こんにちは、ソルティーです。
アクティブラーニングや、主体的で対話的で深い学びって皆さんは考えたことありますか?
カンタンに使ってしまう言葉ですが、主体的って?対話的って?学びって?と改めて聞かれてしまうと、うまく答えられない気がしています。
第1・第3土曜日に先生たちの対話の場、LHR -Learn Hack Room-を開いていますが、今回のテーマはアクティブ・ラーニングについてで、非常に面白い話が出てきていました。
どんな話かというと
ということ。
生きる力ってなんだろう?生きる力を身につけるためにはどうしたら良いんだろう?
そんな悩みを持っている方に今回の話は役立つと思いますので、ぜひ読んでみてください。
アクティブラーニングで身につく自律して生きる力
アクティブラーニングで身につく力は何なのか?とグループのみんなで話し合いましたが、今回のチームでは自律して生きる力というのは一致していました。
アクティブラーニングは従来のような先生の話をただ聞くだけの受動的な授業ではなくて、積極的・能動的な授業学習です。
で、どうして子供たちが積極的に学びたくなるのか?どうしてアクティブラーニングになっていくのか?というと、「もっと幸せに生きていきたい!」「好きなことを形にしていきたい!」って子供たち自身が気付けるかどうかだと思っています。
自分自身もそうでしたが、何となく聞く授業って、ほぼまったく覚えていません。
逆に自分が興味のあるもの、必要だと思った知識は頭の中に身についています。つまり、手法とかではなくて、意識が向いて自分に必要だと感じれば感じるほど覚えている。
聞くだけではなくて、「この知識を活かせるかな?」「一生懸命聞きたいな」ってことがアクティブラーニングの根幹なのではないか?と感じています。
子供は大人たちの幸せな姿に憧れてなりたい職業を決める
子供たちに「夢はある?」って聞くと、「うーん」って悩みながらも、「こんな風になりたい!」って言ってくれると思います。
どんな生き方をすれば良いか?に正解はありません。でも、子供たち自身からなりたい職がふと出てきたりするのは、きっとその職業になっている大人たちが幸せそうにしているのを見たからでしょう。
Youtuberが子供たちのなりたい職業ランキング3位になったという話は有名ですが、きっとYoutuberになったのを見て「面白そう!」「楽しそう!」「幸せそう!」って思ったからだと思います。
もちろん、「こうなって欲しい」って親のエゴはあったりすると思うのですが、子供たちの主体的な学びはいろんな大人が幸せに生きて、楽しそうって姿を見せることで、子供が勝手に目指し始めてくれるのではないでしょうか?
生きる力とは何なのか?
では、生きる力とは何なのか?
生きる力はこういうものであると定義されています。
1)学びに向かう人間性等
学びに向かう人間性とは「主体的に学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力や、自己の感情や行動を統制する能力、自らの思考の過程等を客観的に捉える力など、いわゆる「メタ認知」に関するもの」だとしています。
また「多様性を尊重する態度と互いのよさを生かして協働する力、持続可能な社会づくりに向けた態度、リーダーシップやチームワーク、感性、優しさや思いやりなど、人間性などに関するもの」も重要な要素としています。
2)知識・技能
知識に関しては「基礎的・基本的な知識を着実に習得しながら、既存の知識と関連付けたり組み合わせたりしていくことにより、学習内容(特に主要な概念に関するもの)の深い理解と、個別の知識の定着を図るとともに、社会における様々な場面で活用できる概念としていくことが重要」としています。
技能については「一定の手順や段階を追って身に付く個別の技能のみならず、獲得した個別の技能が自分の経験や他の技能と関連付けられ、変化する状況や課題に応じて主体的に活用できる技能として習熟・熟達していくということが重要」だと規定しています。
3)思考力・判断力・表現力等
思考力・判断力・表現力には「物事の中から問題を見いだし、その問題を定義し解決の方向性を決定し、解決方法を探して計画を立て、結果を予測しながら実行し、振り返って次の問題発見・解決につなげていく過程」、「精査した情報を基に自分の考えを形成し、文章や発話によって表現したり、目的や場面、状況等に応じて互いの考えを適切に伝え合い、多様な考えを理解したり、集団としての考えを形成したりしていく過程」、「思いや考えを基に構想し、意味や価値を創造していく過程」の三つがあります。
これら三つの過程をうまく組み合わせる能力が必要だと言われています。
これをカンタンにまとめると、目的を持ち、必要な知識を選び取り、改善しながら協働的に目的達成を行っていく力とも言えます。
これからの時代を引っ張っていくようなトップ、リーダーになる方は必須とも言える力ですね。
生きる力に必要な能力とは
では、生きる力で必要な能力、スキルは何なのか?を話し合ってみました。
※エビデンスがあるワケではありませんが、先生や、保護者、民間企業のさまざまな分野の人が話し合った結果です。
これを見てみると、国語、算数、理科、社会、英語などの能力は入っておらず、たった一言、知識というものでまとめられています。
あくまで知識はその子が目的達成のために必要な知識だけあれば良くて、それよりもコミュニケーション能力や、自己受容、行動力など知識だけで推し量ることができない力のほうが、今後の生き方として大切な能力であると感じられます。
学校で生きる力は学べるのか?
気になるのはさきほどの能力(生きる力として必要な能力)が学校で学べるか?という点ですが、学びやすい環境ではあるとは思います。
なぜかというと、他人を通して自分を見れるからです。
自分で自分を見るというのは非常に難しく、他人を見るのは比較的分かりやすい。
ジョハリの窓というのがありますが、自分では見えていない視点を小さくし、まったく知らない領域を広げると、より自分の能力を発揮できるようになる。
そのためには主体性だけではなく、他人と協力し、見えない視点もカバーしあいながら協働的に成長をするほうが、より生きる力が身についた人間になれるかと考えます。
生きる力は評価できるのか?
学校として非常に難しく感じてしまうと思うのですが、生きる力は評価できるのか?というのが先生の悩みとしてあると思います。
今回のグループと話した中で感じたことは、間違いなく今の学校評価体制からは変わると思っています。
どちらかというと、今はできたかできてないかに関わらず学年が上がり、置いていかれてしまう子も多いです。
ですが、今後は学年という概念も段々なくなり、一律の評価ではなく、カルテのような個別のポートフォリオができ、それが評価になっていくのではないか?という話も出ていました。
学校は最初から能動的に行くことができてない
そもそも主体的という話をした時に、義務教育学校という制度は最初から子供たち自身が主体性を持って学校を選ぶということはできていません。
僕が子供たちを見ていて思うのは、低学年のうちは学校に行くということにワクワクをしている子供が多いです。
しかし、3年生に差し掛かる辺りで「学校つまんない」とか「学校に行くのかったるい」、「勉強めんどくさい」と考える子供はたくさんいます。
どうしてこのようにスイッチが切り替わるのか?
この謎を解明していくことこそが、子供たちの主体性を生むことに繋がってくるのかと。
どこで主体的なスイッチを入れるか?なにでスイッチを入れるのか?というのが学校の課題になり、スイッチが入ったかどうかは評価に繋がってくると思います。
失敗しても大丈夫な環境があるからチャレンジがしやすくなる
もう一つあったのは失敗できない環境があると、子供たちはチャレンジをしたがらなくなっていくという話も出ていました。
今の学校はとにかく一方通行で答えだけ教え、先生が望んでる答えに導いていくことを行っています。
しかし、人生を生きるというのは先生にも答えが分からないもの。やってみなければ分からないというものなのかと思います。
授業自体に狙いはあっても、狙い通りになることを考えている時点で子供たちの主体性を奪ってしまうのではないか?とも考えます。
うまく行かない時、どうしたら良い?と子供たち自身が考え、「もっと知りたい」と感じる。
うまく行かない時でも敢えて手を出さない勇気を持ち、結果ではなく結果を出そうとする過程を評価することが大事かなと考えています。
アクティブラーニングで生きる力を育むためのポイント
いろいろ話し合いましたが、結局どんなことが大切なのかは下記のような形になりました。
今まで行ってきた学校教育とは全く違う考え方になりそうですが、いろんな話が出てきて非常に深い学びになりました。
子供に主体性を持たせたいのであれば、先生自身が主体性を持ち、チャレンジをしていく姿勢を見せる。
これが非常に大切なことなのではないかなと考えました。
今回もお読みいただきありがとうございました!