元塾講師のりょうたです。
今回のテーマは、『塾講師と拘束時間』について。
塾講師とは言っても、結局は会社員なので本来は労働基準法通り「1日8時間」(+休憩1時間)という労働時間は変わりません。
とは言え、やはり特殊な仕事でどうやっても労働時間が規定よりも長くなりがちです。
今回の記事では、そんな塾講師と労働時間についてまとめています。
塾の定時と労働時間
学習塾の勤務時間としては、会社によりズレもありますが「13時~22時」が一般的です。
ズレがあっても、昼に出勤して夜(深夜)に退勤というのは変わらないです。
形上の労働時間としては厚生労働省でも定めている通り、『1日8時間労働+1時間の休憩』が原則です。
労働時間・休日 厚生労働省
- 使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
- 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
- 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。
とは言っても、そもそも22時定時だとしても、授業が終わるのが21時50分など定時直前なので、そこから生徒を返して細かい雑務やったり後片付けをやるだけでも、2,30分は軽くかかってしまいます。
この時点で、30分~1時間の残業は発生します。
ましてそこから細かい仕事も入れば、なおさら残業が発生しますよね。
ちなみに塾講師の生活パターンについては塾講師の1日のタイムスケジュールをご覧ください。
何に時間がかかっているか
主のものでこのあたりに時間を持っていかれます。
おそらく大まかなところは学校の教員も近いと思います。
テキスト作成
僕がいた塾は授業や講習などで使うテキストやプリントは外部からは取り寄せず、すべて自分たちで作っていました。
そのためテキスト作成にもかなり時間を割いていました。
授業準備もそうですが、昼間は会議をやることが多かったので自分の仕事をやる時間は正規の労働時間内ではほとんど取れない。
つまり残業するしかない状態でした。
事務作業と電話応対はその時々ですが、塾の場合は大手でもないと事務選任の社員がいないことが多いため講師が事務も兼任することになります。
当然講師としての仕事も膨大なため、実は塾講師の仕事は意外と幅広いのです。
ただし、塾によっては授業で使うテキストを業者から取り寄せている場合もあるので、その場合はテキスト作成の手間は省けます。
ムダに多い会議
また会議も昼間にやるのはしょっちゅうですが、会社や教室によっては授業後に会議をやる場合もあります。
当日に「授業後会議やるぞ!」といわれることも多々あったので、予定が狂うこともありました。
特に教室長になると、たびたびこういうことがありました。
某塾では22時に授業が終わってから、0時くらいまでほとんど毎日教室ごとに会議をやっていたなんてこともあったそうです。
つまり授業が終わっても深夜0時までは確実に帰れない…。
さらに会議でなく、突発的な仕事が入ることもあります。
僕の場合は出勤したらその日のうちに説明会の資料をイチから作れと言われたことがあります。(先輩2人といっしょに)
22時まで授業をこなしてから、授業のあった教室まで1時間かけて車で戻る。
その後、3人で力を合わせて朝4時まで仕事をして何とか仕上げたなんてこともありました。
これはさすがにレアケースだと思いますが、特に地方の中小など規模がそこまで大きくなく安定してない会社だと、このように突発的な仕事に時間を持っていかれる傾向があります。
生徒・保護者対応
ここを残業に含めるのは微妙な感じですが、時間的に終業後の時間に面談をしたり、相談事を受けることもあります。
こういった生徒や保護者に寄り添うことも、塾講師にとって大切な仕事です。
さすがにここを無下にするわけにはいきませんから、しっかりやりましょう。
生徒・保護者がかかわることに関しては、多少の残業もやむを得ないですね。
塾によってはさらなる拘束時間も
僕が勤務していた塾は、他の塾から転職してきた方も多かったため、様々な塾の内情を聞く機会がありました。(2014年~2015年ごろの話)
拘束時間でいうと、某大手の塾は22時に授業や雑務などが終わったとしても、深夜0時までは帰れません。
基本的に毎日教室ごとに反省会や会議などをするそうで、どんなに早く仕事を終わらせたとしてもそれなりの残業が発生することになります。(残業代が発生するとは限らない)
残業は塾によって事情は異なってきますが、いろんな塾の話を聞いた限り定時で帰れることはほとんどなく、残業をしたとしてもきっちり残業代が出るとは限りません。
ちなみにこの某大手の塾、僕が勤めてた塾の近所に教室があることが多かったですが、深夜0時や1時に退勤してもほぼ100%明かりはついたままでした。
僕が勤めてた教室の教室長曰く、「午前3時に退勤しても、むこうは明かりが点いてた」とのことでした。
塾講師は拘束・労働時間が伸びがち
塾講師も学校の教員も共通するのが、生徒や保護者絡みのことはどうしてもイレギュラーな部分が出てくること。
計画通りに仕事ができるとは限らないし、塾については会社の体制によってはなおさら労働時間が間延びすることもあります。
気がつけば、膨大な残業となっている場合もあります。
ついつい長くなりがちな労働時間。
僕も結局はドクターストップがかかるなど、体調がかなり悪化してました。
仕事はムリのないようにしましょう。