徴の一つです。
基本的には社会教育を促進するために作られた施設、簡単に言うと公民館や、図書館などの社会教育施設で盛んに行われています。
- 社会教育法ではなんて書いてあるの?
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(国及び地方公共団体の任務) 第三条 国及び地方公共団体は、この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。
社会教育法 第三条
ですが、「あらゆる場所で」と明記されている通り、どんな場所であっても社会教育は行われていると考えて良いでしょう。
最近ではオンラインが盛んになり、本当にあらゆる場所で学べる機会が増えました。学校教育でもオンラインを通じて学びを提供することが増え、学校教育と社会教育の境目はだんだんと無くなってきています。
教える人は決まっていない
社会教育では、誰が教えても良いというのが特徴です。
社会教育では免許などありません。これはあらゆる内容がより豊かな生活を送るために必要だからと考えているからでしょう。
- 家の建て方
- 料理の作り方
- 花の活け方
- 食べ方のマナー
- タイヤのパンクの直し方
- ゲームでうまく進めるコツ
など
日常生活では必須だと思えるものから、「こんなのいる?」って思えるものまで…。
人生をより豊かにするためだったら誰が教えても良いという考え方なのです。
社会教育の特徴でよくある質問
個人がやった場合はどうなるの?
例えば、個人でやった場合は社会教育って呼べるの?地域のおじいちゃん、おばあちゃんから教わったものは社会教育じゃないのか?って疑問が残ります。法律だけで考えると答えに詰まってしまうわけです。
でも、社会教育で本当に大事なところは実は法律で定義されていなかったりします。
実は社会教育法にはこのように明記されています。
組織的な教育活動(体育及びレクリエーシヨンの活動を含む。)をいう
社会教育法 第二条
法律としては「組織」と書かれているので、混乱させる元になっているのです。
Wikipediaでは
社会において、都道府県や市町村などの自治体や公的機関、博物館、図書館、あるいは大学などが公的にだれでも参加できるカタチで提供する学習の機会
社会教育とは? Wikipedia
と書かれてしまっています。(これも混乱の元)
社会教育の本当の意義としては少し違うものだと認識しておいてください。
社会教育の意義(目指すべき理想)と、法律(実際に決まっている内容)を分けて考えておきましょう。
「本来これを作っていきましょう」と、寺中作雄さんっていう方が社会教育法っていうものの、解説を作っています。
寺中さんは公民館法を作る時、すごい尽力された方なんですけども、この方の社会教育法の解説に書いた社会教育こそが本当の社会教育で本当に伝えたいことだと言われているのです。
「社会教育は国民相互の間において行われる自主的な自己教育であります。」
って書いてあって、組織・団体は出てこないし、何かの施設でやれとも書いてないんです。
自己教育とは?
自己教育ってなんなんだって言うと、学習者は自分の自己形成に向けて自ら進んで学び、自らの努力で己を高めていく主体的な教育。
つまり、自己教育は、ものすごく簡単に言うと、『なりたい自分になるために自分で行う教育』のことです。
これが、 社会教育の本当の一番大事なところなんですね。
- 自分が「こうだろう」と思っていたものが、「そんな方法もあるのか!」っていう風に思い込みが外れていく瞬間
- 「こんなこと知らなかった」と、自分の中にないものが入ってきた瞬間
社会教育は、大事な部分は自分でそれを求め、他人の姿を見てでもいいし、他人から教わってもいいし、自分で気づいたって良い。
かなり自由な教育なのです。
社会教育はなりたい自分になる教育
社会教育の特徴としては、お互いが存在しているっていうだけで、勝手に学べ、自分から気づき充実した人生を生きられる。
これが本当の本質的な部分なんだろうという風に思います。
社会教育は正解がないからこそ、非常にわかりにくいんです。
学校教育っていうのは正解があり、そして、学校で教わるもの。
対して社会教育っていうのは、社会の中でのいろんな出会いから、なりたい自分に向かって自分から気づいていって、自分自身で自分を成り立たせていくっていうことが、社会教育の特徴なのです。